それは、長野・松本の養護学校の先生からの依頼から始まりました。
今年で3回目の上越・浄興寺でのピアノソロコンサート。
この寺には親鸞聖人の墓所もあります。
「子供たちの卒業旅行に、松尾さんのピアノの音を聴かせてもらえまえせんか。」
ネットで私の活動を知り、
私にとって今年で4年目越しの、上越でお世話になっている方に連絡が入ったと聞いています。
そしてその「浄興寺プロジェクト」の綿貫さんの決断により、
このゾロ目の七夕の日のコンサートが決定しました!
その子供たちは重度障害者で、殆ど全身が動く事もままらないという事でした。
連絡をいただいた私も、そんな経緯は普通ではまずありえないと、
ただ事ではないという特別な想いを感じ、
話は数か月をかけて綿密に計画されて来ていました。
殆どコンサートでは、自作曲以外の楽曲を弾く事はまずない私ですが・
今回は、生徒達のリクエストという事で、「アメイジング グレース」を弾く事が決定していました。
「アメイジング グレース」は、
黒人達が、奴隷としてアメリカに連れて行かれる時に唄った神に対する讃歌という事で、歌詞的には今や落ち着いていますが、
実は、作曲者不明の古い曲です。
「蛍の光」とも同一とされる説もあり、
気の遠くなる太古・
私たちは沈む大陸を観ながら、この曲を歌詞違いで唄っています。
「君が代」とかとも同じたぐいの、強烈な真実の音の配列の曲で、
生徒との連弾の演出が閃き、一本の指で連弾出来るアレンジも考え、
唯一実現可能な女子生徒との共演を私も楽しみにしていました!
それが・すこし前に一人の生徒の体調の不調が届き、
コンサート直前に、もう一人の生徒の体調不良の知らせが入る。
規定では4人中半数の者が参加出来ない場合は、修学旅行は中止になるとは聞いていました。
遂に卒業旅行は中止になりました。
父兄様や先生たちを含め、直前に20人程の方の参加はなくなりました。
でも、当日には何事もなかったかの様に、
多くの皆様に御参加いただき、素晴らしいコンサートが実現しました!
コンサート終盤、私はその今回の経緯を初めて皆さんに伝えようとしましたが、胸が詰まって言葉にはなりませんでした。
今回主催の綿貫さんの助けを求め、事の経緯を皆様にも伝えていただきました。
私をここに招いてくれた先生や子供たちはそこには居ませんでしたが、
彼らはここには確実に居ました。
「アメイジング グレース」の連弾も、子供たちと大成功に終え、
コンサートが終了しました。
私を選んでくれた先生に感謝!
子供たちに感謝!
サイン会でCDを手にしていただいている方の中にも、
まだ涙を流されている方がいました。
眼を開けても、ヴィジョンが観得たと仰る方もいたり、
私のこれまでのコンサート体験でも、
次への大きなステップとなる演奏会となりました。
本当に、この上越での全てのご縁に、
心より感謝いたします!