和歌山 日高町 録音。
【バリ・ロンボク、プリミティヴアートDVD】の音楽制作。
帰国後すぐ、旅立つ前に私を滋賀県の「プリミティヴアート展」に誘ってくれたギタリストからの連絡。
「あの、バリ・ロンボクのプリミティヴアートの展覧会を記録する為の、DVDの音楽制作への御参加をお願いします。
録音場所は、和歌山県の日高町です。」
それは、日高町・産湯(うぶゆ)海岸を観降ろす山のこのてっぺんの別荘、
(判りますでしょうか・頂上の棟の一段下、そこに並んでいる棟の中央。)
での録音が準備されていました。
ちなみにバリでは、産土(ウブスナ・ウブド)でした。
別荘の窓からは、こんな絶景!
真に、太平洋~黒潮を遡って東南アジアを望みます。
車が本当に通行できるのかと思う様な、
ドキドキさせられる急激な直角カーブと急斜面の連続を経て、
てっぺんに到着!
機材が運び込まれ、録音が始ます。
こんな感じです。
急斜面の崖っぷちに打ち込まれた何本かの鉄筋が、
その建物を辛うじて支えていました。
南海地震が起きた時にはどうなるか・・・
誰も予測出来ないような環境の中に立派に存在して建っていました。
遥か彼方に見下ろす産湯漁港。
マイシンセがセッティングされる。
ロンボクに行く前は何も訳が判りませんでしたが、
寄寓にも直前に、佐川美術館で出会ったロンボクの仏像をお連れして里帰りを果たさせていただき、ロンボクの霊峰の滝にも奉納演奏を捧げる事が出来、帰国後、そのさらに続きが始まっている感じがします。
こんな素敵な空間での録音。
リハのピアノの音色に、手に取れるほどまで近くに鶯が来て囀っていました。
すべての者は直感で動かされ、
結果的にここに集結させられていました。
今回の張本人、ギタリスト大塚君。
当人に聞いても、たまたま彼の親族の別荘があって、今回の録音はここしかないと直感で思ったという事でしたが、
それにしては、何か決められていた感じを受けました。
パーカッションは、10年前にポニーキャニオンから発表された私のソロアルバムに参加していただいたドラマー、
吉村氏が呼び寄せられていました。
彼はレコーディングエンジニアの役目も果たしてくれていましたが、
何故ここに居るのかがよく判っていないみたいでした。
今回この場所で、
何で・このメンバーで録音が行われるのかは不思議でした。
厳密には、紀伊半島の和歌山の田辺と三重の尾鷲を結んだラインのその南が「熊野」の名称で今は呼ばれています。
そのエリアからは少し北に外れた場所ではありますが、
京都から熊野三山に向かう熊野古道のいくつかの主要ラインの真っ只中の場所でもあり、かつて日本を治める上皇達が、多くの足跡を残しています。
セッティングが一段落して、スパ「満ち潮の湯」に向かう景色には、
熊野の秘境が現れました。
ロンボクの景色がダブります。
今も和歌山にはこんな場所があるのですね。
こんな、ガジュマルみたいな樹も普通に車道の道端に・・・。
やっぱり和歌山は、日本でもすごい場所です。
夕陽が沈む。
「日高町」といえば、日本一のクエの町、
海のそばの塩水の温泉の後は、クエの塩焼き。
最高です!初めての体験でした。
本格的な録音は夜から。
闇の光の中に文明の光。
素晴らしい作品が誕生しました!
次の日最後に顕れたのは、
やっぱり龍神。