5年振り、20回目の参篭。
一年に一回、2週間に渡る日本でも稀なロングラン奇跡のセレモニー。
一年に何度も足を運んだ事もありました。
闇の中に浮かび上がる二月堂の提灯の灯り。
チベットの僧が始めたと伝えられ、
かつて大阪湾に流れ着いた小観音(完全秘仏)を祀る。
この日は伝統にのっとり、一度その小観音の御厨子が一旦お堂外陣に運ばれ、また深夜に内陣中央に戻される日。
到着と同時に現れた月の暈(かさ)。
よく雨の降る前に現れる例の奴ですが、
こんな大きな暈を観たのは初めてでした。
太陽の光の輪は全体がカメラに収まるのですが、
それ以上の大きさでした。
半分ずつ上下合体。
夜のこの石畳の風情は、私の奈良の一番好きな風景のひとつです。
この石畳を歩き始めると、
独特の「二月堂 お水取り」の匂いが漂ってきます。
松明と、薪と、お香と蝋燭のすすの匂い。
なんとその夜空の上空には、
緑を発光した4基のUFOが映っていました。
何もない夜空の背景で、帰ってから気付く。
左上には光の使者も。
石畳の終点は、立てかけられたお松明の竹。
お水取りが始まる少し前に三重の寺からはるばる奉納されて来ます。
湯屋。
中には湯殿(お風呂)と、釜屋(お湯の調達一般)、そして、湯屋宿所。
お湯が沸かされる釜が隙間から見え、その水蒸気とくべられている薪からの「二月堂 お水取り」の匂い。
私には最も懐かしい匂いです。
湯屋と仏餉屋(練行衆たちの食事が作られる)間の井戸。
その傍らには、ざるに盛られたご飯。
向かいの食堂で毎日行われる、
食作法(じきさほう)の終わりに鳥たちに施すために残った米粒を屋根に投げる作法。
これは何かの理由で残った米粒で、
その時に一緒に施されるのでしょう。
こんな事まで知っている私は、
ちょっとした「二月堂 修二会」のプロです。
たぶん・かつて本当に参篭した経験を感じます。