奈良の高天原。
水流が勢いを放つ、今も 日本の原風景が残る貴重な場所。
彼岸の中日。
太陽は、この東に開けた杉の巨木より登ります。
今もこの場所にのみ残り護られる、
一千年もの杉並木の参道。
奇跡・。
高天彦神社。
スサノオの娘、イチキヒメ(弁財天)をも祀る。
風が境内を包み込む鎮守の森をゆっくり揺らせ、やさしい音が生まれる。
そして・射し込む光。
龍雲も当たり前のように続々と現れ、
セミが・鳥が・鳴き始め、
本当に気持ちのいい空間が生まれる。
御神体の裏山に登るも、
路に迷い山崩れの断崖絶壁に遭遇。
今までの中で一番険しい登山に。
もうだめ・・・、
引き戻そうと思っても土砂崩れの斜面はそれをも受け入れず、
遂にどろどろになりながら、空と山の稜線の境目を目指して登り詰めたその目前に、
なんと・松の巨木が姿を現す!
これが・登る前に地元の農家のおじさんが言っていた「峠の松」。
枝振りが、磁場のパワーのある場所に多く観られる独特の曲線を描き、
幹は登り龍の様にねじれて天に向かう。
多くの垂直に伸びる杉の植林の中に異彩を放つ。
その前に、もうひとつの松の大木の枯れ木。
既に朽ち果てた古木。
それを見下ろす、植林された杉林の中に一本だけ不自然に残る松の巨木。
今回もサポートして戴いた導師のO氏。
初めての断崖絶壁転落の危機に遭遇しながらも、
私のシンセサイザーを担いで登って戴いた二時間。
O氏が到着直後に唱える「般若心経」に、
私はシンセでの伴奏。
電気が走る。
土器が現れ、
この森の歴史の古さを知る。
ここが・古代の高天原・・・
この松の巨木が・
結界が張られたビニールの紐はちぎられ、
たぶん・夫婦松であったと思われる眼下の松枯れの巨木をずっと見下ろし、
私にも、ふと・寂しく悲しい気持ちが伝わって来たりする奉納演奏。
帰り道は、山林道に遭遇する事が出来、
今も点在する、いにしえより全てを見守る巨木達にも出会い、
たぶん大昔はここも屋久島・・・。
ようやく下山。
滝場に吸い込まれ、
滝の水を頭に。
全てを洗い流す。
とても気持ちの良い滝前演奏でした。
傍らには彼岸花。
何もなかった様にさりげなく咲いていました。
この季節になると、確実に姿を現しますね・・。
今回も大概の修行の登山で、
なんか・毎回キツクなっている気がしています。
今回の奉納登山は、甘く考え、
登山靴すらも履いて行かなかったのですが、
大きな間違いでした。
次回はロープも準備しようかとも・思っています(笑・マジ?)。
(どこまで続くのやら・)
