健保のつぶやき

食事、トイレと他人様に頼る必要はないが、薬に頼る生活がソロソロ始まりました。当面は「親鸞さん」に照準。

進化の過程でケトン体産生能を高めた

2016-06-08 15:37:15 | 銀座東京クリニック

  

492)ケトン体治療(その2):脂肪酸と血液脳関門

図:血液中のグルコース(ブドウ糖)は血管内皮細胞とアストロサイトのグルコーストランスポーター1(GLUT1)を通って血液脳関門を通過してアストロサイトに取り込まれ(1)、解糖系で乳酸まで分解され(2)、その乳酸はモノカルボン酸トランスポーターを通って神経細胞に渡され、神経細胞でピルビン酸に変換され神経細胞のミトコンドリアで代謝されてエネルギー(ATP)産生に使われる(3)。血液中では脂肪酸はアルブミンと結合して循環している(4)。脂肪酸は特殊なトランスポーター(Mfsd2a)などを使って血液脳関門を通過できる(5)。血液脳関門を通過した脂肪酸はアストロサイトではミトコンドリアでβ酸化されてエネルギー源として利用される(6)。飢餓時などグルコースが枯渇する条件ではアストロサイトは脂肪酸を分解してケトン体を産生する(7)。このアストロサイトが産生したケトン体は神経細胞に渡されてミトコンドリアで代謝されてエネルギー源になる。血液脳関門を通過した脂肪酸は神経細胞にも取り込まれる(8)。しかし、取込まれた脂肪酸の多くは細胞膜のリン脂質に取り込まれるなど、主に細胞構成成分の合成に利用される(9)。神経細胞はβ酸化に関与する酵素活性が低く、脂肪酸をβ分解してATPを産生することができない(10)。つまり、脂肪酸は血液脳関門を通過でき、神経細胞内にも取り込まれるが、エネルギー源としては使われない。神経細胞が脂肪酸をエネルギー源にしたくない理由が存在するため、進化の過程で神経細胞のミトコンドリアではβ酸化に関与する酵素が低下している。


492)ケトン体治療(その2):脂肪酸と血液脳関門

【人類は脳が発達したために進化の過程でケトン体産生能を高めた】
人類の祖先の類猿人から初期人類にかけての数百万年間は主に森林に生息して木の葉や果実などの植物性食糧が主体であったため、栄養素としては糖質が主体でした。


約250万年前から氷河期に入って森林が縮小すると、人類は森を離れ、狩猟採集によって食糧を得るようになり、動物性の食事が主体になって糖質摂取量は減っていきました。


約1万年前に最後の氷河期が終わり、農耕や牧畜が行われるようになり、人類は再び糖質の多い食事に戻りましたが、それまでの約250万年の間に人類は、低糖質食に適応するように代謝系が遺伝的に変化したと思われます。(376話参照)


その一つが「インスリン抵抗性の獲得」です。
インスリンは骨格筋と脂肪組織におけるグルコース(ブドウ糖)の取込みを促進し、肝臓での糖新生を抑制することによって血糖を低下させます。


当代一の糖質制限を語る江部医師の決まり文句である下記の文章ちょっと違いますね。700万年も糖質制限は眉唾デシタネ。全否定はしませんが、論理は余り着たいとないほうが良いのかと。根本が違えば、発言はヤハリ疑いたくなるもの。

江部康二の耐糖能は、見かけ上ではなく本当に低下していますが、糖質制限食を続ける限りは、正常人です。 

一方、糖質を摂取すれば糖尿人です。 

人類は狩猟・採集時代の700万年間は糖質制限食です。 穀物食(高糖質食)は農耕後の1万年間だけです。 

どちらが人類にとって自然な食事であるかは明白です。 


そして、糖を擁護される下記の医師もおられます。糖は、人間の大事なエネルギー源と過去から発してこられましたる糖尿病の原因がアブラと書いてあります。一瞬疑いました。日本で最初の糖尿病患者の時代に、こんなアブラがあったのだろうかと。笑う。この方に対する疑いもやつと晴れました。言ってることは正しくない。と。

『入院していると体調が悪くなる理由は?』

昨日も病棟のご家族を入れたカンファレンスで改めて考えさせられたことがありました。

糖尿病の患者さんで、退院にあたってインシュリンをオフにすることができないかというご質問に対してよくよく考えると。。。

病院に入院するたびに血糖値が異常に高くなるために、インシュリンを使用せざるを得なくなっていたということでした。

それもそのはず。

病院や学校給食は「長鎖不飽和脂肪酸」の塊のような食事です。
(米国の戦後の食糧戦略が見事に成功しています)

これは給食を作る方々にも大変な労苦なんです。

フライ、天ぷらはもちろん炒めものなど、揮発する植物油脂由来の過酸化脂質を肺や粘膜から吸い込んでいます。これで体調が悪くならないはずがありません。

この「長鎖不飽和脂肪酸」が糖尿病の最大の原因であるということを2015年のパレオ総会のときからさまざまなセミナーでお伝えしてきました(日本ではまだ誰もこのことを指摘していません。不思議です・・・・)。


さすが、福田先生です。人間は必然的にケトン体の燃料も持ち合わすようになった経過がこれではっきりしました。乳幼児がケトン体出からすべてケトン体に結びつける短絡的な医師たちも論理的根拠はいかがなものか。インスリン、ケトン体まだまだ頭の中の霧が晴れません。