南京の真実 ジョンラーベ

きのう図書館にいって南京の真実という本を借りてちょろっと読んだ。
　南京虐殺についての論争でよく引用される本だ。で、おれは膨大な南京に関する資料を読み尽くしているわけでは全くない。いくつかのサイトや何冊かの本を読んだだけだ。
で、そうした論争で引用される部分が当たり前だがたくさん出てくる。
仮に、極端な分類として、不法殺人全面否定派を否定派、中国の主張を肯定派としよう。
　するっていと、否定派が主張するように、蒋介石の軍隊は守備できる見込みのないまま降伏への勧告を無視し、無責任にも遁走し、あるいは、警察権を日本に丸投げし、また、軍による略奪などもあったが、それ以上に、肯定派のいうように日本軍の略奪や投降した兵士などの不法な殺人があった。
　否定派がいうように、中国の女性たちが中国人の勧誘により娼婦として申し出たのも
事実だが、肯定派が言うように、それ以上にレープや暴行があった。
　否定派が言うように、日本軍による取り締まりもあったが、それ以上に不法行為があった。
　肯定派言うように南京には、死体が散在したが、否定派のいうように秩序を取り戻していった地域もあった。
　そうしたことがラーベの記録にはある。
　で、やっぱ、市民は20万、あとで避難してきて25万という記述がある。
まあ、論争はいろいろあるだろうが、最後に論争の一大焦点たる虐殺数については、ヒットラーへの上申書に

「中国側の申し立てによりますと、10万人の民間人が殺されたとのことですが、これはいくらが多すぎるのではないでしょうか。我々外国人はおよそ5万人から6万人とみています。」362項

とある。

ところが、中国系アメリカ人の研究者によると、

43 Kasahara, Nankin jiken, 223–24. In his report to Adolf Hitler, John Rabe noted that the Chinese estimate of 100,000 civilian deaths was perhaps too high, and that "we Europeans put it between 50,000 and 60,000." John H. Rabe, Nankin no shinjitsu [The truth about Nanjing], Japanese translation of Der Gute Deutsche von Nanking by Hirano Kyko (Tokyo, 1997), 317; in its English translation, however, the estimate refers to all victims, see The Good Man of Nanking: The Diaries of John Rabe, John E. Woods, trans. (New York, 1998), Convergence or Divergence?
Recent Historical Writings on the Rape of Nanjing



DAQING YANG

とあり、日本語訳では上記の如くだが、ここでの10万の数は兵士を含めた犠牲者すべてを指称するとあるが、どうなのだろうか？誤訳か？
原文、英文のものをもっている人がいればご教示いただければ幸いである。