Japanese and Koreans invaded Asia. We apologize.

有道 出人(あるどう でびと)のホームページ

2007年09月15日 04時55分01秒 | Weblog
今回はDebito orgを紹介します。
著者はアメリカから帰化した日本人ですが、ブログは主に英語です。

 デビト氏の主な主張は「不当な差別はするな」というものです。これ自体もっともなことです。例えば、デビト氏を有名にした一つに、「ジャパンオンリー」というのがあります。風呂屋さんやお店で外国人お断りしていることへの批判です。一説によれば、風呂場の使い方を知らないロシア人船員が風呂を汚すので外国人お断りにした、とも言われていますが、それなら、「風呂、更衣室を汚す人は退場願います」とすればいいことです。日本語しかできないので外国人お断りにしたのかもしれません。それなら「日本語のみのサービスになりますのでご了承下さい」とかすればよいのです。
 アメリカにもつい数十年前まではwhite only という看板がよくありました。そして、奴隷と公開リンチの残虐な歴史があります。それと戦ってきた歴史があります。そうした劣悪な社会的な経験が権利を生成します。そうした社会で生まれ育ったかたが、こうした差別に敏感になるのは当然です。これは謙虚に受け止めましょう。日本にも差別はありましたがあれほど、悲惨な制度的な差別がなく、また、従ってそれほど熾烈な闘争もなかったせいか、差別に対する感覚が希薄な点はあるでしょう。

 デビト氏の主たる主張に間違いはありません。しかし、これの主張のしかた、付随する情報の提示の仕方については、批判も多いようです。ネット上の百科事典をご参照ください。

 最近の投稿のなかに、例えば
、For me, after 20 years here, it’s a decent read–it fills a lot of holes and answers a lot of lingering questions. For anyone else, it would probably be a head-scratcher. It would merely promote Japan as a land of impenetrable exotica (which is the wont of this generation of Japan specialists anyway, IMO), instead of as a land of quirks working under a mostly rational system. It takes a lot of experiences before people see the rationality.

 サイデンステッカー氏の文章に対するコメントですが、日本社会に合理性を認めて頂いているわけです。有難い話しです。

(日本をあまり知らない人にとっては)
「大半は合理的なシステムのもと、ごまかしがまかり通っている社会としてではなく、日本が不可解でエキゾチックな国だというイメージを増長するだけだ。その合理性を理解するには沢山の経験が要る」

 ある意味、同じことは日本人からみたアメリカについても言えるでしょう。その合理性を理解するには時間がかかる。しかし、そういう書き方をすると、あたかも、こちらが合理性をもっていることを前提として、この変な社会にもよくよくみれば合理性があるんだよ、といったような傲慢な印象を与えてしまうので私なら書かない。まあ、このような「おれが生まれ育ったアメリカは正しいんだ、日本は遅れているなあ」といった印象を随所に与えているところに彼の文章の特徴があります。

 もう一つ彼の最近の投稿をのぞいてみましょう。彼は自分の離婚話を引用して、共同親権の行使がうまくいく例を挙げています。そこで、その投稿をみてみると、日本では共同親権が認められていない話しの例としてご自身の離婚の話しをしています。
 離婚後の共同親権の行使はうまく行く場合とそうでない場合があるでしょう。離婚した両親の対立を離婚後も引きついた場合、その間に挟まれた子供の境遇は必ずしも幸福と言えない場合もありましょう。もしも、離婚後の共同親権の権利の利点を主張したければ、様々な調査結果を言及すべきでしょう。アメリカでそうだから、というのはでは議論になっていません。

 では、その離婚の話しはどうでしょうか。ご自身が学んだ教訓を皆様にも提示するということになっています。

"Because if you do indeed love your children, you will not seek this divorce."
子供を愛しているなら離婚はしないでしょう。

と調停委員に言われたことになっています。

 子供を愛しているという言葉をつかったかどうか、わかりません。日本語的ではないですね。破綻主義を採用するには可及的に破綻の回避努力をしたことが前提となるので、調停委員は離婚回避の努力をするとされています。(内田 家族法Ⅳ108項)
ですから、「お子さんを大事に思うなら離婚について再考したら」くらいはいったかもしれません。
もっとも、後の抗議からこの調停委員は忌避されたとしていますから、かなり問題発言をしたには違いありません。

調停がご自身にうまく運んだ理由として

Now I could not only make the case that she had committed a criminal act, but also probably demonstrate that we were indeed no longer a married couple (for what real wife would not tell her husband about a parent's funeral?). In other words, I got lucky. I beat the odds because my ex did stupid things.
「彼女が犯罪行為をしたことを立証できたし、結婚が破綻していることを立証することもできた。言いかえれば、幸運だった。彼女が馬鹿な事をしてくれたおかげでうまくいった」

彼のいう「犯罪行為」とはお子さんをデビト氏に無断でアメリカに留学させたこと、もう一つの馬鹿なこととは彼女のお父様がなくなったことをデビト氏に伝えなかったこと、です。

ヘーグ条約に違反していることが直ちに犯罪と認定されるかはわかりません。
また、こうした私的なことを暴露することが誰かに有益なのでしょうか?
馬鹿なことと特徴づけることはもとのおくさまを侮辱していないでしょうか?

Other friends of mine have had more thorough court experiences. Once I bring up the topic of divorce over beers, lots of people come out of the woodwork to say ,"Me too!" It seems to be one of the worst-kept secrets of relationships in Japan. I have heard some awe-inspiring courtroom horror stories (such as a friend's ex lying to a judge, and, thanks to Japan's weak perjury laws, suffering no sanction whatsoever), but they should be told by the people themselves.


日本の裁判制度に問題点があることは誰しも承知しているわけで、それは秘密でも何でもありません。裁判で虚偽の陳述をすれば判決が不利になることはもちろん、宣誓した上なら犯罪を構成します。

I'm sure the chattering classes and keyboard clackers out there are licking their lips and saying, "See? Arudou Debito's activism wrecked his marriage!"

Sorry, but that's not what happened. I am the one who asked for the divorce, remember.

 誰も彼の離婚を責めたてたいなどと思っている人はいないでしょう。意識過剰なように思われます。「僕の方から離婚を申し込んだんだ」と言いますがそんなこと誰が興味があるのでしょうか?この文脈ですと、彼女に非があるんだ、と言っているようにも聞こえますね。

こんな私的で、もとの奥様に復讐するかのような言辞が日本の離婚について有益なことなのでしょうか?

Plus resorted to using the kids as weapons, denying me visitation or any contact with them, while fostering ill-feelings towards the parent who had no way to reply.

This is the worst part of the divorce process in Japan--you just can't stop this sort of thing from happening. Japan's laws to secure either child support or child visitation are weak or unenforceable.

もとの奥様がお子さまにデビト氏に悪感情を持つようにしむけたかどうか誰も知りようがありません。事実としてもそれを公表する意義がありますか?

因みに親権者と監護権者の割合について記しておきます。

平成12年
総数16953件
父を親権と定めたもの 2298件 →母を監護者とするもの236件
母を親権者と定めたもの 15245件→父を監護者と定めたもの16件

(134項 内田)

親権、監護権、面接交渉権は子供の福祉を中心に考えるべきでしょう。

因みに離婚はほぼ9割が協議離婚であり、調停になるのはかなりもめたということでしょう。また、調停は調停委員がなかにはいるとはいえ、お二人の合意が前提です。そして、それは子供の福祉が最優先に考慮されるべき事項だと思われます。

なお、
共同親権 監護権の問題点についてググればすぐわかることです。


 離婚というのは辛い経験です。クレーマークレーマーをみてもわかります。また、ある特殊な例が人々の参考になることもありましょう。飲み屋でのおじさんの愚痴もサラリーマンのつらさを勉強にするには有益です。

 日本の離婚制度の問題点を論じるのは多いに結構なことです。しかし、論じかたによっては、個人を不要に傷つけたり、ある社会について誤解を与えたりします。また、制度を論じるならば、法律と事実の提示が不可欠です。大義名分は正しくてもその提示方法や提示内容が妥当でないと当該大義名分を推進する運動自体がなりいきません。

 デビト氏に対するネット上の百科事典による批判が必ずしも不当ではないということは実はデビト氏の推進する大義名分に同調するものにとっては不幸なことだとおもいます。

 もっとも、平均的な日本人には気づきがたい点をしばしば指摘している点では非常に有意義なブログだとも思います。
 





 





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