Rivals
例の如く、紀伊国屋で平積み。ペーパーバックになったからかな?
アジア三国志
翻訳もでているわけだ。
そうか、ビル・エモットさんって渡部昇一氏なんかとも対談していた御仁か?
本書に関しても、英語圏でも様々なレビューがある。
Rivals
How the power struggle between China, India and Japan
will shape our next decade
By Bill Emmott
Books > Reviews, by Bill Emmott
Storm over Asia
Reviewed by Hamish McRae
Friday, 25 April 2008
The Sunday Times
April 6, 2008
Rivals: How the Power Struggle Between China, India and Japan Will Shape Our Next Decade by Bill Emmott
BOOK REVIEW
Asia's awesome threesome
Rivals by Bill Emmott
Reviewed by Sreeram Chaulia
最後のは、ちょっと批判的。
それはいいとして、途中すっ飛ばしながら、サラッと目を通す。
アジアの時代がやってくるというのは多くの識者が指摘するところだが、その前に中国、インド、日本の権力争いがある、と。で、そこにアメリカが食い込んでくる、と。
この点、著者は、米印原子力協力を重視する。
つまり、核不拡散体制を揺るがしてまで、米国は、かつて中国をつかってロシアと対抗したように、インドを使って中国と対抗しようとする駒を打った、と。
日本でも、海外でもそのこと自体は指摘されている。
Bush Signs India Nuclear Law
Critics Say Deal to Share Civilian Technology Could Spark Arms Race
By Peter Baker
Washington Post Staff Writer
Tuesday, December 19, 2006; Page A03
中国の台頭に伴って、経済上はともかく、彼の国の不透明な軍事増強に、インド、日本が安全保障上不安に思うのは当然で、この点、日本は、米国さんとも、インドさんとも仲良く頑張って行かなくてはいけない。
問題は、日本の弱点で、著者が指摘するには、やはり少子高齢化による人口減少による労働力の弱体による国力の衰退。
小泉改革は評価されているが、派閥政治や傲慢な官僚主義は批判されている。
仮に小泉改革から揺り戻しがあったり、民主党政権になったとしても、いずれにせよ、歳出削減、増税の選択、あるいはその両方をしなければならない、という。
それと日本の歴史問題。
すべて賛成するというわけではないが、比較的公平な記述だと思う。
中国の731部隊や南京虐殺の記念館の情報の不確かさも指摘する。就遊館については、展示に添付された記述について、間違っているとまではいえないものの、それが指摘していない、日本軍の戦争犯罪について着目している。つまり、記述されていることより、記述されていないことをが問題にされている。
日本にとって弱点になるのは、この歴史問題で、つねに日本は防御の態勢に立たされるということだ。そして、中国(や韓国は)この問題を手放したくないし、自国が優勢に立つために利用したい。
で、中国の被害について中国の誇張はあったとしても、やはりとびぬけた犠牲者数をだした戦争犯罪があったことは事実である。(もっとも、著者は、開戦責任、東京裁判については、懐疑的である、ことも付言しておく。)それは、一部右翼が引用するパル判事の立場でもある。
そのことを否定したり、否定しているかのように受け取られると日本は劣勢に立たされざる得ない。
これは私も同調する。しばしば、海外メディアで取り上げられる南京虐殺やバター死の行進などについては、躊躇せずに謝罪の意を述べるべきだ。
著者はそこで、ドイツ式に、民間と協力して、過去の条約にとらわれず、個々の戦争被害者の賠償をしたほうがいい、という。
これは多少疑問が残る。戦時の性奴隷について一顧だにしていないドイツと一緒くたにされても困る。
といってもつねに受け身で防御態勢をとっていても日本に不利になるだけである。
そして、中国韓国米国の英雄主義的、美化されたナショナリスティックな歴史とガチンコするやり方は通用しないことはもう証明づみではないか?
そこで、
(1)過去の歴史問題に対する中国韓国の民族主義的な側面を指摘すること。
(2)植民地侵略、占領地での虐殺、慰安婦問題など、日本、中国、韓国、ドイツ、米国などを含めて、加害者、加害国を問わず否定的な非難をすること、
などは、最低限必要なことではないか、と思う。
消極的な防御のみではせいぜい言い訳にしか聞こえない。
なんなら、関係国で関連する問題について同一の基準で評価する機関を提案してもよいし、慰安婦問題なども、いまだに救済されていない、韓国軍や米軍、あるいは、現在も同様に搾取されている女性について関連政府に、少なくとも日本がした程度の責任をとらせるための助成機関を設置してもよい。
一部政治家の失言などは困るが、上記の点なでの注意すれば日本はこの点で有利に事を運べる立場にもなれるのではないか、と思う。
要するに、後手の防御だけでは、やっぱ駄目だ、と思うし、過去の怨念だけでは未来の日本は築けない。 。
あと、著者は、アジアでのEUやNatoに相当する機関の形成、アメリカの役割などについて9つの提案をするが、面倒くさいのでそれは省略。
、
例の如く、紀伊国屋で平積み。ペーパーバックになったからかな?
アジア三国志
翻訳もでているわけだ。
そうか、ビル・エモットさんって渡部昇一氏なんかとも対談していた御仁か?
本書に関しても、英語圏でも様々なレビューがある。
Rivals
How the power struggle between China, India and Japan
will shape our next decade
By Bill Emmott
Books > Reviews, by Bill Emmott
Storm over Asia
Reviewed by Hamish McRae
Friday, 25 April 2008
The Sunday Times
April 6, 2008
Rivals: How the Power Struggle Between China, India and Japan Will Shape Our Next Decade by Bill Emmott
BOOK REVIEW
Asia's awesome threesome
Rivals by Bill Emmott
Reviewed by Sreeram Chaulia
最後のは、ちょっと批判的。
それはいいとして、途中すっ飛ばしながら、サラッと目を通す。
アジアの時代がやってくるというのは多くの識者が指摘するところだが、その前に中国、インド、日本の権力争いがある、と。で、そこにアメリカが食い込んでくる、と。
この点、著者は、米印原子力協力を重視する。
つまり、核不拡散体制を揺るがしてまで、米国は、かつて中国をつかってロシアと対抗したように、インドを使って中国と対抗しようとする駒を打った、と。
日本でも、海外でもそのこと自体は指摘されている。
Bush Signs India Nuclear Law
Critics Say Deal to Share Civilian Technology Could Spark Arms Race
By Peter Baker
Washington Post Staff Writer
Tuesday, December 19, 2006; Page A03
Bush, who has made the fight against the spread of nuclear weapons a centerpiece of his foreign policy, persuaded Congress to make an exception for India despite its not having signed the nuclear Non-Proliferation Treaty. Although critics warn that the deal could spark a regional arms race,
Some top advisers believe that a closer relationship with India will be one of Bush's primary legacies and could help build up a counterweight to a rising China.
中国の台頭に伴って、経済上はともかく、彼の国の不透明な軍事増強に、インド、日本が安全保障上不安に思うのは当然で、この点、日本は、米国さんとも、インドさんとも仲良く頑張って行かなくてはいけない。
問題は、日本の弱点で、著者が指摘するには、やはり少子高齢化による人口減少による労働力の弱体による国力の衰退。
小泉改革は評価されているが、派閥政治や傲慢な官僚主義は批判されている。
仮に小泉改革から揺り戻しがあったり、民主党政権になったとしても、いずれにせよ、歳出削減、増税の選択、あるいはその両方をしなければならない、という。
それと日本の歴史問題。
すべて賛成するというわけではないが、比較的公平な記述だと思う。
中国の731部隊や南京虐殺の記念館の情報の不確かさも指摘する。就遊館については、展示に添付された記述について、間違っているとまではいえないものの、それが指摘していない、日本軍の戦争犯罪について着目している。つまり、記述されていることより、記述されていないことをが問題にされている。
日本にとって弱点になるのは、この歴史問題で、つねに日本は防御の態勢に立たされるということだ。そして、中国(や韓国は)この問題を手放したくないし、自国が優勢に立つために利用したい。
で、中国の被害について中国の誇張はあったとしても、やはりとびぬけた犠牲者数をだした戦争犯罪があったことは事実である。(もっとも、著者は、開戦責任、東京裁判については、懐疑的である、ことも付言しておく。)それは、一部右翼が引用するパル判事の立場でもある。
そのことを否定したり、否定しているかのように受け取られると日本は劣勢に立たされざる得ない。
これは私も同調する。しばしば、海外メディアで取り上げられる南京虐殺やバター死の行進などについては、躊躇せずに謝罪の意を述べるべきだ。
著者はそこで、ドイツ式に、民間と協力して、過去の条約にとらわれず、個々の戦争被害者の賠償をしたほうがいい、という。
これは多少疑問が残る。戦時の性奴隷について一顧だにしていないドイツと一緒くたにされても困る。
といってもつねに受け身で防御態勢をとっていても日本に不利になるだけである。
そして、中国韓国米国の英雄主義的、美化されたナショナリスティックな歴史とガチンコするやり方は通用しないことはもう証明づみではないか?
そこで、
(1)過去の歴史問題に対する中国韓国の民族主義的な側面を指摘すること。
(2)植民地侵略、占領地での虐殺、慰安婦問題など、日本、中国、韓国、ドイツ、米国などを含めて、加害者、加害国を問わず否定的な非難をすること、
などは、最低限必要なことではないか、と思う。
消極的な防御のみではせいぜい言い訳にしか聞こえない。
なんなら、関係国で関連する問題について同一の基準で評価する機関を提案してもよいし、慰安婦問題なども、いまだに救済されていない、韓国軍や米軍、あるいは、現在も同様に搾取されている女性について関連政府に、少なくとも日本がした程度の責任をとらせるための助成機関を設置してもよい。
一部政治家の失言などは困るが、上記の点なでの注意すれば日本はこの点で有利に事を運べる立場にもなれるのではないか、と思う。
要するに、後手の防御だけでは、やっぱ駄目だ、と思うし、過去の怨念だけでは未来の日本は築けない。 。
あと、著者は、アジアでのEUやNatoに相当する機関の形成、アメリカの役割などについて9つの提案をするが、面倒くさいのでそれは省略。
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