●6月14日(木)15−30 京橋<テアトル試写室>
M−067『あの日 あの時 愛の記憶』Remembrance (2010) media park film 独
監督/アンナ・ジャスティス 主演/ダグマー・マンツェル <111分> ★★★☆
悪くはないが、こういう戦争後遺症の作品が、なぜか多い。
「サラの鍵」、「灼熱の魂」・・・。いい作品だが、テーマが似ていて損をしているようだ。
ナチス統治下のポーランドで、戦乱で別れ離れてしまった恋人たちが、30年後に再会しようとする。
きっかけはニューヨークに住む老女ダグマーが、偶然、テレビの海外取材番組で、死んだ筈の恋人の存在を知るのだ。
それはそれで「心の旅路」のバリエーションでいい。泣ける話だ。
英語、ドイツ語、ポーランド語などが飛び交うバイリンガル・メロドラマは語学の勉強になる。
しかし、それにしても「アンネの日記」のような、ナチスの非道な残虐シーンの回想が多いのは、いかがなものだろう。
当時のアウシュヴィッツ周辺のロケのリアリティも、現在の現地周辺の風景も、妙に殺伐としていて肌寒い。
結局、老いた二人は再会して、めでたし、めでたしだ。
が、残されたダンナや家族はどうなるのだ。と、よけいな心配も残る。
ただ、初恋のひとに、苦労して再会する、毎度のラブストーリーの美学として見れば、それは目出度い。
ああ、まだあるのか。あの戦争の爪痕は。
それにしても、この邦題。もっと判りやすく「再会」とでもした方がいいのでは・・・?
■ファールで粘って、結局はきわどい判定のフォアボール
●8月、銀座テアトルシネマでロードショー