細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ドライブ・マイ・カー』で、運転できない傷心のワケ。

2022年02月19日 | Weblog
●2月17日(木)9-30a・m・ 二子玉川<109シネマズ・シアター5>
M-002『ドライブ・マイ・カー』"Drive My Car" (2021) 
監督・濱口竟介 原作・村上春樹 主演・西島秀俊、三浦透子、岡田将生<ワイド・カラー・179分>
いわゆる<ロードムービー>というのがスキな性分なので、あの珍道中シリーズもいいが、「イージー・ライダー」や「ハリーとトント」もスキだった。
といっても、これは西島クンが自分のクルマを運転していくストーリーではなくて、女性ドライバーの三浦透子が運転していく、という一種のバディ・ムービーだろうか。
妻の突然の急死に困惑悲嘆した、夫だった西島の行動は、一見は冷静に見えるのだが、かなり奔放に移動展開していくので、それが映画的には退屈はしないが・・。
しかし、映画的に書き下ろされたオリジナルではない、文豪村上春樹のストーリーなので、こうして思い出そう、としても、どうも明確には思い出せない。
つまり、そこには実に数年後の元夫の時間が経過しているので、当然、その主人公の西島のメンタルな心情にも、かなりの変化が描かれているのだろうが・・・。
たしかに、広島と瀬戸内海でのロケを中心にした映像は、ほとんどセットでのドラマのような劇的な感情を見せないが、これも西島の冷めた感情に沿ったものだろう。
妻の亡後、2年後という設定だが、そこは村上レトリックの機微があるのかもしれないが、映像はまるでロードムービーのようなロケーションの空気を持続させる。
ま、文学として書き上げられたストーリーには、そこに登場人物の感情が感じられるものだが、この作品は瀬戸内の穏やかな風に、さわやかに風化されていくようだ。
という点では、次期アカデミー賞にノミネートされたという評価は、作品の持っている文学的で深みを匂わせるような佇まいに、ドラマの深みを感じ取ったのかもしれない。
その点で、劇場邦画の上映時間3時間という<流れ>が必要だったのかもしれないし、それが濱口監督のレトリックとして、評価されているのかも知れない。

■レフトが打球を反らしたボールが、フェンスまで転々してツーベース。 ★★★☆
●全国で公開中
●2月17日(木)9-30a・m・ 二子玉川<109シネマズ・シアター5>
M-002『ドライブ・マイ・カー』"Drive My Car" (2021) 
監督・濱口竟介 原作・村上春樹 主演・西島秀俊、三浦透子、岡田将生<ワイド・カラー・179分>
いわゆる<ロードムービー>というのがスキな性分なので、あの珍道中シリーズもいいが、「イージー・ライダー」や「ハリーとトント」もスキだった。
といっても、これは西島クンが自分のクルマを運転していくストーリーではなくて、女性ドライバーの三浦透子が運転していく、という一種のバディ・ムービーだろうか。
妻の突然の急死に困惑悲嘆した、夫だった西島の行動は、一見は冷静に見えるのだが、かなり奔放に移動展開していくので、それが映画的には退屈はしないが・・。
しかし、映画的に書き下ろされたオリジナルではない、文豪村上春樹のストーリーなので、こうして思い出そう、としても、どうも明確には思い出せない。
つまり、そこには実に数年後の元夫の時間が経過しているので、当然、その主人公の西島のメンタルな心情にも、かなりの変化が描かれているのだろうが・・・。
たしかに、広島と瀬戸内海でのロケを中心にした映像は、ほとんどセットでのドラマのような劇的な感情を見せないが、これも西島の冷めた感情に沿ったものだろう。
妻の亡後、2年後という設定だが、そこは村上レトリックの機微があるのかもしれないが、映像はまるでロードムービーのようなロケーションの空気を持続させる。
ま、文学として書き上げられたストーリーには、そこに登場人物の感情が感じられるものだが、この作品は瀬戸内の穏やかな風に、さわやかに風化されていくようだ。
という点では、次期アカデミー賞にノミネートされたという評価は、作品の持っている文学的で深みを匂わせるような佇まいに、ドラマの深みを感じ取ったのかもしれない。
その点で、劇場邦画の上映時間3時間という<流れ>が必要だったのかもしれないし、それが濱口監督のレトリックとして、評価されているのかも知れない。

■レフトが打球を反らしたボールが、フェンスまで転々してツーベース。 ★★★☆
●全国で公開中

1 コメント

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確かに微妙な映画でした... (onscreen)
2022-02-23 11:31:44
<レフトが打球を反らしたボールが、フェンスまで転々してツーベース

言い得て妙ですね!

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