●3月30日(金)13−00 六本木<シネマートB1試写室>
M−040『愛の残像』La Frontiere de L' aube (2008) bitters end 仏
監督/フィリップ・ガレル 主演/ルイ・ガレル モノクローム作品<108分> ★★★☆☆
激しい恋の激情が、恋人たちの心を不安定にする。
その崩落の日々を、非常に精度の高いモノクローム画像で見つめた、恋の迷走と妄想。
60年代のフランソワ・トリュフォの作品を思わせる、フォトジェニックなラブ・ストーリーだ。
監督の息子が演じているルイは、パリに住む若手のカメラマン。
女優のローラ・スメットの生活ぶりを撮影していて二人は恋の落ちるが、彼女は狂恋の思いで精神異常となる。
長い闘病の果てに退院した頃には、ルイには新しい恋人が出来ていて、絶望したローラは自殺する。
しかし新しい恋人と結婚しようとしたルイの前には、ローラの姿が現れるようになる。
ひとつ間違えると、怪奇なヴァンパイア映画になりそうな展開だが、あくまで純愛映画のスタンスは崩さない。
そこが監督の、本格ロマンティスト作家としての真摯な作風だ。
モノクロームの画調を、まさに美しい静止映像のようにシンプルにモンタージュして語る作風は貴重だ。
じつに久しぶりに味わうような、フランス映画らしい気品の香りが漂う。
■素直にセンター前に打ち返したシングルヒット。
●6月、渋谷シアターイメージフォーラムでロードショー