細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『リンカーン弁護士』は古典的な骨太ロイヤーのダンディズム。

2012年06月06日 | Weblog

●6月5日(火)13−00 六本木<シネマートB1試写室>
M−062『リンカーン弁護士』The Lincoln Lawyer (2011) lakeshore entertainment / lionsgate
監督/ブラッド・ファーマン 主演/マシュー・マコノヒー <119分> ★★★☆☆
マイケル・コナリーの小説は、いつも法の盲点を探るので、ついつい読み込んでしまう。
この新作のプロットも案の上、捻りがきいて面白い。
富豪の息子が殺人罪で起訴されて、雄弁なベテラン、マシュー弁護士は友人の紹介で弁護を引き受ける。
容疑者のライアン・フィリップスは、見るからに善良そうな佇まいの青年で、裁判は楽勝だと思っていた。
ところが、事件には裏や過去もあり、どうやら調べて行くと複雑な状況もある。
探偵映画じゃないのでアクションはないが、推理劇としては面白い。
マシューも、久しぶりに演技のできる役なので、ポール・ニューマンのように見せ場をつくる。
ただ、原作の長さを省略しきれなかったのか、シナリオが冗漫になり、演出ももたつく。
それでも、久しぶりの本格的な法廷ミステリーならではの面白さはあった。
さすがに原作が緻密で深いだけに、退屈はさせない。
大型高級車の「リンカーン」に運転手つきで乗り回すというキャラも、ひとつのダンディズム。
せっかくのマリサ・トメイの絡みも遠慮がちで残念だ。
暴走族との交流はいいが、女性関係があまりないのが地味な印象で、テレビの連続ものの延長を感じさせた。
でも、ま、マイケル・コナリーのファンには文句ない。

■渋い左中間への浅いテキサス・ヒット。
●7月14日より、丸の内ピカデリーなどでロードショー