細越麟太郎 MOVIE DIARY

最新の映画情報や批評を掲載します。

●『六番目の男』はミステリー感覚の<捜索者>。

2020年11月30日 | Weblog
●11月29日(日)19-30 二子玉川サンセット傑作座
OV-213『六番目の男』"Backlash" (1955) Universal International Studio, Mermaid Film. 84分・スタンダード・サイズ・
監督・ジョン・スタージェス 主演・リチャード・ウイドマーク、ドナ・リード <マーメイド・ビデオ>
これもまた見損なっていて、探し求めていた<ハイエナ俳優>ウィドマークの幻のミステリー・ウェスターンで、今回、オーダーによる特注DVDでやっと見れた。
西部劇全盛の50年代に量産されていた一作だが、ウィドマークとしては「ワーロック」での、珍しく善玉シェリフ役のイメージがあったのか、すぐに消えた一作。
駅馬車がインディアンの襲撃を受けて、5人の白人が殺されたが、その中に6万ドルの金塊を持った窃盗犯がいて、保安官のウィドマークが捜索にあたった。
しかし4人の死体は判明したのだが、もうひとりの男が行方不明で、その金塊も消えていたので、保安官はその窃盗犯を捜索するのだが、それは実の父親だった。
という、まさにミステリーとしては、現代劇として作るべきテーマを、「OK牧場の決闘」のスタージェス監督が「日本人の勲章」と同時期に監督したという異色。
これも店頭などでも、中古品でも見つからなかった異色作で、<ウィドマーク・フリーク>を自認している当方としては、<七番目の男>として探していた作品だ。
やはりストーリーが殺人犯の捜索なので、現代劇にした方が、街や車両を使ってムードが出るだろうが、白昼の荒野を馬で捜索というのはジョン・ウェインの「捜索者」に負ける。
とはいえ、「地上より永遠に」でオスカー受賞のドナ・リードも、同様に行方不明のダンナを探していて、この<二人の捜索者>のミステリー・ツアーが展開。
かなりモダーンなクライム・ストーリーがテーマなので、わざわざウェスターンにする必要はなかったのだろうが、当時はウェスターン・ブームの最盛期。
そのせいか、スタージェスの演出は、どうもウェスターンにしては、都会的なミステリー感覚と混同しているのか、白昼の砂塵に混乱してしまったようだ。

●狙いはいいが、これは現代劇で見たかった。 ★★★☆
■ショートゴロをファンブルの間にセカンドを狙い封殺。
<自宅DVD鑑賞>

●『太陽に向かって走れ』との、個人的にも、長いナガい因果関係。

2020年11月27日 | Weblog
●11月26日(木)21-00 ニコタマ・サンセット傑作座
0Vー208『太陽に向って走れ』"Run For The Sun" (1956) MGM Studio, Park Circus Films.
監督・ロイ・ホールディング 主演・リチャード・ウィドマーク、ジェーン・グリア <98分・シネマスコープ・サイズ>復刻シネマライブラリー、マーメイドフィルム
この作品が公開された頃は、大学受験で、東京と自宅の盛岡市を行ったり来たりしていた関係で、ウィドマーク・ファンのわたしも、つい、見逃していた作品。
なぜか、ほとんど見るチャンスもなく、テレビ放映もDVDの発売もなく、ウィドマーク・ファンとしては、いつも見たくて探していたフィルムである。
ところが、何と映像専門店で、パッケージを見て注文してから、DVDプリントするという、堅実生産に3週間かけて、やっと入手したという貴重品だ。
メキシコのメリダ郊外の密林地帯には、ユカタン文化の遺品が埋もれていて、多くの探検家やコレクターや密売グループが暗躍していたのが、60年代か。
ウィドマークも研究家なのだが、アメリカから来ていた歴史研究家のジェーンを自分のセスナ機で、国際空港に送ろうと飛行中に、コンパスが電磁気で異常となる。
そして悪天候の中、密林に不時着してしまい、ふたりは脱出しようと、沼地を強行するのだが、そこはイグアナや毒蛇や山賊たちの徘徊する<地獄>なのだ。
わたしも、CM撮影の仕事で、70年代に現地に行ったことがあるが、バーで飲んだあとに、野外の通路を部屋に戻ろうとすると、大きなイグアナによく会った。
廊下の大理石が冷えていて、イグアナも熱い夜にはそこで休んでいる・・という具合で、エヴァ・ガードナー主演の「イグアナの夜」という映画もあったが・・。
で、わがウィドマークは、美女のグリアと、あのトレヴァー・ハワードの悪党密売グループの追跡から、密林を脱出していけるかーーーという、サスペンス。
あの<ターザン>の助けもあるわけもなく、ふたりは密林を悪戦苦闘して、とにかく彼らのセスナのある滑走路まで決死行を続けるというドラマ。
気がついたが、1984年のジェフ・ブリッジス主演「カリブの熱い夜」のラストで、老ウィドマークとジェーン・グリアは一緒に顔を見せていた。
ということは、この映画のハッピーエンドで、二人はそのままユカタン半島で、幸福な一生を送っていた・・・という、オチのついたサスペンス傑作なのだった。

■左中間へのヒットで野手がフェンスでもたついてスリーベース。 ★★★★
●注文販売で、3週間待ちでゲットできる。

●『さらば愛しきアウトロー』での、あのサンダンス・キッドへの追想。

2020年11月23日 | Weblog
●11月21日(土)21-20 サンセット傑作座(自宅)DVD鑑賞
0V-205『さらば愛しきアウトロー』"The Old Man & the Gun" (2018) Old Man Distribution, LLC. 
監督・脚本・デヴィッド・ロウリー 主演・ロバート・レッドフォード、ケイシー・アフレック <93分・シネマスコープ・サイズ>提供・バップ、ロングライド
 どこまでが本当の話しかワカラナイが、これは74歳までに、16回もの銀行強盗と、出獄と、脱獄をくりかえしたという、ほぼ、実話の犯罪者の映画化だという。
その老脱獄常習犯フォレストを、「明日に向かって撃て」で、ブッチだったか、サンダンス・キッド、という、これも実話だったという、常習銀行ギャングの映画化があった。
甘いマスクで「華麗なるギャツビー」や「追憶」で、あの70年代から80年代に人気のあった、レッドフォードが、実に久しぶりの主演作品が、このドロボーだ。
ま、あの美男俳優のケイリー・グラントも、ヒッチコック監督の「泥棒成金」で、南仏の豪華ホテルに宿泊している大金持ちから、宝石類を常習窃盗していた。
まさか、あの大泥棒を再現しよう、とは思わなかっただろうが、デビュー作の「逃亡地帯」でも若き窃盗犯を演じて、マーロン・ブランド警部に逮捕された前科者である。
あの映画での逮捕シーンが、この作品でも懐かしくインサートされているが、おそらくはレッドフォードとしても、あの名優に逮捕されたのを誇りに思っているのだろう。
という、根っからのアウトローを、この老年になってもやりたかった俳優根性は、ま、あの時代からのレッドフォードを知っているものには、ニヤニヤさせられる。
従って、どれだけが事実で、どれだけが<ホラ話し>かはともかく、レッドフォードは、わざわざ「逃亡地帯」のシーンを再使用しているのだから、好き者だなーー。
しかも、役名が<フォレスト・タッカー>というのだから、あのB級西部劇の専門俳優だった<フォレスト・タッカー>というのだから、笑ってしまう。

■ボテボテのショート・ゴロをトンネルしたのを見てセカンド盗塁、ビデオ判定でセーフ。 ★★★☆?
●ロングライド提供、バップDVDで発

●『ドクター・デスの遺産』の、いかにもNowな事件性。

2020年11月19日 | Weblog
●11月17日(火)9-20a.m. <二子玉川・109シネマ・1スクリーン>
M-34 『ドクター・デスの遺産』"Black File" (2020) 日本テレビ放送網、ワーナー・ブラザース映画、KDDI,読売テレビ。
監督・深川栄洋 脚本・川崎いづみ 主演・綾野 剛、北川景子、<123分・ワイドスクリーン>
たしかに、大病を患い、闘病も数年以上で、しかも医師にも、余命わずかです・・・、と言われた患者は、自死を望むのはアタマでは理解できる、が。
数年前にも、たしかフランス映画で、死期の近い患者の希望で、家族も承認して、立ち会いのもとで自分の死を迎える、という映画もあった。
この作品は、130人もの死期の近い病人を、安楽死させた、という医師をモデルにして書かれたという、中山七里の原作小説をもとにした映画化作品。
2012年に「みなさん、さようなら」という作品もあったが、似たような発想の作品は過去にもあったと思うし、自分の遺志で、その時間を決めるテーマは、多い。
しかし、お医者さんが、病人や高齢者などの<自死志願者>たちを、無謀にもその遺志を<お仕事>として、実行していたいう設定は、かなり創作としてもキツイ。
この作品は、そうした異常なテーマの、報道はされない異常事項の、その事件性を追いつめて行く、という、一種の追跡サスペンスだが・・。
個人的にも、「新宿スワン」から、「日本でいちばん悪い奴」、「怒り」「武曲」「楽園」・・そして「影裏」などなど、綾野 豪という役者の作品は見逃せない。
最近でも、少女たちの自殺願望を自分のアパートで実行していた、というかなり妖気と怪奇に侵された青年の事件が話題になっていたが、・・・。
一般の窃盗や殺人事件とちがって、このような<安楽死>を加担しているという医師の心境としては、ただの<犯罪、悪徳>などをテーマにしたサスペンスとは一味違う。
ただ、ここでは商業性を狙ったのか、人気若手スターの共演、というスタイルなので、これまでの<綾野剛映画>の特異性は、ちょっと薄いナー・・という印象。

■左中間へのゴロだが、セカンドで惜しくも瀕死。 ★★★
●全国で公開中

●『どん底作家の人生に幸あれ!』で、D・カパーフィールドの人生パワーに、敬服!!

2020年11月17日 | Weblog
●11月16日(月)20-40<ニコタマ・サンセット傑作座>サンプルDVDでの鑑賞
M-033『どん底作家の人生に幸あれ!』"The Personal History of David Copperfield" (2019) Dickensian Pictures. LLC.
監督・アーマンド・イアヌッチ 主演・デヴ・パテル、ティルダ・スウィントン <120分・シネマスコープ>
イギリスの国民的な文豪チャールズ・ディケンズの代表的な名作といわれる「デヴィッド・コパーフィールド」のことは知っていたが読んではいない。
あの「オリバー・ツイスト」や、キャロル・リード監督の「文なし横丁の人々」を思わせるような、大戦前のロンドンの庶民感覚と町の喧噪を描いている。
超ベストセラーといわれた「D・コパーフィールド」を読んでいない無学な拙者には、とにかく「文なし横丁・・」の喧噪も想像を絶する、あの時代のエピソード。
少年時代から<変わり者>といわれていたデヴィッドは、ドン底の幼少時代から、ロンドンの工場に売り飛ばされたが不屈のユーモア精神で、人生を伸し上がって行く。
という、一種のサクセス・ストーリーなのだが、そこは<ロンドン・ジョーク>の連発で、堅物の町といわれた不況の時代の空気を逆手にして、どんどんと制覇。
その飽くなき人生行路を、独特のユーモアとポジティブ・アクションで、まったくの<マイ・ペース>で、その人生の時間を自分のものにしていくエネルギーには負ける。
ふと、あの「トム・ジョーンズの華麗な人生」を思わせるような驀進力は、やはり一味も二味も苦味なロンドンの、戦争前の混沌とした時代も、自分のものにする。
つまりは、ある種のサクセス・ストーリーであるという以上に、この転身爛漫な個性の根強さに、なにか<ユーモア>を、またも嘲笑するような強いパワーを感じる。
おそらく、その辺の精神的なバネの軋みやニュアンスは、<ロンドン英語>をダイレクトに理解できたら、もっともっと、味わいは深いに違いない。

■レフト線へのボロいゴロだが、セカンドでセーフ。 ★★★☆
●2021年1月22日より、TOHOシネマズ・シャンテなどでロードショー

●『天国にちがいない』と大都会を徘徊する、こうふくな旅人。

2020年11月15日 | Weblog
●11月12日(木)13-00 京橋<テアトル試写室>
M-032『天国にちがいない』"It Must be Heaven"(2019) Rectangle Production, Pallasfilm, Possibles Films Media2. Zeino Films.
監督、脚本、主演・エリア・スレイマン、 ガエル・ガルシア・ベルナル、タリク・コヴティ、<102分・シネマスコープ>配給・アルバトロス・フィルム
久しぶりに、試写室に出かけて、ちゃんと投光スクリーンで、ホンモノの映画を見たくなったのも、この手のファンタジーは大好きだが、劇場ではなかなか。
というよりも、今年は2月に試写室で新作を見た後は、この新型コロナ騒動の影響で試写も激減して、新作の試写用のサンプルDVDで送っていただくのだが・・。
やはり、<映画はスクリーンで見たい・・>のが実感で、これは・・まさに<決死の覚悟>で試写室の京橋まで遠足したのだが、やはり狭い場内は危険過密状態。
それでも新作を見たい御仁は、みなさんマスクで同様な覚悟でスクリーンに見入っているのは、やはり<バカは死ななきゃ治らない・・>のだ。
パレスチナ出身のエリア監督も同様な心情なのか、地中海辺境のナザレから、単身でパリやニューヨークに向かって、まさにキリスト殿下のように旅に出る。
もちろん、この出家旅には宗教色は微塵もなく、まさに現代のジャック・タチ監督の「ぼくの伯父さん」のように、大都会の路地裏を歩き回るのだ。
主役は映画監督役なので、そのまま新作の企画を持っての旅なのだが、そのシナリオというのが、実はこうして世界的な大都会を放蕩することで、その暢気さに終始ニヤニヤ。
もちろん爆笑コメディではないのだが、その大都会の人々を傍観しているだけのエリア監督のトボケた表情が、いかにも、あのジャック・タチの無表情なおかしさなのだ。
10年ぶりの監督作品なのだが、これが初めての試写鑑賞で、まるで気の抜けたワインのようなのだが、見ていて時間を忘れるような語り口に、ついニヤニヤ。
天国のバスター・キートンや、あのチャップリンが見たら、絶対に喜ぶような、じつに幸福な人間讃歌。

■ボテボテのゴロなのだがセカンドベースに当たって外野を転々。 ★★★★
●来年1月29日より、ヒューマントラストシネマ有楽町などでロードショー  

●『新・動く標的(魔のプール)』で、アーチャー探偵は溺れそうだ。

2020年11月13日 | Weblog
●11月9日(月)21-00 ニコタマ・サンセット傑作座<自宅>
0V-193-72 『新・動く標的(魔のプール)』The Drowning Pool (1975) Warner Brothers Coleytown/ Turman Foster Production 
監督・スチュワート・ローゼンバーグ 主演・ポール・ニューマン、ジョアン・ウッドワード・<110分・VHS鑑賞>  
VHSの新機種を購入したので、とにかくVHSビデオテープを処分すべき!!、と、自己判断して、とにかくVHSテープの処分ラスト・チェック。
まだ銀座の会社に通勤時代にはまったハードボイルド探偵小説の一連で、レイモンド・チャンドラーを読破したあとは、このロス・マクドナルド原作。
「動く標的」のヒットで、主人公のリュ・アーチャー探偵役は、あのポール・ニューマンが演じていて、今回はロスからフロリダへの出張の出稼ぎ、いや、デカせぎか。
愛妻のジョアン・ウッドワードが、フロリダの富豪夫人の役で、娘のメラニー・グリフィスが地元の悪投グループとの関係で事件に巻き込まれているらしい。
例によって複雑な人間関係があって、豪邸のオーナーだった義理の母親が溺死体で発見されて、その裏の人間関係と利権トラブルに、娘も絡んでいるようなのだ。
で、出張探偵がマイアミのコロニアルな屋敷をバックにして、その地元ヤクザたちの利権騒動を探る、というサスペンスなのだが、やはりマイアミの陽光に捜査は難航。
どうも悪投グループの役者に存在感が薄くて、まるでテレビの連続刑事映画の、あの「刑事コロンボ」のような軽さに終始していて、サスペンスも乾燥気味なのだ。
たしか、<ロス=マク>のアーチャー探偵シリーズは、10作以上はあったような気がするが、やはり小説のような切れ味がないのは、明るいマイアミの陽光のせいか。
結局は70年代の変動の映画界の動向のせいか、このシリーズも後続はなく、ポール・ニューマンのロサンゼルスでの本業サスペンスは以後見られなくなった。
そのあと、DVDでの再発売があったのか・・・は不明だが。

■ハードボイルド探偵も、マイアミの陽光には凄みもとろけるか。 ★★★
●VHSテープでの復活鑑賞。

●『トラブル・イン・ハリウッド』は自虐型、現代版「サンセット大通り」。

2020年11月08日 | Weblog
●11月8日(日)15-40 二子玉川サンセット傑作座
OV-191『トラブル・イン・ハリウッド』"What Just Happened" (2008) Magnolia Pictures / Tribeca / Linson Films Productions
監督・バリー・レヴィンソン 製作主演・ロバート・デ・ニーロ、共演ショーン・ペン、ブルース・ウィリス<104分・ヴィスタサイズ>DVD
まさに、ハリウッドの映画スタジオ現場の状況を、あの1988年のアカデミー受賞作「レインマン」の監督バリー・レヴィンソンが、悪友たちと作った自虐コメディ。
いよいよ新作の撮影開始が近づいたスタジオでは、その新作の撮影シナリオもまだ未確定で、プロデューサーのデ・ニーロは、スタジオを駆けずり廻っている。
一応、撮影は出来る状況なのに、主役のブルース・ウィリスはヤクをやっていて、スタジオには来ていないし、捕まえても台詞は憶えていないし・・・。
知人のスターは自殺して、その葬式には出なくてはならない上に、カミサンのキャサリン・キーナーとは、離婚訴訟のトラブルの真っ最中。
子供の学校にも参観に行かねばならないし、新作の予算が足りないので銀行との交渉も難航し、とにかく連日トラブルの山積みでの「サンセット大通り」の苦笑篇。
おそらくは、この作品もプロデュースしているロバート・デ・ニーロの自虐コメディなので、多くの名優たちも友情参加しての、スタジオ大混乱が続出する。
とてもこれでは、シナリオ・ライターもストーリーを変更したくなる気持ちも、見ていて、よくわかる程のパニック状態が続くのだが、それでも作品は完成。
大きな劇場での試写には、ハリウッドの関係者ばかりなのだろうが、みな昼寝をしていても、カンヌの国際映画祭まで出品する、という業界を嘲笑していておかしい。
あまりの自虐ぶりに、恐らく製作のデ・ニーロは面白がっているのだろうが、東京での試写公開した記憶があまりない珍品だ。
あの「ニュー・シネマ・パラダイス」は、きっと夢のファンタジーだった・・・のだろう、と思ってしまう。

■2008年、角川書店発売DVD。

●『地下室のメロディ』の、DVDカラーヴァージョンの鮮やかな犯行とドジの果て。

2020年11月04日 | Weblog
●11月4日(水)14-30 ニコタマ・サンセット傑作座
OV-188 『地下室のメロディ』"Melodie en Sous-Sol (1962) Roissy Films All Rights Reserved.
監督・アンリ・ヴェルヌイユ 主演・ジャン・ギャバン、アラン・ドロン <カラーライズ・105分・シネマスコープ・サイズ>発売・アネック
10月29日の読売新聞夕刊に、「渋谷のTSUTAYAに、懐かしのVHSテープがレンタルコーナーに6000本集合!!」という記事が掲載された。
VHSの再生マシーンを新規で購入したばかりの<ワサモノ>としては、やはり一応はチェックしておこう・・・と、さっそく出かけてみた。
なるほど、壮観なVHSの残存テープがズラリと天井までびっしり並んでいたが、さすがに<ご老体VHS>なのか、そのパッケージは白濁して老け込んでいた。
ま、これが現実で、電化製品の進化による衰退なのだ・・と確認したが、どうもレンタルでは、また返却にやってくるのは面倒だし、買い上げの交渉するのも遠慮。
で、近くの<タワーレコード>を覗いてみたら、あのギャバンとドロンの「地下メロ」のカラー・リアライズ版DVDが、売れ残っていたので、・・ゲット。
これは62年当時は、モノクローム・シネマスコープでロードショウされ、社会人に成り立ての当方は、たしか日比谷映画のロードショーで見た記憶があった。
しかも、のちにレーザー・ディスクでも入手していたが、このDVDのカラー・ヴァージョンというのは、クラシック・フレンチのギャバン・ファンとしては見逃せない。
入手して帰宅したら、たしかにレーザー・ディスクのボックス入りで、カラー版もまだ手元にあったのだが、やはり文明の進化で、DVDでの新版というのは、うれしい。
見てみたら、カラーライズではなく、ちゃんとカラー・フィルムで撮影されていて、どうして、当時、モノクロ・シネマスコープ版で公開されたのかは、ワカラナイ。
ムショ帰りのギャバンは、最後の大ばくちに、モンテカルノのカジノの売り上げ金を強奪する、という裏情報を得て、その実行犯にアラン・ドロンと結託。
ヒッチコックの「泥棒成金」で、ケイリー・グラントが屋根伝いに決行した手段で、通気ダクトを潜っての大金強奪は成功するのだが、翌朝プールで水の泡。
ま、当時のフランク・シナトラ主演「オーシャンと11人の仲間」の泥棒作業をふたりで強行するという作戦は成功したのだが、その運搬にとんだボロを出す。

■ヒッチの「泥棒成金」作戦をダブルで決行の、ダブルプレー。 ★★★☆☆
●DVDストアで探せば、まだゲットできるかも、

●『メインストリートを飾るな』が、クリント時代の市長方針だった。

2020年11月02日 | Weblog
●11月1日(日)20-30 二子玉川<サンセット傑作座>(自宅)
OV184-65 『ドント・ペイブ・メインストリート』"Don't Pave Main Street" (1994) Carmel Heritage California.<スタンダード113分。>
製作監督・ジュリアン・ラトウィグ、ウィリアム・T・カートライト・Jr 出演・クリント・イーストウッド、ドリス・デイ
久しぶりに、VHSの新しい再生機を入手したので、どうもマシーンの不調で見る事のできなかったVHSテープなどを取り出して見る事にした。
これは2002年だったか、マリナーズのイチロー選手がサンフランシスコのキャンドル・スティック・スタジアムでナイトゲームがあったので、観戦に行ったとき。
ついでに、レンタカーで2時間ほど海岸線を南下したところに、あのクリント・イーストウッドが町長をした<カーメル>があるので、好天だし、行ってみた。
ビーチに向かう一本道が、ちょうど、軽井沢のメインストリートと同様の佇まいであり、そのビーチ沿いに、クリント・イーストウッドの壮大な農場があった。
まるで西部劇で見たような木造平屋の小振りな観光オフィスがあり、ボスの肖像画が飾ってあるが、奥にオープンカフェがあったので、コーヒーとサンドイッチを。
ウェイトレスに「ボスはいるの?」と聞いたら、・・「さっき、あそこの駐車場で、彼のワゴンを洗ってましたが・・、何かご用なら呼びましょうか?」という。
「あとで・・」と言って、とにかく5センチほども分厚いゴージャスなサンドイッチにビールを、中庭のテラスでランチにしていたら、その先でヘリが飛び立った。
いかにもカントリー・ガール風のウェイトレスが、「あ、・・ボスは、あのヘリで行っちゃったみたい・・」と、済まなそうな表情をしている。
ビーチから内陸にはゴルフ・コースが広がり、パッティング・グリーンの先には、まるで「シェーン」の木造平屋のようなコテージが点在してみえる・・・楽園。
結局、ボスはハリウッドに行ったらしく、そのカフェの売店で買ったのが、クリントがガイド役をしてカーメルの歴史と観光を紹介したVHSで、久しぶりに見た。
あの歌手のドリス・デイも、このカーメルに永住していて、このテープにも、ガイド出演しているという貴重なPR用のVHSなのだった。

■ショート頭上へのポテンヒット。★★★★
●カーメルに行かないと、ちょっと手に入らない貴重なVHSだ。