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細越麟太郎 MOVIE DIARY



★『フランク・シナとトラ・ソサエティ』会報のためのエッセイ。

 「生きるのに飽きたけど、死ぬのは怖い」
  --Tired of Living, but Scared to Dying-----              細越麟太郎


 さすがに最近になって、シナトラの未発売レコーディングの曲は、いくつかの<海賊ラ
イブ盤CD>を残して減少したが、その代わりに豪華秘蔵写真集とか、ライブショウなど
のDVDセット・ボックスなどが、突然に<タワーレコード>や<蔦屋家電>などに出現
するので、ファンとしては、まだ監視は必要だ。
 たしかに、この会報ではその情報には常時アクセスして詳細が紹介されるが、それを
店頭でゲットするには、日頃のチェックと速やかな判断とーーー財力とが必要になる。
 数多い有名タレントでも、人生で2度も引退宣言したひとは少ないだろうが、わがフラ
ンク・シナトラはそれをやった珍しい人だ。
 ご存知のように、はじめて引退宣言したのは、1971年6月で、当時25日全米発売
の"LIFE"誌では、その特集を組み、" SINATRA Says Good-by and Amen " という大特
集を組んだものだ。
 そしてわれわれも引退を惜しみ、関連のレコードやCDを買い求めた。
 ところが2年ほどして、" Let Me Try Again " という新曲とともに彼はショウビズに
カムバックして再活動を始めたが、タイトルも" Ol' Blue Eyes is Back "。
 ま、われわれファンとしては嬉しいことだが、テレビのショウでは相変わらずのジョー
クで、・・・”家にボーッとしていると、電話がかかって来て、ナンシーはいますか?って
いうんだ。「いま外出している・・」というと、「あんたは誰だ、召使いか?」という。
で、「俺はフランクだ、」というと、無言でガチャン、だ・・・”と嘆いていた。
 そのリタイア騒動の時に、つまり一回目の引退宣言のときに、1971年6月13日の
夜に、ロサンゼルスの<アーマンソン・シアター>で開催された「リタイアーメント・コ
ンサート」の時のライブの模様が、DVD映像として、このたび豪華な特典入のボックス
で発売されたのは、実にうれしい事件。
 この原稿のタイトルは、その夜のシナトラの引退宣言の心境を、実によく言い当ててい
るが、ご存知のように、これはエドナ・ファーバーの原作をミュージカルに、ジェローム・
カーンとオスカー・ハマーシュタインが作詞作曲した『ショーボート』の中で、もっとも
有名なナンバー「オールマン・リバー」の一節で、このコンサートでも、シナトラは自身
の心境も込めて、もっとも感動的に歌い上げている。
 この絶唱は、多くのシナトラの歌曲の中でも、非常に印象的な圧巻だ。
 さすがに、この夜の模様は、実に完璧な映像とレコーディングで、その司会はブロード
ウェイの名女優で、われわれの記憶としては、舞台演出家の名匠ジョシュア・ローガンが
初めて映画の監督をし、キム・ノヴァクの登場で評判だった映画「ピクニック」で、あの
年増の隣人で、しかも傲慢な隣の酔っぱらいを演じた名優ロザリンド・ラッセルが、実に
ホロリとさせる熱弁で、ちょっとツマリながら、シナトラを紹介している。
 このボックスには4枚のDVDと、そのライブのCDが1枚入っているが、その他のオマ
ケが素晴らしく、貴重な写真とライブのプログラム。6枚のキャビネ版のポートレイト、
引退報道を当時特集した”LIFE”誌の縮小版。・・・などが満載。
 まさにシナトラ・ファンには貴重な玉手箱なのである。
 つい先頃には、シナトラ生誕100年を記念して、100曲の名曲を4枚のCDにセット
して、豪華なパンフレットを添えたボックスは発売されたが、それよりも興味を引いたの
は" THE OFFICIAL CENTENARY BOOK "というLPレコードサイズの5センチメートル
もある厚さの写真集で、これは9、000円で、まだ店頭で売られているが、いつ手に
取って、その重さが値段よりも凄くて、仮に買ったとしても、どうやって家まで運んだら
いいものか、と迷ってしまい、いまだに買う勇気はない。
 おそらくアマゾンにでも依頼すれば宅配してくれるのだろうが、思案に苦しむのだ。


 


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●9月22日(火)10-20 渋谷<TOHO CINEMAS 4F SCREEN 4>
M-27『ミッドウェイ』"Midway" (2019) Midway Island Productions, Chinese Hong kong, Canada.USA.
監督・ローランド・エメリッヒ 主演・ルーク・エヴァンス、エド・スクライン、ウディ・ハレルソン、<138分・ビスタサイズ>配給・キノ・フィルムズ
やっと<コロナ規制>が解除されて、さて、久しぶりにワイド・スクリーンで、大音響の<ホンモノ・シネマ>が見たくなって、渋谷に出かけた。
という、同じ感覚のファンが既に場内にいっぱいで、かなり前の席での<かぶりつき鑑賞>となったが、どうせ見るなら太平洋の水しぶきを浴びる覚悟だ。
「ミッドウェイ」は、前に1976年に製作されていて、ジャック・スマイト監督で、ヘンリー・フォンダ、チャールトン・ヘストン、三船敏郎など大御所主演。
その記憶もあるし、あの洋上大空中戦の映像を、いまの最新映像処理で、どう見せるのか・・・が、かなり興味津々だ。
「地上より永遠に」でのパールハーバーの奇襲のあとの、太平洋上での巨大空母を舞台にした日米交戦の展開を、アメリカ海軍の混乱を背景にして描いた本格戦争映画。
前作では、名優たちの演じる戦況が主軸だったが、今回は当然のように特殊映像効果が進化しているので、単発戦闘機による洋上決戦が見どころになっていて凄い。
とくに米軍の単発戦闘機による空中戦を、ド迫力なカメラ映像と素早いカットワークで、見ていてめまいを起こしそうな空中戦が、巨大空母を背景に展開する。
その実戦迫力が見応え充分で、おそらく空撮マニアには悶絶のシーンが展開するので、日米の進退を決定づけた男たちのドラマには、女性不在の超大作。
それでも、場内には若い、戦争などは知らないギャルの姿も多いから、ま、戦争の実態ドラマを見るのではなくて、<オトコ達の戦争ごっこ>を見に来たのかも。
ま、この「ミッドウェイ」交戦のあとに<東京大空襲>へと、太平洋戦争の前哨戦の背景を知っている世代は、もう劇場では見かけないから、これも<史劇>なのか。
という余計なことは考える必要のないほどに、戦場のオトコ達と、日米大戦争に展開していった太平洋上での発戦闘機の交戦、それをゲーム感覚で見るのが現実なのだろう。 

■レフト頭上を襲ったライナーが転々のツーベース。 ★★★☆☆+
●全国東宝洋画系で公開中。


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●9月20日(日)21-20 ニコタマ・サンセット傑作座
0V-159-60『ラテン・アメリカ★光と影の詩』"El Viage!" (1992) Cinesur, An Alzentine+French Productions
監督・脚本・フェルナンド・E・ソラナス 主演・ウォルター・キロス、ドミニク・サンダ <140分・ビスタサイズ> 配給・日活株式会社
現実と幻想とが交錯して進む、<父を探して50,000キロ>の、少年の自転車によるたった一人の無銭旅行の孤独な、しかし勇気に満ちた旅日記だ。
5万キロといっても、とても見当がつかないだろうが、南米大陸の最南端パタゴニアの、そのまた南の孤島エン・マルチャという地点から、赤道直下の地点までの距離。
とても信じられない距離だが、南極点から赤道直下まで、ほぼ地球の半分を、ひとりの青年が自転車で走破するという、呆れ果てた<父を探して5万キロ>の一人旅。
たしか、<父を捜して3000キロ>という、そのテの話しはあったが、これはとにかく地球の半分を自転車で陸路走る・・・という、とんでもない旅。
すべてを現地ロケーションで撮影しているので、その映像効果は、南極のオーロラから灼熱のメキシコの悪路までを、一台の自転車と貨物列車への無賃乗車で移動する。
中学生のキロス少年は、離婚、再婚してパタゴニアの南端の学校ではイジメを受け、再婚した母のダンナとは無口な生活に絶望して、家出して実の父親探しの旅に出る。
映画は、そのキロス少年の自転車の旅に同行して、チリ、アルゼンチン、ブラジル、メキシコへの自転車とナップザックだけの孤独なひとり旅に沿って移動するのだ。
水面に崩壊していく巨大団地のマンションや、足に大きな足ひれをつけた政治家から、ハンモックで愛撫する美少女とのラブシーンも、まるで白日夢のように展開する。
ラストでは、メキシコのメリダ辺りの田舎道で、父親を見かけるが、それが、本当の彼の探していた父親なのか・・・不明のままに、それを伺う少年の目で終わる。

■レフトオーバーのスリーベースだが、返球のタッチを巡っては、リクウェスト。 ★★★★☆??
●日活株式会社 RF/1055  VHSテープ


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●9月15日(火)11-20 二子玉川109シネマズ・7番アイマックス・スクリーン
M-026『IMAX/2分の1の魔法』
監督・ダン・スキャンロン 声・トム・ホランド,クリス・プラット
久しぶりに、ビッグ・スクリーンで映画を見ようと、近所のシネコンに行ったが、ほとんどはヤング向けの邦画で、好きなハリウッドものはやっていない。
そこで、「アナと雪の女王」以来久しぶりのディズニーのコミックでも見ようか、と入場したものの、でっかいアイマックスのスクリーンの前の客は数人。
半年も前に、ここでハリソン・フォードの新作を見たときも、<コロナ騒動>で客は数十人だったが、こちらはもっと少なくて、肌寒い感じだが、これが現実。
しかし映画は二人の少年兄弟が、亡くなった父親に逢えるという、魔法の杖を探して冒険に出るのだが、そこは秘境ではなくて、現実のアメリカ西部のカントリー。
背は高いが、ちょっと抜けた兄貴と、小柄な明晰な弟による父探しの旅というのは、1992年のフェルナンド・E・ソラナス監督の「ラテンアメリカ・光と影の詩」と同様。
ただし、あの名作は南米パタゴニアから、メキシコへの5万キロもの自転車の旅だった、こちらは十代の兄弟による、亡霊探しの旅でアニメーション。
しかも父の下半身は見つけたものの、肝心の上半身を見つけるまでの、かなり<コミック>ならでは、の発想で、むしろ<バディ・ムービー>の少年ふたり旅。
ラストで、やっと父親の上半身が甦って、感動の再会の筈も、時間切れで夢のような一瞬の出来事で、作品も忙しいだけで、感動にはほど遠い再会だった。

■ショート・ゴロでダブルプレー ★★
●全国で公開中


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●9月13日(日)21-30 ニコタマ・サンセット傑作座
OV-157『怒濤の果て』"Wake of the Red Witch" (1948) Republic Pictures, National Telefilm Associates, Inc.
製作・エドマンド・グレインジャー 監督・エドワード・ルトヴィック 主演・ジョン・ウェイン、ゲイル・ラッセル <106分・モノクロ・スタンダード>
かなり前の話しだが、監督の大林宣彦さんは、ご自宅が近いので、よく我が家で青春のオールドムービーの思い出を語っていたものだったが、
わたしがハリウッドでジョン・ウェインの50センチ位大きな全身像を買って来たものを、痛く欲しがって、ずーーと胸に抱いて離さなかった。
彼は日本一の<ジョン・ウェイン・フリーク>を自認していたので、もちろん、ハリウッドでご本人にも逢って撮ったツーショットを自慢していたものだ。
ジョン・フォード監督との西部劇には、多くの名作が多かったが、ウェインの最悪の愚作は何だ!?、という時に、彼はこの「怒濤の果て」を明言していた。
たまたま、今回、DVDのムックで再発売されたので、久しぶりに見たのだが、ま、愚作というのは申し訳ないほど、無茶苦茶な海洋メロドラマなのに圧倒された。
ニュージーランド沖の海洋で、漁業とは表向きで、実は大昔の海賊船横行の時代に、お宝を搭載した大きな帆船が沈められた、という海域でウェインは潜っていた。
戦後の間もない頃には、西部劇と同様に、エロール・フリンの海賊映画もヒットしていて、まだ西部劇の名作に出演する前の彼は、この映画にも出ていたのだった。
大きな帆船には無宿者の男たちが乗っていたが、寄港する街では若い美女たちの歓待を受けていたのは、お宝を探しあてたならず者も、やってくるからだ。
自分の船を持つ為に、こうして苦労の航海を続けているウェインも、ラスト間近の潜水で宝箱を見つけるが、そこには巨大なバケモノのイカがいて、大奮闘。
しかし海流の流れで、中世の宝物を積んだ帆船と、怪獣の巨大イカもジョン・ウェインと共に海中に消えて行く・・・という壮絶なラストシーン。
いろいろなスペクタキュラーなシーンの多い作品だが、当時の恋人だったゲイル・ラッセルとの共演で、ジョン・ウェインもご満悦の大奮闘映画で、楽しんだ。

■セカンド・ゴロがベースに当たって、不覚のヒット。 ★★★+
●コスミック出版、DVDムック「ジャングルの秘宝」より


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●9月12日(土)21-00 ニコタマ・サンセット傑作座
OV-155『ザ・ホースプレイヤー(神よ許し給え)』"The Horseplayer" (1961) Shamley Productions, Ink. Universal Studios.
監督・アルフレッド・ヒッチコック 主演・クロード・レインズ、エド・ガードナー <B&W>30分・スタンダード・テレビサイズ
このところ、試写室行脚が時節上、規制も厳しくて新作の試写は激減して、サンプルDVDでの<自宅試写>が増えているのも、時節柄しょうがない。
しかも、とくにコロナのアウトブレイクには無関係だろうが、ハリソン・フォード、ロバート・デ・ニーロ、リチャード・ギアなどのお気に入りハリウッド・スター達は、休業中。
という具合で、古典的なヒッチコック・ファンとしては、60年代にヒットした、テレビの<ヒッチコック劇場>のオリジナルDVDを引き出しては、自己満足。
あの時代には、ほとんどが日本語吹き替え版でのオンエアだったので、すべてがこちらの声優たちが翻訳で演じ、熊倉一雄氏によるヒッチコックの吹き替え版で楽しんでいた。
だから、いまごろになって、こうしてオリジナル原語版のスーパー入りで、あの傑作シリーズを見るのは、案外に新鮮な気分になり、勝手に喜んでいる次第。
当時は、なぜか戦後の混乱のせいか、都会のカソリック教会の経営困難がテーマになり、ケイリー・グラントが降霊天使になった「気まぐれ天使」は傑作だった。
ビング・クロスビーの「我が道を往く」は作品賞他の多くのオスカーに輝き、われわれキリスト教には無縁の人間たちにも、多くの感動を恵んでくれたものだった。
しかし、さすがにヒッチコック監督は、スリラーではないが、このテレビ・シリーズの短編では、当時のキリスト教の教会の経営困難ぶりを描いていて、さすがに面白い。
テレビの時間的な制約のせいで、ドラマに人間感情の裏付けはないが、まさに『プレイボーイ』誌のワンカット漫画のようなスパイスがあるのだ。
ヤクザな信者の進言で、競馬に賭けるが、その馬券がヒットして、不況な教会の修理費などが工面されていく、という、いかにもヒッチコック的なバッド・ジョーク。
ケイリー・グラントの名作「汚名」で、たしか悪役を演じていたクロード・レインズが、ここでは不況に悩む初老神父を好演している。

■ショート後方に落ちたボールを野手がお手玉ヒット。 ★★★☆☆
●DVD「ヒッチコック劇場・第一集より。


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●9月7日(月)21-30 ニコタマ・サンセット傑作座<サンプルDVD鑑賞>
M-025『ストックホルム・ケース』"Stockholm"  Bankdrama Films Ltd. & Chimney Group . All Rights Reserved.
監督・脚本・ロバート・パドロー 主演・イーサン・ホーク、ノオミ・ラパス、<シネマスコープ・カラー・92分 <配給・トランスフォーマー>
1973年に実際にスウェーデンのストックホルムの<スヴェリゲス・クレディット銀行>で起こった若者の襲撃事件は、いくつかの映画の素材になった。
アル・パチーノが主演した「狼たちの午後」は、事件の直後の75年に場所を替えて映画化され、ウォルター・マソウ主演の「マシンガン・パニック」も同様。
たしかに数人の男達が、マシンガンを持って銀行に押し入り、現金を強奪するまでの事件は衝撃的で、当時「笑う警官」というベストセラー小説にもなった。
その、<ストックホルム症候群>の語源にもなった、スウェーデン史上最悪の銀行強盗事件を基にして、ちょっと犯人よりの感覚で再現されたクライム・ドラマだ。
トロントとロスを拠点にして製作活動をしているパドロー監督は、この前にジャズ・トランぺッターのチェット・ベイカーをモチーフに「ブルースに生まれついて」を発表。
この作品では、ボブ・ディランの数曲を使っていて、とくにスウェーデンに拘らずに、自分の青春時代の基本思考をバックアップした音楽と、この事件をミックスしてみせる。
だから、凶悪な銀行ギャングのアクション映画ではなくて、むしろ70年代という時代を生きた青春ををベースにして、あの変革の時代という青春を回顧しているようだ。
だから、ここでイーサンが演じている青年も、根っからの悪人ではなくて、地球の反対側にあるアメリカに憧れて、その渡航資金稼ぎのために起こしたような軽発想事件。
その背景には大金を強奪するという目的よりも、投獄されている友人を救出するという友情の背景もあって、ただの凶悪金銭目的の銀行ギャングではなく、これも<青春>。
たしかに実際の銀行強盗事件をテーマにしているが、やはり<イーサン>のクライム・ストーリーというよりも、もっとホロ苦い青春が反射している。
そこにはダークムービーとしての犯罪色はなくて、これも<誤算の青春>を描いた軽さがあり、いまはイーサンしか、こうゆうテーマを撮れない時代なのを、少し嘆く。

■セカンドへの返球がランナーに当たり、セーフ。 ★★★☆+
●11月6日より、ヒューマントラストシネマ渋谷他で、ロードショー


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●9月4日(金)21-30 ニコタマ・サンセット傑作座
OV-148『ブレイクダウン(生と死の間)』"Breakdown"(1955) Shamley Productions. Universal Pictures Japan.
監督・アルフレッド・ヒッチコック 主演・ジョセフ・コットン <30分・モノクローム・スタンダード>ユニヴァーサル・ピクチャーズ(03)
久しぶりに、ヒッチコック監督のテレビ番組<ヒッチコック劇場>の12作品ばかりが、DVDの2枚組で発売されていたシリーズを、引き出して見る事にした。
たしか1960年に、彼はアルマ夫人と共に、新作「サイコ」のプロモーションのために来日して、日比谷の帝国ホテル2階の宴会場でパーティを開いた。
わたしは当時、パラマウント映画の友の会のメンバーで、そのパーティの会場で、ずーーっとヒッチコック夫妻の側でサポートのお手伝いをしていたのだった。
多くの有名映画人や評論家の方々が、300人ほどもご招待されていたが、とにかくわたしはヒッチに密着していて、水割りの補給などに奔走しつつ、聞き耳をたてていた。
もちろん、パーティがお開きになるまで、監督のそばにいたので、ツーショット写真は今でも財布に入れて、常時<お守り>として所持して、話しの自慢にしている。
別れシナに、ヒッチに「監督がいちばん怖いのは、何ですか?」と尋ねたら、口にシーーーっと手を当てて、「おれの隣にいる女房アルマだよ」と囁いたのだった。
だから、彼の作品は大好きで、全作品のDVDも持っているが、このテレビ番組<ヒッチコック劇場>の10作品ほどのことは、つい忘れていたので、久しぶりの鑑賞だ。
というのも、このシリーズ放映の時代は、貧しい学生生活でテレビを見るチャンスもなく、どうせ番組用の中編だし・・・と、傍観していたのだった。
で、この作品は夫婦のゴタゴタで、ひとり田舎道を、実業家のコットンがドライブ中に、トラックを避けて正面衝突事故を起こしてしまい、入院したが死亡が確認されて白い布。
それでも、彼の意識はしっかりしていて、どうにか生存を伝えたいが、体は動かないままシーツに包まれて死体安置場のベッドに移されて、ついに棺桶に入れられてしまう。
<生存埋葬>というのはあり得ないことだろうが、その不安と恐怖をヒッチは、名作「疑惑の影」の主演したコットンのワン・マン・プレイで飽きさせない。さすが。

■センター・ライナーを野手が後逸してのツーベース。 ★★★☆☆
●DVD・2枚組BOXの<第一集>より。


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●8月・ニコタマ・サンセット傑作座・ベスト5

この<コロナ・アウトブレイク>の影響で、ご存知のように新作試写は激減で、試写状は頂いても、ほとんどは電話予約制。
しかも試写室は隔離座席で指定となり、当然のように入場時には体調検査が強いられるのが現状となった。
公開予定の新作も、ハリウッド・メジャー系は新作もないので、知らない国の知らないスタッフの作品ばかりとなった。
この3月頃から、コロナ+インフルエンザ+熱中症への警告で、<オーバー・エイティ>の外出は自粛せざるをえない実情が続いている。

おまけに劇場ロードショウも、ヤング・ジャパニーズばかりで、さっぱり興味が湧かないという実情で、
見ているのはブログ<サンセット傑作座>での、クラシックなDVDばかりで、とても恥ずかしながら、自慢できない。
それでも、メゲズに、自己満足での8月鑑賞作品のご紹介。

*1・『見知らぬ訪問者』52(ジーン・ネグレスコ)ベティ・デイビス・DVD
*2・『拳銃の罠』59(ノーマン・パナマ)リチャード・ウィドマーク・VHS
*3・『ロング・グッドバイ』73(ロバート・アルトマン)エリオット・グールド・DVD
*4・『犯人を逃がすな!』51(ロバート・パリッシュ)ディック・パウエル・DVD
*5・『スペシャルズ!』2019(エリック・トレダノ)ヴァンサン・カッセル・新作試写用DVD
*6・『堕ちた天使』45(オットー・プレミンジャー)ダナ・アンドリュース・DVD
*7・『夜の豹』57(ジョージ・シドニー)フランク・シナトラ・DVD
*8・『狂った殺人計画』49(アーサー・リービン)ブライアン・ドンレヴィ・DVD
*9・『仮面の報酬・ビッグスティール』49(ドン・シーゲル)ロバート・ミッチャム・DVD
*10『深夜の歌声(ロードハウス)』48(ジーン・ネグレスコ)リチャード・ウィドマーク・DVD
・・・といった具合で、わが青春時代のクラシック・ノワールが、圧倒的に多いのは、老齢の特権。
*コスミック出版の、ハリウッドクラシックDVD・M00Kには、大いにお世話になっている。


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●8月29日(土)20-30 ニコタマ・サンセット傑作座
OV-145『狂った殺人計画』"Impact" (1949) United Artists Presents, Harry M, Popkin Productions
監督・アーサー・ルービン 主演・ブライアン・ドンレヴィ エラ・レインズ <モノクロ・スタンダード・111分>コスミックDVD/BOX
戦後のアメリカ映画ラッシュの時代には、多くのハリウッド娯楽映画の傑作が公開されて、それぞれにヒットをして敗戦の敵対意識を払拭するのに役立った。
わたしは幸運にも小学生で戦後を迎えたので、盛岡市の近所には立派な洋画専門劇場があり、多くのハリウッド映画に洗脳されてしまったのが、一生の体質になってしまった。
しかしこの作品は、クーパーやジョン・ウェインなどの人気俳優の公開作品の山に埋もれてしまって、公開されなかったB級<ハリウッド・ノワール>の一作だ。
いつも細い口ひげのブライアン・ドンレヴィという役者も、毎度クーパーやジョン・ウェインの陰で悪役などを演じていたので、とくに人気もなく、哀れ殺され役だった。
しかしこの作品は、その彼が主演で、しかも善良なビジネスマンなのだが、悪妻の浮気の陰謀で偽装交通事故で殺されかけて、重傷ながらもユタ州辺りの田舎町で、生き延びた。
新聞報道では交通事故で死亡したことになっていたが、別の惨死体と間違えられたらしく、田舎町で生き延びて、あの秀作「過去を逃れて」のように再生していく。
たまたまメカに強かったこともあって、その田舎町の修理工務店で働くことになって、美人のオーナーのエラにも気に入られて、第二の人生を送る・・という寸法。
つまりは当時のRKO映画などの定番ストーリーで、「過去を逃れて」も90年代にはジェフ・ブリッジス主演「カリブの熱い夜」としてリメイクされたような復活美談なのだ。
こうして埋もれたハリウッドB級サスペンスが、クリアーな映像でテレビ画像で見られるのも、コスミックの復活DVD/BOXによって、いま見られるのは、嬉しい時代だ。
亡くなられた和田誠さんや、石上三登志さん、大林宣彦さんらが、いまごろは天国でご覧になっているかも知れないが、ま、地上でも見られるのは幸福なこと。
ストーリーは定番通りで、ハメられたブライアンが、別人のように復活するのは「リベンジ」のケビン・コスナーと同様なのだが、ついニヤニヤとして楽しんでしまう。

■センター前の痛打を野手がトンネルしている間に、ツーベース。 ★★★☆☆
●コスミック出版、DVDムック「陰謀の世界」より


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