細越麟太郎 MOVIE DIARY

最新の映画情報や批評を掲載します。

●『とんび』の、あの回転してばかりの飛び方にも、理屈はある。

2022年04月29日 | Weblog
●4月28日(木)11-05 二子玉川<109シネマ・2シアター>
M-010『とんび』<tombi / kadokawa.co.jp>  原作・重松 清,配給・KADOKAWA
監督・瀬々敬久 主演・阿部 寛、北村匠海、薬師丸ひろ子、安田顕 <139分・ビスタサイズ>
瀬戸内海に面する備後市、昭和37年というから、わたしが銀座の会社に入社した時代とほぼ同じなので、つい阿部の演じるヤスという男と時代感覚はダブる。
が、それは時代だけの話しで、この港町の風景とか、ほとんど出ずっぱりの阿部の生活環境や性格、時代の景色やテンポはまったく違うので、共感は少ない。
それでも、地元の運送会社に勤務していて、一生懸命に行きて行く姿は、あのフーテンの寅さんとは正反対なのだが、キャラクターの奔放さは、似ている。
長男が幼児のころに、事故で妻を亡くしてからは、ほとんど男手と、周囲の人々の暖かい尽力で、一人前の男に息子を育て上げて行く・・というドラマなのだ。
わたしは、その時代の育ちのせいか、多くの高倉健サンの映画を見て育って来たのか、どうしても、あの健さんの生き様に比較して見る悪いクセがあるのだが・・。
同時に、もしも、あの健さんが、この<離れトンビ>のような生き様を演じていたら・・と思ってしまうのだが、いや、やはり健さんは<とんび>は似合わない。
あの「居酒屋兆治」のような男気は、性格のなかにあるようだが、そこは地道に工場で働いて子育てしていく姿は、あの孤高な健さんのキャラクターと比較は無用。
ドラマは、事故で妻を失ってから、このヤボで野放図で短気な男が、それでも町内の仲間たちの支えで、昭和の時代を生き抜いて、ひとり息子を育て上げる。
従って、ほとんどは阿部寛と、その港町の備後の町、というよりは、短気で一本気の彼の人生が、どこか空を当てもなく滑空する<とんび>に似ているようだが。
たしかに鷲のような風格はなく、カラスや雀のように群れないで、正直で懸命に子育てに尽力していく、ひとりの無名な男の生き様には、<昭和>がダブルのだ。
<暗夜行路>じゃないが139分というラニングタイムの長さには、さすがに、こちらも腰が痛くなる苦痛は避けられないのは、かなり覚悟の必要な人生行路なのだ。

■左中間のフェンスへの当たりだが、セカンドに戻る。 ★★★☆☆
●全国で公開中

●『パリ13区』は、混在するラテン系の若者たちの異境の臭気だ。

2022年04月26日 | Weblog
●4月26日(火)11;05(火)109シネマ二子玉川・シアター・8
M-009『パリ13区』"Paris, 13th District (2021) French Film <109 min.> /  Presented Longride, japan.
監督・脚本・ジャック・オーディアール 主演・ジョニー・ベス、エマ・メルラン、ルーシー・チャン、マキタ・サンバ
パリに関しては、エッフェル塔やシャンゼリゼ大通り、芸術家の街モンパルナスの坂道や、若者の街サンジェルマン・デプレ、ノートルダム寺院や、
モンマルトルなどが観光的に有名だが、ニューヨークのブルックリンのように、<13区>という、南の外れにある地区は、スペインなどからの若い移住者たちの多い地区で犯罪も多い。
新興の高層ビルのアパートメントも多く、とても<パリ>とは思えない風景は、最近は多くの犯罪映画などの背景になっていて、旧市街とはまったく別の風景となる。
まさに国籍不明の大都会で、あの19世紀のまち、ロートレックやモジリアーニなど芸術家の街、という気配はまったく感じられない国際犯罪都市の佇まいがキナ臭い。
アパートで同棲しているジョニーとエマも、とくに定職は持っていない若者で、貧しさは微塵も匂わせない奔放な若者で、いかにもラテン系の明るさで、先が読めない。
しかも連日のように、ディスコ・クラブや裏町のカフェで奔放に闊歩している生活感覚は、まさに現代の<インターナショナル・シティ>の活気と喧噪に騒々しい毎日だ。
ま、ハリーポッター系列の<ファンタスティック・ビースト>や、ディスコ・ムービーのリバイバルにも閉口している、オールドファンとしては、寄りどころを求めたい作品。
しかし、期待したような、フランス映画の香りはなく、まるで、イタリアやスペインの貧民街を舞台にしたような、かなり混沌とした青春裏道映画で、閉口してしまった。
やはり、往年のジャン・ギャバンやジェラール・フィリップのような、パリの香りのする役者がいないと、いくらフレンチをしゃべっても、寂しいものだ。

■平凡なセカンドゴロをファンブル、写真判定中 ★★★?
●全国で公開中

●『トンプスンの逃亡』の、刑事と犯罪者の友情に感動

2022年04月21日 | Weblog
●4月20日(水)21-00 <ニコタマ・サンセット傑作座>
OV-163-60 『トンプスンの逃亡』<男たちの勲章> "Thompson's Last Run " (1986) Gerald Freedman Production, United Artists Film
監督・ジェラルド・フリードマン 脚本・ジョン・カーレム 主演・ロバート・ミッチャム、ウィルフォード・ブラムリー 
自称ロバート・ミッチャム・フリークの当方としても、あの名探偵フィリップ・マーロウを演じた「さらば愛しき女よ」よりも、大好きな作品だ。
窃盗常習犯の、初老のミッチャムは、その軽犯罪を繰り返しては、刑務所の自室牢獄で、大好きな読書を過ごすというおとこで、そのライフスタイルに満足していた。
ところがある日のこと、見知らぬ若い女性が面会に来て、脱獄の手助けするので、一緒に窃盗をして、カナダに逃げないか・・・という相談を持ちかけたのだ。
あまり乗り気ではなかったが、その遠い親戚を名乗る女性は、とにかく巧みな段取りで、あまり監視の厳しくない牢獄から、強引にミッチャムを脱出させたのだ。
ほとんど警備のない下町の工場から、深夜にいくつかの備品を盗んでは売りさばき、逃走資金を用意していく二人は、とにかく着々と決行の夜を迎えていた。
その犯行は、ほとんどシロウト泥棒の手口なのだが、そのふたりを逮捕するのが、定年退職の仕事をして上司から命じられたウィルフォードは、実はミッチャムの旧友なのだった。
テキサスの片田舎の、工場の金庫から給料の金などをせしめては、逃亡を重ねて北へと二人は田舎を移動していたが、どちらかというと、ミッチャムは窃盗より博奕の達人。
転々とモーテルを北上しては、田舎町の寂れたバーで、ポーカー賭博の穴場を聞き出しては、得意のイカサマ賭博の腕で、着々とカナダへの町を転々と北上していった。
その犯罪の経路を捜査していた警察は、老刑事のウィルフォードを定年退職のラスト・ジョブとして振り当てたのは、実はこの二人は若い時からのネコとネズミの仲だったのだ。
ま、こうして見ると、これも一種の<バディ・ムービー>で、その相手の行動を知り尽くしている二人は、追いつ追われつの道中の毎日が、これが老後の生き甲斐のよう。
その初老の二人の、いかにも軽くも人生の味わいもあって、まったく迫力のない友情の日々が、西部劇時代の古くからある、どこか嬉しい老人の<鬼ごっこ>なのだ。
という意味では、初老窃盗犯とそれを追う定年刑事の友情物語のように、実に味わい深く、ラストでは逮捕寸前の追いかけで、刑事が心臓発作を起こして倒れてしまい、
その介護のために逃亡のミッチャムは、救急車を呼んで、宿敵の刑事を病院まで護送する、という、実に心暖かい友情の、感動のラストには、ホロリとする。

●左中間を抜けるゴロをモタモタして、スリーベースにしてしまう友情?  ★★★★
■レンタル・VHSでの鑑賞。
●4月20日(水)21-00 <ニコタマ・サンセット傑作座>
OV-163-60 『トンプスンの逃亡』<男たちの勲章> "Thompson's Last Run " (1986) Gerald Freedman Production, United Artists Film
監督・ジェラルド・フリードマン 脚本・ジョン・カーレム 主演・ロバート・ミッチャム、ウィルフォード・ブラムリー 
自称ロバート・ミッチャム・フリークの当方としても、あの名探偵フィリップ・マーロウを演じた「さらば愛しき女よ」よりも、大好きな作品だ。
窃盗常習犯の、初老のミッチャムは、その軽犯罪を繰り返しては、刑務所の自室牢獄で、大好きな読書を過ごすというおとこで、そのライフスタイルに満足していた。
ところがある日のこと、見知らぬ若い女性が面会に来て、脱獄の手助けするので、一緒に窃盗をして、カナダに逃げないか・・・という相談を持ちかけたのだ。
あまり乗り気ではなかったが、その遠い親戚を名乗る女性は、とにかく巧みな段取りで、あまり監視の厳しくない牢獄から、強引にミッチャムを脱出させたのだ。
ほとんど警備のない下町の工場から、深夜にいくつかの備品を盗んでは売りさばき、逃走資金を用意していく二人は、とにかく着々と決行の夜を迎えていた。
その犯行は、ほとんどシロウト泥棒の手口なのだが、そのふたりを逮捕するのが、定年退職の仕事をして上司から命じられたウィルフォードは、実はミッチャムの旧友なのだった。
テキサスの片田舎の、工場の金庫から給料の金などをせしめては、逃亡を重ねて北へと二人は田舎を移動していたが、どちらかというと、ミッチャムは窃盗より博奕の達人。
転々とモーテルを北上しては、田舎町の寂れたバーで、ポーカー賭博の穴場を聞き出しては、得意のイカサマ賭博の腕で、着々とカナダへの町を転々と北上していった。
その犯罪の経路を捜査していた警察は、老刑事のウィルフォードを定年退職のラスト・ジョブとして振り当てたのは、実はこの二人は若い時からのネコとネズミの仲だったのだ。
ま、こうして見ると、これも一種の<バディ・ムービー>で、その相手の行動を知り尽くしている二人は、追いつ追われつの道中の毎日が、これが老後の生き甲斐のよう。
その初老の二人の、いかにも軽くも人生の味わいもあって、まったく迫力のない友情の日々が、西部劇時代の古くからある、どこか嬉しい老人の<鬼ごっこ>なのだ。
という意味では、初老窃盗犯とそれを追う定年刑事の友情物語のように、実に味わい深く、ラストでは逮捕寸前の追いかけで、刑事が心臓発作を起こして倒れてしまい、
その介護のために逃亡のミッチャムは、救急車を呼んで、宿敵の刑事を病院まで護送する、という、実に心暖かい友情の、感動のラストには、ホロリとする。

●左中間を抜けるゴロをモタモタして、スリーベースにしてしまう友情?  ★★★★
■レンタル・VHSでの鑑賞。

●『拳銃の罠』滑走路を離陸する逃亡犯に、クルマごと体当たりの圧巻!!

2022年04月17日 | Weblog
●4月17日(日)10-45 ニコタマ・サンセット傑作座
0V-25-14『拳銃の罠』"The Trap" (1959) Paramount Pictures Corp All Rights Reserved.
監督・ノーマン・パナマ 主演・リチャード・ウィドマーク、リー・J・コッブ VHS(84分・ビスタサイズ)Kartes Video Communications.
個人的に、とても記念すべきアクション・サスペンスで、1960年当時、わたしは有楽町のパラマウント映画社で団体鑑賞券の配布のお手伝いをしていた。
上野毛の大学での商業デザインの授業よりも、パラマウント映画が好きで、ファンクラブの会報の編集をしつつ、毎日新作の試写を見ていたものだ。
「先生のお気に入り」「5つの銅貨」「月夜の出来事」「ハタリ!」など、毎日のように新作の試写が見られるのが嬉しくて、評論家の先生方に混じって毎日見ていた。
しかも、当時は、シャーリー・マクレーン、チャールトン・ヘストン、ダニー・ケイなどのスター本人が、ポロッと来社するのがビックリで、とても幸せだった。
そんな頃に見たこの作品は、大ヒット作品ではないが、わたしはホレまくって、数回も試写で見ていて、このVHSも、ハリウッドで探し当てて買って来たお宝。
ユタ州辺りの田舎町に、悪党のボスのリー・J・コッブの護送で弁護士のウィドマークがやって来たのも、実は父親と弟がシェリフ事務所に居たからなのだった。
ところがバカな正義漢の父親が、悪党の護送に反対して悪党たちの銃弾に倒れてからは、さすがのウィドマークもキレてしまい、悪党共のメキシコへの逃亡を阻止しようとする。
ラストで、小型セスナ機で脱出しようとしたコッブ一味の離陸を、滑走路に自分の車で体当たりして、大破炎上している機上から、ウィドマークは悪漢を引き出す。
血だらけの親分コッブだけを引きずりだして、ウィドマークが滑走路を10メートルくらい引きずったところで、脱走のセスナ機はすぐに背後で大爆発。
それでも血だらけの親分の首筋を掴んで「まだ、ここで死なれては困るんだ」と炎上の飛行機をバックに、すべてを実写ロケーションで撮影した映画根性には拍手だ。
その間にも、昔のガールフレンドのティナ・ルイスとのラブシーンもあるものの、作品は圧倒的に男達の死闘なのだが、全体にドライな感触が素晴らしい。

■レフトのグラブを弾いて、ボールはフェンスを転々のスリー・ベース。 ★★★★
●レンタルDVDで市場にあるのかは、残念ながら未確認。

●『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』は、ハリー・ポッターとは全く別の冒険。

2022年04月13日 | Weblog
●4月12日(火)11-00 二子玉川109シネマズ・シアター7<13-40終了>
M-008『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』"Fantastic Beast :The Secrets of Dumbledore" (2022) Warner Brothers. Ent.
監督・デヴィッド・イエーツ 製作・デヴィッド・ヘイマン 主演・エディ・レッドメイン、ジュード・ロウ <ワイド・173分>
もともと、あの<ハリー・ポッター・シリーズ>もロクに見ていないのに、この作品を見ようとしたのは、クセもののジュード・ロウが何をしているのか。
背景は、ジョン・フォード監督の故郷で製作した名作「わが谷は緑なりき」や「静かなる男」の、イングランドの田園地帯なのかと思って見に行ったら大違い。
そこはブラッド・ピットの「セブン・イヤーズ・イン・チベット」(97)のような、ほとんどはチベットの山岳地帯に残る迷宮の古城の跡のような仙人の世界。
その東洋の神秘の奥地にそびえる天空の古城などは、とくにイギリスのスタッフには魅力的らしくて、よくファンタジーなドラマの背景には登場するのが、定番。
だから、ロンドンの裏通りで、あのハリーポッターくんが、奇怪な悪魔や野獣と対決するのか、と思って見ていたが、ほとんどハリー・ポッターの異境冒険ものだった。
という意味では、ま、オールド・ハリウッド系の育ちの当方としては、ただただ唖然として眺めた2時間を遥かに越える、苦痛の長時間となってしまった。
従ってさっぱり、肝心のドラマの本質<ダンブルドア>の秘密や、やたらと意味ありげなジュード・ロウの絡みなどにも、どうも馴染めないままの失礼となってしまった。
しかも、主人公のエディくんが、あの<ハリー・ポッター>のままの印象なので、シロートのわたしなどは、途中でこれは<ハリーポッター>かと思ってしまったほど。

■多くな左中間のフライも、結局はレフトフライ。  ★★★??
●全国で公開中。

●『サタデイナイト・フィーバー』の、あの50年前の熱狂的なディスコ・ブーム。

2022年04月11日 | Weblog
●4月10日(日)11-00 二子玉川・109シネマズ・5スクリーン
M-007『サタデイナイト・フィーバー』"Saturday Night Fever" (1977) Paramount Pictures , STIK International.
監督・ジョン・バダム 主演・ジョン・トラボルタ、カレン・ゴーニー <121分>カラー・ヴィスタサイズ
ただ、懐かしくて見に行ったのだが、もう、あの熱狂的な初公開から、50年近くも経っているのには、驚くよりは、呆れてしまった。
たしか、最初に見たのは、ハリウッド・シアターだったと思うが、場内はまるでディスコのような騒動で、鑑賞映画のレベルではない熱気があったものだ。
77年の東京公開当時は、日比谷のスカラ座でロードショウされたが、たしかに<ディスコ・ブーム>の最中でもあり、われわれの青春の<お祭り>映画でもあった。
赤坂見附の駅の近くにあった<ビブロス>というディスコは連日大混雑で、わたしなども会社の帰りに行くと、もう満員電車のようなフロアで、狂乱地獄。
ジョン・トラボルタのように、フロアを独占するようなダンサーはいなくて、ただただお祭りの<阿波踊り>のように、押し合いへし合いの時間で、終電車のお帰り。
さすがに気恥ずかしいので、広いシアターの最後部の席で、まるで隠れる様に息を殺して見たが、それでも、同様に、青春の息吹きを確認に来ている客人はいる。
わたしは、当時は<パラマウント映画・友の会>の幹事でもあったので、スカラ座も、六本木のディスコなども、友人たちとよく出かけたのが<青春>なのだった。
だから、こうして、いまになって、どうして50年前の<社会現象映画>をリバイバルしたのか、その意図はよく判らないが、とにかく不思議な<時間>である。
ブルックリン・ブリッジから眺める風景には、あの<ツイン・タワー・ビル>のシルエットも見えて、それが妙に哀しく、あの時代の時間を思い起こさせる。
という点では、場内にいる高齢のお客は、わたしのような青春の懐旧に浸っているのだろうが、若い人達には、これもただの<クラシック・リバイバル>なのだろうか。
たしかに、<デジタル高画質>でビッグスクリーンに再現される<フィーバー>は懐かしいが、その過去とに時差には、まったく時差がなくなるのは、気味が悪い。

■ただのレフトフライなのに、うっかりポロリ。 ★★★☆☆
●全国で、リバイバル公開中
●4月10日(日)11-00 二子玉川・109シネマズ・5スクリーン
M-007『サタデイナイト・フィーバー』"Saturday Night Fever" (1977) Paramount Pictures , STIK International.
監督・ジョン・バダム 主演・ジョン・トラボルタ、カレン・ゴーニー <121分>カラー・ヴィスタサイズ
ただ、懐かしくて見に行ったのだが、もう、あの熱狂的な初公開から、50年近くも経っているのには、驚くよりは、呆れてしまった。
たしか、最初に見たのは、ハリウッド・シアターだったと思うが、場内はまるでディスコのような騒動で、鑑賞映画のレベルではない熱気があったものだ。
77年の東京公開当時は、日比谷のスカラ座でロードショウされたが、たしかに<ディスコ・ブーム>の最中でもあり、われわれの青春の<お祭り>映画でもあった。
赤坂見附の駅の近くにあった<ビブロス>というディスコは連日大混雑で、わたしなども会社の帰りに行くと、もう満員電車のようなフロアで、狂乱地獄。
ジョン・トラボルタのように、フロアを独占するようなダンサーはいなくて、ただただお祭りの<阿波踊り>のように、押し合いへし合いの時間で、終電車のお帰り。
さすがに気恥ずかしいので、広いシアターの最後部の席で、まるで隠れる様に息を殺して見たが、それでも、同様に、青春の息吹きを確認に来ている客人はいる。
わたしは、当時は<パラマウント映画・友の会>の幹事でもあったので、スカラ座も、六本木のディスコなども、友人たちとよく出かけたのが<青春>なのだった。
だから、こうして、いまになって、どうして50年前の<社会現象映画>をリバイバルしたのか、その意図はよく判らないが、とにかく不思議な<時間>である。
ブルックリン・ブリッジから眺める風景には、あの<ツイン・タワー・ビル>のシルエットも見えて、それが妙に哀しく、あの時代の時間を思い起こさせる。
という点では、場内にいる高齢のお客は、わたしのような青春の懐旧に浸っているのだろうが、若い人達には、これもただの<クラシック・リバイバル>なのだろうか。
たしかに、<デジタル高画質>でビッグスクリーンに再現される<フィーバー>は懐かしいが、その過去とに時差には、まったく時差がなくなるのは、気味が悪い。

■ただのレフトフライなのに、うっかりポロリ。 ★★★☆☆
●全国で、リバイバル公開中

●『アメリカから来た男』は、詐欺師のふりをした、スパイだった。

2022年04月07日 | Weblog
●4月5日(火)21-30 ニコタマ・サンセット傑作座
0Vー23-14『アメリカから来た男』"Americano Rosso (1991) Italian+U.S.A. Colar Vista Size
監督・アレキサンドロ・ダラトーリ 主演・バート・ヤング、ファブリジオ・ダラトーリ<ビスタサイズ・102分>
第二次世界大戦の勃発が迫った時代の、イタリアの東海岸の田舎町は、まったく不穏な世界情勢など関係のない、のどかなヴァカンスを迎えていた。
ひとりものの青年ファブリジオは、サマータイムで休暇の町には、ほとんど人はいなかったが、ふと、ひとりの中年のアメリカ人が、フラリと休暇で訪れたのだ。
野良犬しかいない町で、風来坊のファブリジオは、そのアメリカから来たという男が、嫁さん探しだというので、その男につき合う事にした。
金払いのいいアメリカ中年男の案内をしていくうちに、何となく友情も芽生え、山あいの田舎の村で、ひとりの娘を気に入った男は、アメリカに連れて行く、という。
何しろ、金払いのいい男は、弗の札ビラで娘を欲しい、というので、娘の実家には信じられない大金が入り、大喜びで嫁に出す。
これで、夏休みのアルバイトで、思わぬギャラの入ったファブリジオは大喜びで、グラッパのがぶ飲みで、<アメリカから来た男>とは友情のハグ。
そして翌朝、休暇の終わった男は娘を連れて列車に乗って、ミラノに向かい、風来坊のファブリジオには思わぬギャラが現金で支払われ、最高のサマー・ヴァカンスとなったのだ。
で、これで<ハッピーエンド>と思いきや、・・・何とホームには数人の警官がいて、彼はスパイ行為と不法所得で緊急逮捕、となってしまった。
素晴らしいイタリアの田舎は、わたしも<アゾーロ>という、山岳地帯の田舎町に旅したことがあるが、教会の鐘の音と、アヒルの鳴き声だけの平和境なのだった。
試写も劇場公開もなかった、と思うが、90年代にVHSで民放を録画していたので、これも処分しようとしたが・・・意外の傑作で、まだ<保存>すべき佳作。

■ただのライトフライと思ったが、グラブを弾いてのスリーベース。 ★★★★☆☆
●VHSでの録画テープ鑑賞。
●4月5日(火)21-30 ニコタマ・サンセット傑作座
0Vー23-14『アメリカから来た男』"Americano Rosso (1991) Italian+U.S.A. Colar Vista Size
監督・アレキサンドロ・ダラトーリ 主演・バート・ヤング、ファブリジオ・ダラトーリ<ビスタサイズ・102分>
第二次世界大戦の勃発が迫った時代の、イタリアの東海岸の田舎町は、まったく不穏な世界情勢など関係のない、のどかなヴァカンスを迎えていた。
ひとりものの青年ファブリジオは、サマータイムで休暇の町には、ほとんど人はいなかったが、ふと、ひとりの中年のアメリカ人が、フラリと休暇で訪れたのだ。
野良犬しかいない町で、風来坊のファブリジオは、そのアメリカから来たという男が、嫁さん探しだというので、その男につき合う事にした。
金払いのいいアメリカ中年男の案内をしていくうちに、何となく友情も芽生え、山あいの田舎の村で、ひとりの娘を気に入った男は、アメリカに連れて行く、という。
何しろ、金払いのいい男は、弗の札ビラで娘を欲しい、というので、娘の実家には信じられない大金が入り、大喜びで嫁に出す。
これで、夏休みのアルバイトで、思わぬギャラの入ったファブリジオは大喜びで、グラッパのがぶ飲みで、<アメリカから来た男>とは友情のハグ。
そして翌朝、休暇の終わった男は娘を連れて列車に乗って、ミラノに向かい、風来坊のファブリジオには思わぬギャラが現金で支払われ、最高のサマー・ヴァカンスとなったのだ。
で、これで<ハッピーエンド>と思いきや、・・・何とホームには数人の警官がいて、彼はスパイ行為と不法所得で緊急逮捕、となってしまった。
素晴らしいイタリアの田舎は、わたしも<アゾーロ>という、山岳地帯の田舎町に旅したことがあるが、教会の鐘の音と、アヒルの鳴き声だけの平和境なのだった。
試写も劇場公開もなかった、と思うが、90年代にVHSで民放を録画していたので、これも処分しようとしたが・・・意外の傑作で、まだ<保存>すべき佳作。

■ただのライトフライと思ったが、グラブを弾いてのスリーベース。 ★★★★☆☆
●VHSでの録画テープ鑑賞。

●『アンビュランス』の、タイトル通りの、白昼市街地無謀運転のスピード違反。

2022年04月03日 | Weblog
●4月2日(土)9-00a、m、<二子玉川>109シネマ・シアター・5
M-006『アンビュランス』"Ambulance" (2021) Universal Studios, Bay Films, Hollywood.
監督・マイケル・ベイ 主演・ジェイク・ギレンホール、ヤーヤ・アブドゥル=マーティン・2世、エイザ・ゴンザレス<ワイド・カラー・155分>
まさに、タイトルのように<アンビュランス・救急車>が主演のような作品で、劇中は、ほとんどロサンゼルスの東ダウンタウンを映画は疾走する。
救急車だから、重傷のケガ人が乗っているのだが、その緊急車両が銀行強盗の一味にハイジャックされて、追走の警察パトカーをまいて市街を逃走するという呆れた話し。
ストーリーというのは、出産を控えた妻の入院費用を稼ぐために、元軍人のヤーヤは、前科者の兄のジェイクと共謀して病院の緊急車両を借用して逃走に使用する。
という、まるで馬鹿げたジョークのような発想なのだが、そこは理屈抜きのアクション派の監督の新作だから、御託を言うヒマもないように、緊急でノンストップ疾走。
そこは悪党のカー・ジャッカーが、あのデ・ニーロの「タクシードライバー」を凌駕する勢いで、スピード違反などを無視した無謀運転でダウンタウンを走りまくる。
一応は、イースト・ロサンゼルスで苦しい生活を強いられている、という兄弟の背景はあるものの、映画の大半は、ほぼ高速な逃走車両の走行なので、こちらはクルマ酔いだ。
急患用の緊急車両だから、道路の信号も、多くのパトカーもその走行を止められないのだろうが、映画もその状況で走りまくるので、大画面を見ているこちらもフラフラ。
ま、こうした無軌道な撮影を、白昼堂々と、ダウンタウンの繁華街の一般道で強行する、という無軌道さも、ハリウッドの定番映画作業だから、可能だったのだろう。
ドラマの背景には、貧困な戦争帰還兵の家族の困窮ぶりもあるようなのだが、この作品は社会派の気配もない、ただのカー・アクション映画で「激突」都会版なのだ。
それにしては、このラニングタイムは長過ぎて、やっとエンディング・クレジットが流れ出すころには、フラフラと暗い劇場の階段ステップを退出するしかない。

■左中間のライナーがフェンスまで転々としての、ランニングツーベース。 ★★☆☆
●全国で公開中。

●『幸せはパリで』は、本当にエイプリル・フールなのか。

2022年04月01日 | Weblog
●4月1日(金)10-30 <ニコタマ・サンセット傑作座>
OV-79『エイプリルフールズ・幸せはパリで』"The April Fools"(1970) Paramount Pictures, A Cinema Center Films, a Jalem Productions 
監督・スチュワート・ローゼンバーグ 主演・ジャック・レモン、カトリーヌ・ドヌーブ、ピーター・ローフォード<95分・シネマスコープ>DVD
そのむかし、<パラマウント・タッチ>という業界称号があって、ハリウッドの古参スタジオの<パラマウント映画>は、おしゃれなコメディを量産していた。
これは戦前の<ルビッチ・コメディ>を主軸にした、ドタバタではなくて、おしゃれなジョークを効かせた、ニューヨークなどの都会を舞台にしたコメディ。
60年代の頃には、ケラーク・ゲイブルの「先生のお気に入り」や、ケイリー・グラントの「月夜の出来事」、ダニー・ケイの「5つの銅貨」などなど。
あのドタバタ・コンビによる、アクション・コメディではなくて、若いカップルの軽妙な会話を軸にしたモダーンな大都会ラブ・ストーリーが多かった。
もともとはウィリアム・パウエルとマーナ・ロイの、ニューヨークの恋愛喧嘩での、壮絶な会話の面白さを軸にした恋愛を軸にした<漫才コメディ>だったのだが・・。
この作品も、あのパラマウント名産のソフィスティケイテッド・コメディを狙ったもので、フランスで人気急上昇だったカトリーヌ・ドヌーブをハリウッドに輸入。
「ミスター・ロバーツ」や「おかしな二人」のヒットで人気の出た、オスカー受賞のジャック・レモンを、フレンチ美女と組ませた、ニューヨーク・コメディ。
狙いはいいのだが、シナリオが常套なうえに、演出も冴えなくて、・・・あのパラマウント・コメディの先輩<ビリー・ワイルダー>のようにはいかなかった。
ま、タイトルが<エイプリル・フールズ>なので、軽いジョークのホラ話し、かと思えば憎めないが、あの「アパートの鍵貸します」のような洗練さは不発だった。
これは、いかにジャック・レモンが味を出しても、言葉の違うフレンチ美女のカトリーヌには、ストレートには通じない<バッド・ジョーク>で、惜しまれた。

■センター横に抜けたヒットも、セカンドでアウト。 ★★★
●NBCユニヴァーサル・エンターテイメント・DVD
●4月1日(金)10-30 <ニコタマ・サンセット傑作座>
OV-79『エイプリルフールズ・幸せはパリで』"The April Fools"(1970) Paramount Pictures, A Cinema Center Films, a Jalem Productions 
監督・スチュワート・ローゼンバーグ 主演・ジャック・レモン、カトリーヌ・ドヌーブ、ピーター・ローフォード<95分・シネマスコープ>DVD
そのむかし、<パラマウント・タッチ>という業界称号があって、ハリウッドの古参スタジオの<パラマウント映画>は、おしゃれなコメディを量産していた。
これは戦前の<ルビッチ・コメディ>を主軸にした、ドタバタではなくて、おしゃれなジョークを効かせた、ニューヨークなどの都会を舞台にしたコメディ。
60年代の頃には、ケラーク・ゲイブルの「先生のお気に入り」や、ケイリー・グラントの「月夜の出来事」、ダニー・ケイの「5つの銅貨」などなど。
あのドタバタ・コンビによる、アクション・コメディではなくて、若いカップルの軽妙な会話を軸にしたモダーンな大都会ラブ・ストーリーが多かった。
もともとはウィリアム・パウエルとマーナ・ロイの、ニューヨークの恋愛喧嘩での、壮絶な会話の面白さを軸にした恋愛を軸にした<漫才コメディ>だったのだが・・。
この作品も、あのパラマウント名産のソフィスティケイテッド・コメディを狙ったもので、フランスで人気急上昇だったカトリーヌ・ドヌーブをハリウッドに輸入。
「ミスター・ロバーツ」や「おかしな二人」のヒットで人気の出た、オスカー受賞のジャック・レモンを、フレンチ美女と組ませた、ニューヨーク・コメディ。
狙いはいいのだが、シナリオが常套なうえに、演出も冴えなくて、・・・あのパラマウント・コメディの先輩<ビリー・ワイルダー>のようにはいかなかった。
ま、タイトルが<エイプリル・フールズ>なので、軽いジョークのホラ話し、かと思えば憎めないが、あの「アパートの鍵貸します」のような洗練さは不発だった。
これは、いかにジャック・レモンが味を出しても、言葉の違うフレンチ美女のカトリーヌには、ストレートには通じない<バッド・ジョーク>で、惜しまれた。

■センター横に抜けたヒットも、セカンドでアウト。 ★★★
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●『オデッサ・ファイル』は、ウクライナの軍港拠点だったが・・。

2022年03月27日 | Weblog
●3月26日(土)20-40 二子玉川<サンセット傑作座>
0V-022『オデッサ・ファイル』The Odessa File" (1974) Columbia Pictures. A John Woolf Productions. Sony Pictures Entertainment.
監督・ロナルド・ニーム 主演・ジョン・ボイト、マキシミリアン・シェル、マリア・シェル <129分・シネマスコープ>
いま紛争中のウクライナの南に位置する<オデッサ>は、ロシアの戦略的な攻撃拠点として位置されていたらしいので、ふと、この作品を再見してみた。
あの「ジャッカルの日」のフレデリック・フォーサイスのベストセラー小説の映画化で、70年代当時には注目されていた、一種のスパイものなのだが・・・。
しかしいまロシアの狙うオデッサは、地中海に繋がる大きな港町で、地中海への貿易拠点ではあるものの、ここでは問題の港ではなく、ただのスパイ暗号だった。
あの「ブラジルから来た少年」もそうだったが、第二次大戦のあと、ナチスの高官たちは、戦争犯罪での裁判と処刑を逃れるために、南米などに亡命逃走した。
この作品では<オデッサ>は、戦渦の拠点となる筈だった、その港町ではなく、元ナチSS隊員たちの秘密組織が、いまも地下では現存しているらしい情報が流れたのだ。
ルポ・ライターとしてウクライナにいたジョン・ボイトが、まるで私立探偵のように、その拠点を追求していく、というスパイ・サスペンスで、ここでは単独捜査となる。
残念ながら、その<オデッサ>という港町を描くわけではなくて、ドイツのナチス戦犯への、復讐のために奔走する展開は、「ロシアハウス」なども思いおこされる。
太平洋戦争のテーマを多く映画化した時代と同様に、この作品も「寒い国から帰ったスパイ」のように、いま混戦を続けているウクライナの悲惨を悼むばかりだ。
あの名作「居酒屋」などの名女優マリア・シェルが、弟がナチスの高官を演じている関係か、ちらりと顔を出していたのも、ああ、懐かしい時代。

■左中間に上がった高いフライだが、結局はセカンドが捕球。 ★★★☆
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