●4月19日(水)12-30 六本木<FOX映画試写室>
M-049『LOGAN*ローガン』(2017) 20th Century Fox Film Marvel Entertainment
製作・監督・脚本・ジェームズ・マンゴールド 主演・ヒュー・ジャックマン パトリック・スチュワート <138分・シネマスコープ> 配給・20世紀フォックス映画
ブロドウェイ・ミュージカルでも人気のあるヒュー・ジャックマンは、実は17年も前から「Xメン」での、ミュータントのクワ爪男の役を持ち味にして、何とこれで9作品目だという。
まさにジェームズ・ボンドばりのライフワークのようだが、「Xメン」も、「ウルヴァリン」という異名でも再三の活躍をしていたのだが、われわれには意外に馴染みが薄かった。
とはいえ、<マーヴェル>ブランドのアクションアニメ・ヒーローなので、あの両手の拳から殺意と怒りと共に6本の長い刃の出るキャラクターには、2013年に日本でロケした際には、東京でも大暴れした。
しかし、さすがに超ハードな連続アクション作品で疲労したのか、ミュータント・ヒーロー役のヒュー・ジャックマンは、惜しくもこの作品でリタイアするらしく、これが最後のミッションらしい。
近未来2029年で、すでに老化したミュータントの<ローガン>は、ラスト・ミッションとしてローラという少女をカナダ国境まで届ける任務を受けるが、またしても武装集団から攻撃される。
ミュータントが消滅しつつある国境の研究施設では、その少女を必要としていたが、彼女は実は恐るべき知能と戦闘能力を持っていて、ローガンとの逃避行の間にも驚異的な本性を見せる。
まさにあのジャン・レノ主演の「レオン」のように、少女を守るための逃亡と死闘を展開して、いかにも<マーヴェル・コミック>のスーパー・カップルぶりを見せていく。
原案とシナリオを書いて演出もしているジェームズ・マンゴールドは、ヒューとは3回目のコラボで、このウルヴァリン・シリーズでは、あの東京ロケ以来の息のあったアクションを連続して見せる。
映画の中では、再三にわたってアラン・ラッド主演の西部劇「シェーン」のシーンがインサートされるように、この戦う男と少女の関係は、恐らくはシェーンと少年のハートがベースになっているようだ。
監督が、クリント・イーストウッド監督主演のウェスターン「アウトロー」を意識したというだけに、ヒゲだらけで奮闘するヒューも、役作りのせいか、あの絶頂期のクリントの風貌を思わせる。
だから<マーヴェル・コミック>の配下にある作品だが、どこか孤独な荒くれ男の出演した西部劇の匂いがして、ウェスターン・ファンの我々には嬉しいアクション映画の味わいだった。
■サードベースに当たるライナーが転々の間にツーベース進塁。 ★★★☆+
●6月1日より、全国ロードショー