細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『夜の豹:パル・ジョーイ』は、芸人シナトラの血糖値に迫るエンターテイメント。

2020年08月12日 | Weblog
●8月11日(火)21-00 ニコタマ・サンセット傑作座
OV-134『夜の豹*パル・ジョーイ』"Pal Joey" (Columbia Pictures)
監督・ジョージ・シドニー 主演・フランク・シナトラ、キム・ノヴァク <1957・109分・カラー・ビスタサイズ> DVD
はじめて、築地の古い<東京劇場>でロードショーされた当時は、まるでオペラ劇場のようなクラシックな薄暗く広い劇内で、数人の入場者で見た記憶がある。
歌手フランク・シナトラのことは、ミュージカルでジーン・ケリーと出ていた作品を見ていたので知っていたが、この作品では、かなり、やくざな歌手として登場。
「夜の豹」という、呆れるようなタイトルは、<悪友ジョーイ>では、やくざ映画と誤解されるので、かなり苦労して決めた邦題だろうが、それでも不可解だ。
いかにも歌手<フランク・シナトラ>の個性を活かした作品で、後に作家ジョン・オハラの書いた<「抱擁」・ジョーカー・イズ・ワイルド>の伏線でもあった。
流れ者の芸人のジョーイは、歌は上手いが、ジョークも辛辣なプレイボーイで、流れ者としてサンフランシスコに辿り着いてからの恋多き日々を唄って行く。
ダンサーのキム・ノヴァクと、金持ちな未亡人のリタ・ヘイワースと、当時としては、かなりファンキーなミュージカル仕立てのラブ・ストーリー。
これを契機にして、歌手のシナトラは老舗のコロムビアから、新規のキャピトル・レコードに移籍して、あとは順風満帆のヒット・アルバムを連発したのだった。
という意味では、エンターテイナーの彼を知る上では、まさに<ポピュラー・ソング入門書>のような作品で、リタ・ヘイワースなどの絡みは、ただのおつまみ。
レコード歌手としての<フランク・シナトラ>は、当時、同じコロンビア映画『地上より永遠に』でアカデミー助演男優賞を受賞して、一気にビッグスターになった。
のちの「抱擁」や「走り来る人々」などで、彼は演技者としても、ビッグスターになったが、この作品はそのシナトラの起爆剤的な作品になったのだった。

■左中間に抜ける痛烈なゴロのヒットで、俊足スリーベース。 ★★★★☆
●ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメントDVD

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