細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『マーヴェリックス/波に魅せられた男たち』の怒濤の果て。

2013年05月29日 | Weblog

●5月28日(火)13−00 目黒<ウォルト・ディズニー試写室>
M−064『マーヴェリックス/波に魅せられた男たち』Chasing Mavericks (2013) Buena Vista / Twentieth Century Fox Walden Media
監督/カーティス・ハンソン+マイケル・アプテッド 主演/ジェラルド・バトラー <116分>配給/W・ディズニー・スタジオ ★★★☆☆
個人的にサーフィンはやらないが、海を見るのは大好きだ。
これもあの「ビッグ・ウェンズデー」の若者たちと同じように、大波にサーフィンで挑む男の友情を描いた作品。
スポーツではあるが、得点もないし、勝ち負けもなく、高額なギャラもなく、観衆も少ない。
それでも生活を投げ出しても波に挑む男たち。これって、本当は何なんだろう。
実話の映画化だというが、さすがは「L・A・コンフィデンシャル」の名匠だけに、そこに人間性の輝きを見いだそうとする。
監督としては、あのラッパーのエミネムを追いかけた「8mile」のタッチに似ていて、ドラマはさすがに飽きさせない。
カリフォルニアのサンタクルスは、サーファーのメッカだが、そこには全米の強者が集まって来る。
というのも、岬の先の波の合流ポイントには「マーヴェリックス」と呼ばれる、10メートルを超える波がやってくる。
それは気象条件によってポイントを変えるが、ジェラルドのように中年にもなると、その匂いを嗅ぎ分ける。
15歳のジェイも、そのマーヴェリックスに見せられた少年だが、ジェラルドにサーフィンの極意を教えてもらう。
まさに「胸に輝く星」のシェリフ、ヘンリー・フォンダから、ガンプレイを教わるアンソニー・パーキンスの構図だ。
お互いの家族の問題を抱えながらも、次第に強い友情に進化していく感情のプロセスが熱く描かれて行く。
CGエフェクトなしに、その大波に迫る勇壮な飛行撮影と、とにかくドルビー・サラウンドが素晴らしい。
サーファーにはたまらない魅力の映像と音響だし、友情ドラマとしても、かなり熱い。という季節限定かな。

■強引に引っ張った打球がレフトのグラブを弾いてヒット。
●6月15日より、ヒューマントラストシネマ渋谷などでロードショー