ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

キンクロハジロ

2013年12月06日 | 動物:鳥

 分かり易い名前

 動物の写真を撮って、図鑑と照らし合わせてそれが何者か調べる。その名前が分かると今度は別の文献を手にし名前の由来を調べる。「名は体を表す」という言葉通りの動物もあれば、「何でこんな名?何でこんな漢字?」と分かりにくいものもある。
 鳥は分かりにくいものが多い。例えば身近な鳥であるウグイス、カラス、スズメ、ツバメ、ニワトリ、ハト、ヒヨドリなどは分かりにくい。先ず、鶯、烏、雀、燕、鶏、鳩、鵯とかの漢字を見て、「何でその字?何でその発音?」と私には想像不能。
 「名は体を表す」鳥も、少ないけどいる。例えばシロハラ、シロガシラ、ムナグロ、メジロなど。その漢字表記を見て「何でこんな名?」の正解がすぐに出せる。腹が白いから白腹、頭が白いから白頭、胸が黒いから胸黒、目(の周り)が白いから目白だ。こんな分かりやすい名前なら、私の衰えた脳味噌でも記憶できるというものだ。

  「特定秘密保護法」、言葉としては分かり易い。「特別に定める秘密を保護する法律」ということだ。ところが、内容は曖昧だ。何をもって特別な秘密と定義するのか、誰が定めるのか、どのように保護するのかといった中で、「どのように保護するか」だけは、たぶん、その法を犯した(秘密を漏らした)者を罰することだと推測できるが、「特定の秘密の定義」と「誰が」というのが曖昧。「これは国民に内緒である」ということについては、10年後、あるいは50年後でもいい、何故そうしたのか、誰がそうしたのかを明らかにしてもらって、曖昧さを払拭できるようにしてもらい たい。

 今回紹介するキンクロハジロ、長い名前なので一見「何のこと?」だが、「特定秘密保護法」に比べると、いや、比べようもないほどにキンクロハジロの名前は分かり易い。前回から参考文献に加えた『野鳥ガイド』にその由来があった。「オスは金色の目、黒色の体、白色の羽なので」ということ。文献の写真を見ると確かにその通りで、大いに納得できる。きっぱりと晴れた秋空のようにすっきりする。

 
 キンクロハジロ(金黒羽白)
 カモ目カモ科の冬鳥 ほぼ日本全土に分布 方言名:不詳
 金黒羽白という漢字表記は広辞苑にあり、その由来は『野鳥ガイド』に「オスは金色の目、黒色の体、白色の羽なので」とあった。
 全長雄43.5センチ、雌37.5センチ。雄は全体に黒色で、脇と腹が白色。雌は全体に黒褐色で、脇と腹が淡色。後頭部に冠羽がある。
 河川やダム湖などの淡水の湖沼に多く生息し、沿岸の海上でも見られるとのこと。鳴き声はクッ、クッ、クッという低い声。ほぼ日本全土に分布し、大部分は冬鳥。沖縄では11月から3月頃にかけて見られる。
 『沖縄の野鳥』に潜水採餌性と初見の単語があった。広辞苑のキンクロハジロの説明の中に「巧みに潜水し、水底の貝や甲殻類などを捕食する」とあったので、そういうこと、潜水して採餌(餌を採る)することを言っているのだと想像できた。
 
 群れ
 1月の久高島の溜池に数羽が群れていた。腹の白いのが雄、脇が淡色なのが雌。

 記:2013.11.15 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野鳥』沖縄野鳥研究会編、(株)新報出版発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『検索入門 野鳥の図鑑』中村登流著、株式会社保育社発行
 『野鳥ガイド』唐沢孝一著、株式会社新星出版社発行