ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

果実酒5

2015年09月11日 | 飲食:飲物・嗜好品

 8月中旬から畑のバンジロウ、またの名をグヮバが多く収穫でき、それを使って果実酒を作っている。9月になると1本だけあるキミノバンジロウ、またの名をストロベリーグヮバも収穫でき、それも使っている。第1回醸造グヮバ酒は約6合、第2回醸造グヮバ酒は約9合、第3回醸造グヮバ酒は約1升の出来上がりとなり、それぞれ瓶詰めされ、冷蔵庫に保管されている。クワ酒1本を含め、冷蔵庫が一杯になった。
 搾った日は第1回が8月22日、第2回が8月26日、第3回が9月1日。今この記事を書いているのは9月9日だが、8月23日に第1回を飲んでから今日までの18日間、休肝日とした8月24日以外は自家醸造グヮバ酒を毎日飲んでいる。飲まないと冷蔵庫に空きができない。そして、9月5日になってやっと2本分の空きができた。
 2本分の空きはしかし、すぐに埋まった。グヮバはなおも収穫でき、第4回醸造グヮバ酒を8月27日に仕込んで、9月3日に搾って、約8合のグヮバ酒ができていた。これが4合瓶2本分となり、冷蔵庫の空きを「まだかまだか」と待っていたのだ。

 第4回醸造グヮバ酒はこれまでの3回と大きく違う点があった。それまでのグヮバ酒にはアルコール発酵を助長する糖類、オリゴ糖やキビ糖を加えていた。それらは市販のもので、当然、お金が必要となる。第4回は材料が全て畑で採れるものを使った。
 水も加えているが、水は、私は飲み水も料理に使う水も水道水、貧乏ということもあって市販の水はほとんど使わない。ということで、水はいつものように水道水を使用。つまり、第4回醸造グヮバ酒は水道水の何円かを除けばお金を使っていないということ。
 私の理想とする自家醸造酒は猿酒、猿酒とは「猿が木のうろまたは岩石のくぼみなどに貯えておいた木の実が、自然に発酵して酒に似た味となったもの」(広辞苑)であるが、金を使わずに酒ができればそれに近いものとなる。
     
     

 第4回醸造グヮバ酒、試飲したのは9月5日、冷蔵庫に入れて数時間後のこと。これはしかし、期待外れだった。匂いが強過ぎるし、酸味も強過ぎた。搾ってから丸二日間室温で保存したことが発酵を進め、アルコールが酢に変化したからだと思われる。しかし、丸っきり酢というわけでは無い。不味くも無いので飲んでいる。
 第4回醸造グヮバ酒、不味くは無いが、過去3回の経験を活かし切れていないことを考慮すると失敗作と言える。残念・・・ではまだ無い。何と私は第4回を試飲する前から第5回醸造グヮバ酒を仕込んでいた。第5回は過去4回の経験を活かした。
 第5回醸造グヮバ酒は9月2日に仕込み、9月7日に絞って、約1升2合の出来上がりとなった。冷蔵庫内を整理して、その全てをすぐに冷蔵庫へ収め、その日に試飲。私もバカでは無いのだ、5回も経験すれば猿知恵も働く。第5回醸造グヮバ酒は成功。匂いも柔らかで、酸味も柔らか。金を使わない酒、猿酒に近い酒ができたと言っていい。
     
     
     
     

 猿酒といえば、メインのクワ酒。8月、クワの実がたっぷり収穫できた。猿酒の中核と位置付けているクワの実だ、もちろん酒にする。クワの実は一遍にたくさんの熟果が収穫できたのでは無く、2日に1回収穫して、2週間近く費やして出来上がり約1リットルの量を仕込んだ。最初に仕込んだのは第1回醸造グヮバ酒と同じ8月15日だが、2週間ほど継ぎ足し継ぎ足しして、その後数日寝かせて、絞ったのは29日。試飲は30日。
 クワの実酒、収穫した果実の半分は真黒に完熟していたが、半分はまだ赤味が少し残っていた。なので、糖分が不足かなと思ってキビ糖を少し足したが、その他は水もイースト菌も使っていない。私の理想とする猿酒に近い。キビ糖の代わりに第4回醸造グヮバ酒や第5回醸造グヮバ酒のように畑のサトウキビを搾った汁を使えば、これはもう、理想とする猿酒と言っていい。一遍に大量に収穫できればサトウキビも要らなくなる。
 さて、その味だが、濃い。味も匂いも濃過ぎる。残念・・・と一瞬思ったが、すぐに閃いた。「濃ければ薄めりゃあ良かろう」と。で水割りにする、いける。炭酸割りにする、これもいける。水割りにしたものは、その味も香りも口当たりも、私がいつも飲んでいる安物ワインと比べても全く遜色ない。酒として大合格と私は判断する。
     

 私の猿酒、ということで、未来に明るい光が灯っている。めでたしめでたし。というだけでは無い。実は、畑のグヮバは、ストロベリーグヮバの方が多くなったが、まだあり、それを使って第6回グヮバ酒も仕込んでいる。仕込んだのは第5回醸造グヮバ酒を搾った日と同じ9月7日、グヮバをミキサーでトロトロにしたものに水とキビ糖(十分成長したサトウキビがもう畑に無いので市販のキビ糖となった)を加える。これを搾るのは明後日の予定だが、仕上がり量はだいたい1升2合と見込んでいる。
 第6回グヮバ酒についての報告はたぶんしない。仕上がりは良いと十分予測できる。何せ過去5回の経験があるのだ、私の小さな脳味噌もそれを活かしている。発酵途中の広口瓶の発酵具合を見ても、蓋を開けその匂いを嗅いでも成功疑い無し、と思う。

 記:2015.9.9 ガジ丸 →沖縄の飲食目次