ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

稲荷鮨

2018年02月02日 | 飲食:食べ物(料理)

 大きな稲荷

 叔父の一人が胃癌を患い、手術したというメールが去年の6月に従妹(その叔父の娘)からあり、叔父を元気付けるため、叔父が懐かしく思い、心癒されるような写真を集め、30枚ほどの写真に1つ1つ説明を付けて従妹に送った。
 その写真の1枚に稲荷寿司を入れた。「何故、稲荷寿司?」と問われると、沖縄の稲荷寿司は東京のそれと違う独特なものだから。沖縄を離れ、東京で暮らすようになって50年以上となるE叔父、彼にとって稲荷寿司は想い出深いと思ったから。
 E叔父に贈った写真集の、稲荷寿司の説明文は以下。

 E叔父さんといえば、すぐに三原のオバー(御婆)を思い出します。一時期、オバーの家に居候していたよね。いつ頃だろう、もう50年ほども前になりますか?
 三原のオバーと言えば、オバーが生計としていた惣菜を思い出します。特に、巻き寿司といなり寿司。太巻きは東京にもありますが、いなりは東京のものとは違い、質量としてはその2倍ほどもある三角形の沖縄風いなりです。最近、沖縄風いなりもなかなか見かけなくなったのですが、あるスーパーに置いてありました。

 説明文は以上。そう、沖縄の稲荷寿司は大きくて三角形をしている。私も東京で5年ほど暮らしたことがあるが、東京では沖縄風の稲荷寿司を見たことがなかった。ネットで確認してみると、東日本は概ね俵型、西日本は沖縄と同じ三角形とのこと。
 味にも少し違いがあって、沖縄の稲荷寿司に使われる油揚げは揚げたままのもので、他府県のように味付けはされていない。中身も概ね酢飯だけである。
     
 私はスシを寿司と書くことがほとんどだが、寿司は当て字で正確には鮨と書くようだ。広辞苑を引くと、漢字表記は「鮨・鮓」となっており、その第二義に、「(「寿司」と書くのは当て字)酢と調味料とを適宜にまぜ合わせた飯に、魚介類・野菜などを取り合わせたもの」とあった。ついでに、稲荷鮨は「甘煮の油揚げの中に、すし飯をつめた料理。すし飯に牛蒡・人参などを刻んで煮たものや炒った麻の実をまぜたものもある」のこと。
 何故、稲荷(いなり)と呼ぶのかと言うと、稲荷は、その第三義に「(狐の好物であるということから)「油揚げ」の異称」とあった。

 E叔父はその後、再手術したとかいろいろあったけれど、今は元気で食欲もあるらしいと、その娘(私にとっては従妹)からこの正月にメールがあった。

 記:2018.1.29 ガジ丸 →沖縄の飲食目次