ガジ丸が想う沖縄

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果物缶詰

2017年03月03日 | 飲食:加工品・薬草・他

 盆正月の楽しみ

 果物缶詰の字面では「何のこと?」となるかもしれないが、一般的にはフルーツ缶とか言っているようである。ミカンとかモモとかをシロップ漬けにした缶詰。沖縄ではパイナップルの缶詰が有名。パイナップルの缶詰工場もあったと記憶している。
 果物缶詰は私が子供の頃からあって、たまに口にもしていたので馴染み深い。値段が高かったからか、普段は生の果物でいいんじゃないのという理由からかしらないが、「たまに口にしていた」の「たまに」は年に2回ほどの「たまに」であった。
 年に2回とは盆と正月。盆(沖縄では旧盆)と正月に、何組かの親戚が我が家の仏壇にお供え物を持ってくる。そのお供え物の中にたいてい果物缶詰が含まれていた。ケーキ類の甘いものは苦手だった少年(私のこと)であったが、果物は好きであった。盆正月の仏壇に供えられている生の果物、バナナ、パイナップル、ナシ、オレンジ、リンゴなども好んで食べたが、果物缶詰はそれらよりも好んで食べた。何しろ、果物缶詰の果物は皮を剥くという手間が要らない。缶切で缶を開けるだけで食える。子供の頃から私は面倒臭がり屋だった。その性格はずっと続き、後期オジサンとなった今も続いている。

 話が逸れた。私が面倒臭がり屋なんて関係無いことであった。
 実家が無くなって当然仏壇も無くなり、トートーメー(位牌)をお寺に預けてからは親戚からの供え物も無くなった。それより前から、記憶は定かでないが、私がオジサンと呼ばれるような歳になった頃から供え物に果物缶詰は無かったと思う。あるいは、実家とは離れて暮らしている前期オジサンの私が、たくさんある供え物の中から果物缶詰をわざわざ探しだして、それを持ち帰るなんてことをしなかったということかもしれない。
 オジサンとなった私は、果物缶詰を食べたいと思ったらすぐに買えるほどの経済的余裕はいつでもあった。いつでも食えるという余裕があるとなかなか食わないもので、オジサンとなってから果物缶詰を食べたのは数回、数えるほどしかないのではないか。
 果物缶詰を食べたのはむしろ、後期オジサンとなって、リストラされて貧乏になってからの方が回数は多いかもしれない。私が子供の頃に比べ、果物缶詰の値段がずっと安くなって、モモ、パイナップルなど100円で手に入ることもある。100円なら生のそれより安いし、面倒臭がり屋にとっては手間の要らない果物なので便利なのである。
 とは言っても、オジサンは果物缶詰がさほど好物というわけではないので、果物缶詰を口にするのは2~3年に1回くらいだと思う。このブログで果物缶詰を紹介しようと思い立って、その写真を撮るために購入したが、それは2014年8月のこと。
     

 畑をやっている今は生の果物を食べる機会が増えた。私の畑ではバナナ、グヮバなどの果物が季節になると実を着けてくれる。何しろそれらは只である。缶詰は安くなったといっても100円はする。貧乏になった私は質素倹約に努めなければならないのだ。
 果物缶詰を食わなくても私には生の果物がある。3年前に挿し木したパッションフルーツも今や十分に成長していて、今年からは多くの実を着けてくれるに違いない。あと何年かかるか分からないが、モモやビワの木も3年前に植えている。それらも楽しみ。
     

 記:2017.2.23 ガジ丸 →沖縄の飲食目次