ガジ丸が想う沖縄

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フクダアリバチ

2014年09月12日 | 動物:昆虫-膜翅目(ハチ他)

 身長3.5倍

 昆虫図鑑を見ると、それには各昆虫の大きさが記されている。昆虫の大きさには概ね範囲を示す「~」が付く。同じ種の虫でもそれぞれ個体差があるのだ。もちろん、それは当然のことと私も直感的に理解できる。哺乳類人という種も個体差がある。人類のモンゴロイド種のウチナーンチュにだって個体差はある。色白、色黒、髪ふさふさ、禿げ頭、吊り目、垂れ目、太っちょ、痩せっぽち、のっぽ、ちび、などなど。
  のっぽ、ちび、つまり背の高い人と低い人を比べる。もちろん、大人(成体)で、その雄を比べて見ると、私の周りには190センチ近い人と150センチを少し超える人がいる。2人を並べてみると大人と子供のようである。が、大した差では無い。
 世界には、2mをゆうに超える人がいる。プロバスケット選手などに多い。小さな人の例は知らないが、病気で無い限り140センチくらいではないだろうか。背の高い人が250センチあったとしてもその差は2倍弱。大した差では無い。宇宙人が地球にやってきて、彼らを採集したとしても、二人とも同じ 哺乳類地球人の範疇に入れるだろう。

 フクダアリバチの体長は、記憶している限り、私が今まで紹介してきた昆虫の中では最も幅広い。『沖縄昆虫野外観察図鑑』によると4~14ミリとなっている。4ミリと14ミリでは3.5倍差となる。哺乳類人に喩えたら、身長160センチの人もいれば560センチの人もいることになる。あののっぽのキリンだって4mを超える程度だ。5m60センチは怪物だ、怪獣だ、ウルトラマンを呼ばなければならない。
 宇宙人が地球にやってきて、1m70センチの私と5m60センチの人と並んで立っていたら、おそらく、最初は大人と赤子だと判断するに違いない。

 
 フクダアリバチ(ふくだ蟻蜂):膜翅目の昆虫
 アリバチ科 九州、奄美大島、沖縄に分布 方言名:不詳
 名前の由来は資料が無く不明。福田さんという人が学術的発見をしたことからフクダかもしれないと思ったが、そういった記述は私が参考にいている文献には無かった。アリバチ(蟻蜂)については『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「雌は無翅でアリに似ている」とあった。雌の姿をもしかしたら見ているかもしれないが、アリと思って見逃したかも。
 同書に「沖縄では採集例が少なく、稀である」とあったが、雄の姿は以前勤めていた職場で何度も見ていて、今年(2014年)春には私の畑でも見つけた。
 体長は4~14ミリ、成虫の出現は5月から7月と9月から10月。成虫は体全体が鮮やかな赤色で、翅の色は黒っぽく、よく目立つ。幼虫の寄主は昆虫類で「地中にあるハナバチなどの巣に住み、蛹などに外部寄生する」とのこと。
 
 横から

 記:2014.9.7 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行