油のカバ
2014年10月から始めたブログ移動、及び修正作業は1年と3ヶ月をかけてやっと終了したが、その際、「あれ、旅日記を紹介していない」ことに気付いた。
2011年八重山の旅から、2012年伊平屋伊是名の旅、同年粟国島の旅、同年宮古諸島の旅を紹介していない。で、さっそく書き始め、2016年にアップする。
2011年八重山の旅を書いている時、「あれ、この写真紹介していない」ということにもたくさん気付いた。まだガジ丸HPで紹介していない動物、植物の写真がたくさんあった。今回紹介するカバタテハもその1つ。
カバタテハは八重山の旅、石垣島のバンナ公園で出合った。写真を1枚撮っただけですぐに遠くへ逃げてしまい、撮った1枚の写真もボケてしまっているが、旅から帰って調べると、カバタテハだと判った。カバタテハを逆から読むとハテタバカ、「果てた馬鹿」となる。「俺が死んだらそう言われるかも」と、名前はすぐに覚えてしまった。
名前からもう1つ覚えたことがある。カバタテハの食草はヒマ、ヒマはその種子からヒマシ油を採る植物、ヒマシ油は下剤として使われるもの、私も子供の頃に何度か見ていて知っている。ということから、「油のカバがするチョウ」として、カバタテハの食草がヒマであることも覚えた。カバとはウチナーグチ(沖縄語)で「香り」という意味。
カバタテハ(蒲立羽):鱗翅目の昆虫
タテハチョウ科 台湾、中国南部、インド、東南アジアなどに分布 方言名:ハベル
名前の由来、タテハについては広辞苑に立羽と漢字表記があり「止まると翅を立てる」から来ていると思われる。カバについては、資料はないが、蒲色が広辞苑にあり「赤みをおびた黄色」のこと。本種の翅の色がそのような色をしているからだと思われる。
分布に日本が入っていないが、日本では迷蝶とのこと。『沖縄昆虫野外観察図鑑』によると、八重山で見られるのは台湾亜種で、「1982年以降増え続け、西表、石垣、竹富などで発生を続けている」とある。同書は1996年の発行、それから20年、地球温暖化が進んでいる今では八重山に分布していると言っていいかもしれない。
前翅長は25ミリ内外。成虫の出現、八重山では5月から12月。食草はヒマ。ヒマとはトウゴマの漢名で、トウダイグサ科の一年草。ヒマシ油を採るため栽培される。
成虫
記:ガジ丸 2017.4.12 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
『いちむし』アクアコーラル企画発行