ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

オジサンVS猫

2008年02月08日 | 通信-その他・雑感

 中国産冷凍食品がどーのこーのと世間が騒いでいる頃、元々さぬきうどんを除く冷凍食品をあまり利用しない、利用する場合も、できるだけ地産地消を心掛けている私は、「俺には関係無ぇ」と鼻毛を抜いたり、屁をこいたりして、いつもの日常であった。
          

 年明けから、オジサンには気になることが一つ別にあった。新顔の野良猫がたびたびベランダにやってきているということである。見たのは1回だけであったが、夜、がさごそ音を立てているのは何度も聞いていた。
 1月20日頃だったか、昼間、そのがさごそという音を聞く。音はベランダに置いてあるプラスティック製の波型屋根を歩く音である。前に見た新顔の野良猫がそこにいた。
 ガラス窓と網戸と簾を通して私は猫を見ている。なので、彼、もしくは彼女は私に気付いていない。観察していると、彼女(ということにしておく)は、波型屋根の縁とベランダの塀との僅か5センチほどの隙間を抜けて、屋根の下、ベランダの床へ下りた。
 波型屋根の下は木製の棚になっている。ベランダの床から20センチほどの高さに棚の1段目があり、さらに20センチ上に2段目があって、その上40センチに屋根がある。棚の1段目にはベランダで使う七輪用の網があり、2段目には炭が置いてある。
 炭は大きな箱の中に入っていて、したがって、2段目に隙間は少ない。1段目にある網は薄っぺらなものである。したがって、1段目は幅40センチ、奥行き60センチ、高さ20センチほどの空間となっている。野良猫はそこに入っていった。

  しばらく(15分くらい)経ってから、野良猫の様子を見る。奴はスヤスヤと寝ていやがった。寒い冬、雨風を凌げるその空間は、猫にとっては手ごろな広さで、最適な居住空間となっているのであろう。
 スヤスヤと寝ているところを申し訳ないが、私は窓を開け、猫が休んでいる近くの壁を叩いて、猫を追い出した。猫は5センチの隙間から出て行った。恐るべき柔軟性、と感心しつつ、何とかせねばと対応策を考える。

 猫好きの人から見れば、「追い出すなんて可哀想じゃない。猫の棲家にしてあげたっていいじゃない。」と思うかもしれないが、私は想像するのだ。彼女はそこを棲家にして、そこで子供を生むに違いない。子供が生まれたらニャーニャーと煩いに違いない。糞や小便を垂れて臭くなるに違いない。私が食卓にしている場所から1メートルしか離れていない場所が臭くなったら、毎日の食事が不味くなるに違いない。などなどと。

  波型屋根の上には、数年前から猫侵入防止のために、20メートルの長さの有刺鉄線をモジャモジャと広げて置いてある。モジャモジャの隙間は、人間にとっては小さな隙間だが、猫にとっては、ちょっと注意すれば何とか足を踏み入れることのできる隙間だったようだ。よって、私の考えた対応策は、注意すれば何とか足を踏み入れることのできる隙間を、注意しても足を踏み入れることのできない隙間にするということであった。
 20メートルの有刺鉄線をもう1巻買い、モジャモジャと広げ、古い有刺鉄線の上に重ねた。その結果、猫は姿を見せなくなった。オジサンVS猫の戦いは、かくして、オジサンの勝利に終わったのであった。めでたしめでたし。
          

 記:2008.2.8 島乃ガジ丸