馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

刺さる爪、光る牙

2022-12-18 | 図書室

 

ヒグマもの。

舞台は日高山脈。どうやら日高町、地元ではヤマ日高と呼ばれている旧日高町らしい。

作者は元自衛隊員。

アウトドア経験も豊富なんだろうから細部もリアリティーがあるんだろう、と思って期待した、が・・・

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まあ、楽しみながら読めた。

なにせ主人公が・・・・Higなのだ;笑

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10日前に後肢の管部の底側に外傷を負った繁殖雌馬。

傷はひどく化膿し、内側、外側と切開したのに排膿が治まらない、との経過。

X線画像では異物は写らなかった。

超音波画像では、長いもの、キラキラしたもの、が写った。

後肢なので全身麻酔して外科的に探りたい。

しかし、妊娠馬なので麻酔覚醒が良い麻酔方法を選択したい。

プロポフォールで麻酔してもらうことにした。

肉芽で覆われていたが、鉗子が刺さり込む。

骨片?異物?と触れるものの一部が出てきた。木片?

もっと大きいものが入っている。傷を切り広げないと取り出せない。

繋靭帯と深屈腱の間に入り込んでいる。一部は繋靭帯に刺さったようになっている。

蹄のかけらだ。

この怪我した馬が牧柵を蹴飛ばしたわけではなかった。

他の馬に蹴られて、その拍子に欠けた蹄壁が屈腱部に刺さったんだ。

蹄壁がささくれていたので、皮膚を破って刺さったのかも。

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ヒグマの爪も恐ろしいけど、馬の蹄も怖い;笑

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日高山脈は、スキー登山には向かない。

尾根が細くて急峻なので、スキーで登って行ける広い斜面が少ない。

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いわゆるクロスカントリースキーと登山に使う山スキーは違う。

登山に使う山スキーは幅が太くないと雪に沈んでしまう。

登るときはシールと呼ばれる毛を植えたバンドを滑走面に貼る。アザラシの皮を使う方法もある。

だから登るためにワックスを塗ったりしない。

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森林保護官、、ね~

 

 



4 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2022-12-18 18:28:19
 幸か不幸か動くところに刺さっちゃったようで。埋もれてしまうとわからないものなのですね。蹄がかけちゃった馬は大丈夫なのでしょかね。
 
 amazonおすすめからですか?
 冬山でスキーを背負っている人いますね。下りに使うことがほとんどなのでしょう。hig先生は経験あるのですね。かんじきで雪上散歩したくなりました。
 競馬場では鼻血続出だったようです。人ならアレルギーを疑うけど、気温は関係あるのでしょか?
Unknown (れおん)
2022-12-18 20:01:13
以前回虫で質問させて頂き、お返事頂いていたのに返せず、すみません。
エクイバランゴールドを年2回しています。
しっかりと継続させます。
Unknown (hig)
2022-12-19 08:47:17
まさか爪だとは思わず、他の馬たちは削蹄してしまったので、犯人はわからないそうです。

北海道ではヒグマ出没の事故があったためでしょう、本屋でヒグマものが平積みされていました。何冊かの中から選んだうちの1冊です。

石狩連山、十勝連峰ではスキー登山しました。日高山脈ではスキーが登山に使えるのは北部だけですかね。
滑るのを楽しむのは遊びのスキーで、山スキーの価値は登るときのラッセルが楽な点にあります。

鼻出血ですか?冬に多いのだったかな。
>れおんさん (hig)
2022-12-19 08:48:32
放牧しない成馬なら、悪くないかと思います。

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