「阿吽」の呼吸、の元になっていると言われる金剛力士像。
やはり、この東大寺のものが一番立派だと思う。
形相もすごいが、
体も筋骨隆々。
日本古来の鍛え上げた「力士」、兵士、侍の姿を写実的に表しているのだろう。
しかし、おなかはポッコリでている。
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右手に石を持ってこれから巨人に挑むところだと言われている。
均整がとれて、こちらは現代のアスリートだと言われてもおかしくない体つき。
ギリシャ彫刻の様と表現される体とはこのような体形なのだろう。
(金剛力士像、ダビデ像の画像はwikipediaから)
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金剛力士像とダビデ像だけを比べて思うのは、米など穀類を主食にするのと、肉食の違いだ。
日本の農村では「男は一升飯」などと言われたこともあったそうだ。
重労働をこなすのに必要な蛋白質やカロリーを米食で取ろうとすると、1日に一升(十合)くらいご飯を食べないとまかなえない。
朝、昼とどんぶり1杯ご飯を食べて、夜はどんぶりでお代わりする。という感じかな。
当然、はらぼてになる。
肉食ならそれほど大量に食べなくても蛋白質とカロリーを取ることができる。
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穀類を主食としてきた日本人は体の割りに消化管が長いのかもしれない。
江戸時代の浮世絵の姿を見ても、明治の頃の写真を見ても、体形は「消化器型」だ。
草食に適した者が生き残って来ているので、先天的な要因を持っているのかもしれない。
また、後天的にも米食に適した成長をしているのかもしれない。
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考えているのは、日本と西洋の食文化と彫刻像の体形の関係ではなくて、馬のことだ。
馬は草だけを食べて大きな体を成長させ維持できるように盲腸と結腸が発達して大きな容積を持っている。
しかし、大腸にたくさん草を抱え込んでいては早く走る上では不利だ。
だから競走馬の飼養管理は高カロリー高蛋白の飼料をあたえて、あの巻き上がった腹を作る。
つまり、盲腸や結腸を小さくする飼養管理をしているわけだ。
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ひょっとすると、馬も当歳のころから高カロリー高蛋白の飼料で飼われていると、小腸が短かったり、盲腸や結腸の容積が小さかったりするのではないか?
誰か飼養管理と馬の消化管の発育について調べた人はいないのだろうか?
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今日は、
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