繁殖雌馬の膀胱結石

2年ほど前から、排尿の異常があった、という繁殖雌馬。

膀胱結石のようだ、ということで、来院。

膣に手を入れてみたら、一触瞭然。

尿道口の向こうに、塊状の膀胱を触知し、膀胱の中で石が動くのがわかる。

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膣底を切開し、膀胱を結石ごと膣内へ逸脱させる。

切開して結石を取り出し、stay suture をかけたところ。

端から2-0monocrylで連続縫合して膀胱を閉じた。

2層縫合して閉じることができる。

取り出した膀胱結石。

ハリネズミに似てる？

それともアワビ？

縫い終わった膀胱は腹腔へ戻し、膣底を1monocrylで連続縫合した。

そして、尿道カテーテルを入れておく。

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膣底を切開して、膀胱を膣内に逸脱させて、膀胱を切開して結石を取り出す方法は、世界的に誰も報告していない、はず。

わずかに、higという獣医師が、膀胱破裂の症例報告の中で、膀胱結石もこの方法で手術できる、と述べているだけ。

尿道括約筋を切開しないので、あとの尿漏れ、尿膣、などの併発症がない。

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電磁調理器って、初めて使った。

簡単にはお湯も沸かせない；笑

でも、消し忘れとか、空焚きとか、炎が袖に移るとか、なさそうで、安全そう。

しかし、それと薪ストーヴの組み合わせって、どうよ？；笑

 

 

 

 

 

飛節の外側の傷、そして飛節の穿刺はどこを刺すか

子馬の飛節の外側のくぼんだ部分には皮膚に傷があることが多い。

凹んでいる部分にどうして傷ができるのか、いっけん擦れる部分ではないように思うが・・・

実は、飛節を屈曲させて伏臥しているときや、立ち上がるときは距骨外側滑車や脛骨外果に押し出されて床と擦れる部位だ。

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飛節は細菌性関節炎を起こしやすい関節で、関節洗浄することも多い。

OCDの手術で関節鏡や器具を差し込む孔を開ける背側の内外だけで関節洗浄すると、飛節の底側を洗い残す。

それで底側も穿刺するのだが、私は底側は内側を穿刺するようにしている。

皮膚の擦過傷ができやすい部位を穿刺したくないからだ。

2ヶ所の穿刺なら、距骨外側滑車の上と、内底側の距骨内側滑車上になる。

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昨夜は、当歳馬のロタ腸炎後の胃潰瘍穿孔。

きょうは、

11歳繁殖雌馬の膀胱結石の摘出手術。

鼻出血した繁殖雌馬の喉嚢内視鏡検査。

今週、わたしは検査業務。

午後、1歳馬の脛骨近位外側の腫瘍性切開沈着症の摘出手術。

当歳馬の中手骨の骨膜損傷からの贅骨摘出。

1歳馬の後肢の跛行診断。

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ワールドカップ疲れ？　いやいや、オラにはかんけいね～

 

 

上も下も

2歳馬がウォーキングマシーンの中で暴れて、切歯骨を折ってしまった。

上も下も。

馬の左より2本の切歯骨が開いてしまっている。

中央左よりの切歯201・301も浮いている。

うちでは全身麻酔してしまったほうが、早く、きれいに、固定できる。

オトガイ孔と眼窩下孔での神経ブロックも併用する。

歯根部に汚れが入っていたので、鋭匙で搔き出し、生理食塩液で洗う。

歯槽に切歯をはめるのが少し難しかった。

下顎切歯骨をワイヤーで締めた。

301も留めたいので歯を1本ずつワイヤーで巻いた。

太い結束帯で締めて補強した。

馬が噛む力に耐えなければならない。

上顎切歯骨もワイヤーで巻いて、結束帯で締めた。

201はもうそろそろ抜け落ちる乳歯なので、留めなかった。

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鎮静剤と神経ブロックを使えば立位でできなくない・・・はず。

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結局コロンビアは強かった。あの開始3分の一発退場がなければ日本も厳しかっただろう。10人対11人で互角だった。

ポーランドはセネガル戦でのディフェンスの失敗が痛かった。正センターバックの不在が大きかったのだろう。

ミスをすると立ち直るのがたいへんだ。そして、1点は重い。

韓国は本気のドイツに勝った。

さあ、日本、ベルギーに齧りつけ！

 

 

THO 14頭目

11歳の繁殖雌馬。

1ヶ月くらい前から腰フラ様症状だったそうだ。

そのうち頭が傾き、耳が傾き、左眼が閉じれなくなり、鼻と唇の左側が麻痺してきた。

腰フラ様症状が先に出たので、頭や頚を傷めてそうなった可能性もあるか、と考えて一度来院してもらった。

喉嚢内視鏡検査で、側頭骨舌骨関節が大きいのが確認された。

X線画像で舌骨も変形していて、側頭骨舌骨関節から側頭骨が骨増勢していた。

側頭骨舌骨関節症　Temporo Hyoide Osteoarthropathy THO だ。

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左の角舌骨を摘出した。

茎状舌骨との関節部は骨折した痕だろうと思われた。

ひどく変形していた。

それでも大きな出血をさせずに摘出できた。

この手術は途中からより慎重にやらなければならない。

それがコツのように思う。

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平衡感覚はかなりいかれているようで、覚醒は危ういものだった。

立ち上がっても、頭をかしげている。

以前から考えているのだが、覚醒室の壁には目立つ色で水平線を引くと良いのではないか。

馬も平衡感覚は視力で補っている。

前庭障害がある馬ではとくにだし、麻酔覚醒時などもそうだろうと思う。

だから、視力で平衡感をつかめるような覚醒室の壁の図柄にしてやった方が良いと思うのだ。

だれか、わざと斜めの線を引いた壁の覚醒室で、麻酔覚醒中の馬が一方へ傾きやすいことを実験してくれないだろうか？

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今朝、守備をするメッシを観た。

 

 

 

あてえび

競走馬の業界では、浅屈腱炎、いわゆる「えび」は非常に警戒される。

治す方法がない業病だからだろう。

強い調教や競走をしないとまず起こることはないのだが、”あてえび”という俗称も流通している。

ぶつけて”エビ”になった、という意味らしい。

ときどき、浅屈腱炎が起こる部分の超音波検査を依頼される。

ぶつけて腫れているのだけど、腱が何ともないか観て欲しい・・・・・

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ぶつけたくらいで腱繊維が切れることはない、と思っているし、説明している。

よほど何か鋭利なもので切らないと、腱なんてぶつけて切れるもんじゃありません、と言って来た。

だけど・・・・・

この1歳馬は、木の柵を蹴飛ばして腱が切れてしまった。

写真の上の方にわずかに写っているのが外傷部。

屈腱部にギャップがあり、腱が切れているようなので、底側正中を切開したら・・・・

浅屈腱は完全に切れており、なんと深屈腱まで不全断裂していた。

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腱は合成吸収性モノフィラメント　PDS1号で縫合した。

ちなみにこの縫合糸は1本で5000円ほどする。

縫合方法は、three loop pulley をアレンジして使った。

腱の縫合の仕方はいくつも考案されている。

実際には、完全に断裂している腱を縫合することは多くはないのだけど・・・・

three loop pulley は悪くない、と思っている。

術後はキャストした。

4週間は固定して腱が癒合するのを待ちたい。

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鼻捻子、じょうずに取れますか？

私は、より、

の方が良いと思います。

物を強くつかむには、人差し指より小指の方が大事だからです。