馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

大掃除の最中に

2016-12-30 | 日常

ことしの仕事と診療を振り返れば、何が10大事象だっただろう・・・・

・韓国行き!

・九州宮崎で子牛の骨折内固定の実習

・旭川で産業動物獣医学会、賞もらった!(もらっちまった;笑)

・Dr.Ducharme来日

診療はエポックメイキングな症例はなかったかな。

子牛の橈骨骨折のダブルプレートはうまくいったし、子牛の橈骨骨折は初めてだったけど、今となっては難易度が高いわけじゃなかった。

腸管手術は・・・・もう多すぎて何がなんだか。

Tie forwardも数例やったけど、もう新しい方法でやり始めて数年になる。

・充電式電動ドリルTRS大活躍

使い出したらやめられないね。

・手術台シリンダー修理

13年使って油圧パイプ接合部が錆びてオイル漏れして修理した。

なにせ年300回以上血や塩水(生理食塩水)で濡らすからね。錆びるよね。

                           -

とても10までは数えられない。

まあ、今年は無事に粛々と診療をこなしました、ということで。

                           -

今日は大掃除。

私は枠場から始めた。

Ducharme先生に言われたのだ。

「Tiebackを立位でやるなら枠場をきれいにしてクロルヘキシジンで消毒しなさい」

Cornell大学の教授であり、アメリカ外科専門医協会のかつての会長であった人に言われたんだよ。

practiceとはそういうものなんだ。

掃除や消毒や片づけや準備ができないとうまくいかないのさ。

                           -

そうやって大掃除していた午後、疝痛馬の依頼。

来院すると状態はよろしくない。

超音波画像診断でも、ひどく腫れた腸管が多量に見えた。

結局、剖検して・・・

盲腸結腸重積だった。

腹側結腸から盲腸を引き抜こうとしても抜けなかった。

手術だったら、盲腸をそのままにして空腸結腸吻合をして運を天にまかせるか・・・

腹側結腸を切開して、盲腸を引き抜けるかやってみる、それでも抜けなければ盲腸を縫合しておいて切除して引き抜く。

いずれにして危険な手術になる。

発育不良の当歳馬だった。

葉状条虫の大量寄生が引き起こした病気だと思われる。

当歳馬も秋になったら葉状条虫の駆虫が必要です。

2-3ヶ月に一度、葉状条虫に効果がある駆虫薬で駆虫しないと、回盲部重積や盲腸重積を起こしやすくなります。

                             ///////////

雪つもった。

オラおおはしゃぎ

 

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最終週

2016-12-27 | 日常

きょうは、午前中、競走馬の腕節chip fracture の関節鏡手術。

そのあと予定していた手術は、疝痛の急患でずらしてもらった。

疝痛馬は来院したらなんとなく落ち着いて、昼過ぎに帰って行った。

午後は、競走馬の腕節chip fracture の関節鏡手術。

雪が降り出し、本格的に積もった。

今年はじめてだ。

除雪、堆肥切り替えし、死んだ馬の搬出、に使っている重機は修理中。

明日の朝が思いやられる。

雪かきしないと、診療室への出入りもできず、診療できない。

                           -

ことしも最終週だが、午前も午後も手術予定が入っている。

大掃除する暇もない。

30日くらいは掃除しないと・・・・・

                         //////////////

冬至をすぎても朝の散歩はまだ暗く、

夕方はすっかり日が落ちてしまっている。

 

 

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現役競走馬の側頭骨舌骨関節症

2016-12-21 | 馬神経病学

現役競走馬が側頭骨舌骨関節症のようだ、という診断で戻ってきた。

来院すると、たしかに右耳が低く、鼻面が右側が不全麻痺している。

右眼瞼の反射はすこし弱い。

舌が右へ露出することがある。

X線撮影すると、側頭骨舌骨関節が大きく見える。しかし、これでは確定診断できない。

喉嚢に内視鏡を入れる。左は異常なし。右は、茎状舌骨が側頭骨との関節近くでかなり太くなっている。

間違いないだろう。側頭骨舌骨関節症だ。

この病気を知っていて、手術のために帰す判断をした関係者はたいしたものだ。

                           -

日をあらためて手術。

神経症状は少し良くなったようだ、とのこと。

しかし、病気の性質から言って、放置すれば悪化する。

症状が出たときには、すでに側頭骨は骨折しているのだ。

舌骨が動かないようにして、側頭骨が骨折を繰り返さないようにしなければ、脳神経はさらに大きな障害を受ける。

                            -

どういうわけか、喉から顎にかけて浮腫があった。

直腸粘膜も浮腫を起こしていた。

角舌骨を摘出するには正中ではなく患側を切開した方が良い。

ただし、そうすると底舌骨、角舌骨を見つけにくい。

この馬の舌骨は、少し太くなり、関節はかなり大きくなっていた。

なんとか、大出血させずに角舌骨を摘出することができた。

この手術方法はDucharme先生が考案された。

骨を1本抜き取ろう、なんて普通は考えられない。

つくづくすごい馬外科医であり、研究者だ。

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シャトゥーン ヒグマの森 (宝島SUGOI文庫) (宝島社文庫)
増田 俊也
宝島社

飛行機での時間つぶしに空港の本屋で買った。

時間つぶしには良かった。

劇画のような小説。

しかし、本当の怖さは、「熊嵐」にとおく及ばない。

ただ、自然や森については良い記述もあったかな。                          

 

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X線準備室の粘土は何に使う?

2016-12-17 | 蹄病学

X線準備室にはタッパーに入れた粘土が置いてある。

 

                       -                   

2ヶ月前、ひどい跛行になって、その後、徐々に良くなったが、完治しない、という当歳馬。

肩のX線撮影をして欲しいとの依頼。

どこも腫れたりしなかった、とのこと。

その朝、けっこう雪が積もって滑るので跛行診断は充分にできない。

走らせるのはあぶなそうだった。

しかし、私には左前肢の跛行に見えた。

肢を着けないほどの跛行だったのだから、飼い主さんはどの肢の跛行かわかっているはず・・・・・

聞くと右前だと言う。

担当の獣医師にも電話をかけて確認したら、右前肢の跛行だ、とのこと。

突発事故で肩を傷めたのなら、肩甲骨関節上結節の骨折を疑う。

立位でX線撮影するが異常なし。

蹄骨から、球節、腕節、肘、と撮影するが異常なし。

                             -

おかしい・・・・

鎮静剤を投与してしまったが、外へ出して雪がないところで走らせてもらう。

「左前だね」

あらためて診療室へ入れて左肩を撮影する。異常なし。

蹄鉗子で蹄を鉗圧してみる。

外側よりに痛みあり。

蹄をX線撮影したら、蹄骨骨折かも!と思う線状の透過域があった。

しかし、蹄叉側溝が写るのでそれと間違わないようにしなければならない。

斜位で撮ってみるが、かえって”骨折線”は不鮮明で、やはり蹄底のくぼみが重なる。

それで、蹄底を粘土で埋めた。

こうして撮影すると、蹄叉側溝や、蹄底のくぼみが写らないので読影しやすい。

間違いない。

蹄骨骨折だ。

斜めに撮っても蹄のくぼみによる透過域はなくなり、読影しやすい。

                          -

教訓。

・屋外での跛行診断は、天気と路面が良い日にやりましょう。

・粘土は蹄の撮影に役立ちます。

まあ、ほかにも教訓はあるけど、それは言うまい;笑

                        /////////////////

神戸へ3日間行って戻ってきた。

メールと、電話と、書類と、カルテで混乱する。

 

 

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師走

2016-12-17 | 講習会

今週、火曜は生産地疾病等調査研究の打ち合わせ会議。

月曜の前夜はその懇親会だった。

今週、木曜は獣医師会の講習会。

南保教授を講師に迎え、地元の獣医さん4名にも講演してもらって、馬の繁殖をテーマの講習会だった。

その前夜は、南保先生を囲んで懇親会。

金曜の夜は職場の忘年会だった。

夕方、疝痛の1歳馬が来て、当番2名は忘年会に参加できず。

おまけに夜中もまた開腹手術があったそうだ。

                      /////////

オラは朝から全開さ

 

 

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