3年前に左前肢の近位指節関節をLCPと5.5mmscrewで関節固定したクウォーターホースの繁殖雌馬8歳。
その後は2産した。今年は凍結精液で人工授精したけどとまらなかった。
左前は痛みがあって、ときどき強くなる。
蹄骨伸筋突起が折れている。
LCPの先が当たるというより伸筋腱が持ち上げられ、迂回させられることによって伸筋突起に負担がかかったのだろう。
そして、今は左後肢が痛い。
3年前にもこの肢にもPIPjointのDJD変形性関節症があり、いずれ痛くなるかも、と指摘していた。
その後、病態はかなり進行し、P2にも病的な変化が出てきている。
この馬、右前肢のPIPjointにも初期のDJD所見がある。
クウォーターホースは激しい運動をさせるのでPIPjointを傷めやすいのだと考えていたが、品種的にPIPjointにDJDが起こりやすいのかもしれない。
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左後は今や立派な趾骨瘤状態。
関節周囲の骨増勢はかなり進んでいて関節を開くのはたいへんそうなので、screw固定だけでいくことにした。
関節面には3.2mmドリルで5-6本ドリリングし、関節軟骨を壊して、関節癒合が促進されるのを期待する。
あとは、よく狙って、関節貫通screwとして5.5mm screwをLag screwとして入れていく。
screw先はほとんど出さない。出すと深屈腱に当たるから。
内外のscrewは、P2の底突起にしっかり効くように入れる。
screwを3本入れると、Xrayでも重なって位置や角度や長さを確認しづらい。
わざと斜めに撮って、screw先が飛び出していないことを確認する。
術後はhalf limb castを着けた。
4-6週間はキャスト固定しておきたい。
蹄葉炎に注意。
草だけしか食べていなくても太るクウォーターホース。
霜が降りた生草も糖質を貯えているので危険。
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激しい雨のあと虹が出た。
地平から地平へつながっている虹だった。