15日齢の子馬が上腕骨を折ったようだ、との連絡。
血統が良い雌の子馬なので、繁殖雌馬にするのでも良い、とのこと。
そう連絡をもらったら手術器具からスクリューから滅菌して待たなければならない。
電動ドリルTRSとプレート各種は滅菌しておいてある。
来院して馬運車のそばでX線撮影した。
外で日差しの中でモニターを見たのできれいな斜骨折に見えた。
「手術がうまく行けば繁殖雌馬にはなれるだろうし、競走馬になるのもあきらめたものではない」
と言ったのだけど、社長の判断はあきらめる、とのこと。
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解剖場で手術に準じてプレート固定のシュミレーションをしてみた。
しかし、fragments があって、厳しそうだった。
骨を取り出してみた。
メインの骨折線はよくある折れ方。
近位の頭側が長い斜骨折。
ただ、その伸びた部分が2つのfragmentsに割れてしまっていた。
ただでさえプレート固定が難しい上腕骨だ。
このfragmentsを3.5mm screw で留めておいて、単純な斜骨折にしておいてLCPで支柱性を持たせて・・・・
というのは難しいだろう。
完全な整復ができていないと支柱性が再建できないし、
double LCP (おそらく頭側にブロードLCP、外側に短いナローLCP) するために筋間をあちこち大きく分ければ術後の神経麻痺様の症状が強くなり、起立と横臥を繰り返さなければならない新生子馬の生活に問題が起こる。
それが、また内固定の崩壊につながる。
あきらめるのが正解だっただろう。
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馬房内での事故のようだった。
特別うるさい母馬ではないようだったが、それがサラブレッドなのだ。
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先日、某スキー場へ出かけた。
どういうわけか、ずっとヘリが二機、スキー場の上を舞っていた。
救助訓練なのだろうと思ったら、バックカントリーへ出たスノーボーダーが行方不明になっているとニュースで知った。
別なスキー場では、逆エッジで頭を打ったスノボの女子学生が亡くなった。
スキー・スノボの人口はずいぶん減っているらしいのだけど。
大きなスキー場では外国人スキーヤー・スノーボーダー・雪遊び観光客が多い。
そして、バックカントリーに出た外国人の遭難騒ぎも増えている。