朝、月に1度の所内ゼミナール。
研修に来ているG先生に、組織、日常、症例などを紹介してもらった。
もうひとつは馬の去勢の疼痛抑制について。
所内ゼミなので獣医師5名全員出勤し、研修の先生を含めて獣医師6名が参加。
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EEで喉頭蓋が萎縮変形してしまっている馬。持続的DDSPにもなっている。
あとはできる方法はTieforward しかない。
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電話で、「分娩3日目の繁殖雌馬が疝痛で、心拍も速く、口粘膜の色調もよろしくない」との依頼。
こちらは午後1時に去勢、午後2時から関節鏡手術の予定が入っている。
それで午後2時半に来て下さい、と言った。
それなら関節鏡手術の後半に診断して、開腹手術の適応かどうか判断できるのがちょうど関節鏡手術の終わり頃になる・・・・
「痛いんですけど」との返事。
じゃあ、すぐ来て下さい。
でも管外の牧場で、来るのに2時間はかかる。
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午後1時の去勢予定の馬は来院したら心音がひどくおかしい。
心内雑音なのだろうが、Ⅰ音とⅡ音の間などというものではない。
弁膜症で心機能低下が疑われる。
とてもそのまま鎮静剤投与したり全身麻酔できる状態ではない。
あらためて心エコー検査が必要だが、疝痛馬も来院した。
去勢予定はキャンセルして帰ってもらう。
(鎮静剤は心臓・血管に大きく作用する。
健康な馬だと思っていても、鎮静剤投与する前には必ず心音聴診すべきだ。)
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疝痛馬は子馬と一緒にやってきた。
口の粘膜は赤い。脱水だ。心拍80。
PCV60超。WBC4300/μl。
超音波で小腸の膨満と腹水増量が見えた。
子宮に手を入れた獣医師が子宮穿孔を確認した。
どうする?
手術して間に合うか?
全身麻酔に耐えられるか?
腹膜炎を抑えこめるか?
本当に子宮穿孔だけか?
18歳だが血統が良く、産駒の成績も良いという繁殖雌馬。
代わりに乳母を用意するなら100万近い費用がかかる。
「状態は悪いですけど、やるだけやってみますか?」 飼主さんに説明する。
術前に高張食塩液を投与する。全身麻酔を始める前に循環血液量を確保しておきたい。
鼻から胃液が逆流し始めた。
胃カテーテルを入れたら、10リットルほど胃液が抜けた。
to be continued
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ときどき雪が降る。
日中は融ける。
でもまた凍る。