馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

冬の休日、相棒と

2016-01-29 | ワンコ修行

冬の休日、相棒と雪遊びして、海まで歩いて来た。

雪がまぶしい。

見事な走り方をするんだけど、一瞬をとらえると妙だね。

若いね~

うひゃ~

冷たくないのかね。  

 

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疝痛・慢性貧血・副鼻腔蓄膿・「繋靭帯炎」・大腿骨骨嚢胞・球節腫瘤摘出

2016-01-29 | 日常

朝、、繁殖雌馬の疝痛。

前日から発汗が続き、疝痛なのだが、転がることも寝ることもしない。鈍痛。

腸閉塞があるのかどうかも判断できない。

様子を観てもらうことにする。

                       -

慢性貧血の競走馬。

どうやら血小板減少症のようだ。

口粘膜は貧血と黄疸、わずかに点状出血がある。

腹腔・胸腔を超音波スキャンしたが、腹腔リンパ肉腫は否定、縦隔型リンパ肉腫もほぼ否定。

肝・腎にも異常認めず。

肺胸膜面には小さなコメットテールが散在している。小出血巣の可能性大。

血小板数の割りに貧血が進んでいるので自己免疫性というより骨髄の問題か・・・・

やってみるならステロイド治療かと思うが、競走馬だし、フレグモーネ持ちだ。

                        -

「鼻がブーブー鳴る」1歳馬。

「当歳馬のときに顔を蹴られた」と聞いていたので、鼻中隔の変形かと思っていたが、

顔が腫れている。

副鼻腔蓄膿だ。

X線撮影で副鼻腔に完全なくもりがあるのを確認した。

しかし、後上顎洞ではない。

後上顎洞をドリルで穿孔したら血様漿液が流れ出てきたが、膿は出ない。

前頭洞をドリル穿孔したら、血様漿液だけでなくクリーム状の膿が付いて来た。

管を入れて洗浄したら、鼻孔から膿が大量に流れてきた。

                        -

かなり洗ったところでx線撮影しなおしてみた。

くもりがあった部分の半分のくもりが消えている。

部屋の底に溜まった膿はまだ完全には洗えていないのだろう。

これから何日か洗浄を続ける必要がある。

それで感染と炎症が治まり、ゆがんでしまった副鼻腔や中隔が正常な形に近づけばいいのだけど。

                        -

美浦から帰る途中に時間指定して「繋靭帯」を検査しに立ち寄らされた競走馬。

輸送途中ではなく、日をあらためて、今までの経過をはっきりさせて、その上で来院しないと跛行診断もできない。

                        -

午後は2歳育成馬の大腿骨骨嚢胞のスクリュー固定。

「ついでに」球節の切開沈着をともなう異常組織を摘出した。

ガングリオンや滑液腫ではなく、珍しい。

徐々に大きくなってきていたとのこと。

再発しなければいいのだが。

                        -

いっぱいやったが、5時には終わる。

痛む肘をアイシング。

明日はローテーションをはずれ、登板(当番)なしだ;笑

                      /////////////

晴れて、日中は陽射しにわずかな暖かさを感じる。

明日は何して遊ぶ?

 

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暖冬・少雪と言われた1月の1日

2016-01-27 | 日常

暖冬だと言っていてもすっかり寒くなったし、

降らないね~と言ってたら、ついに積もった。

それでも、除雪しておけば日中はかなり融けてくれる。

                          -

診療も例年1月はなんだかんだとある。

正月休みを交代でとりながら、「年が明けたらやりましょうね。」となっていた手術をこなさなければならないし、

そろそろ妊娠末期の異常も増えてくるからだ。

この暮れから1月は、年末に疝痛開腹がバタバタとあったが、1月はとてもslowだった・・・・・ 

                           -

きのうも、午前中は陰睾の去勢だけ。の予定になっていた。

前日の夕方、1歳馬の下顎骨折の予定をその後に入れた。

朝、繁殖の疝痛の依頼。

下顎骨折をスクリューとワイヤーで固定する手術の後に診察したら、間欠的にかなり痛い。

開腹したら予想通り腸間膜ヘルニアだった。

吸入麻酔をかける手術があわただしく3頭続いたせいか疲れてしまった。

春になったらこんなもんじゃすまないんだけど、ね。

                           -

遅い昼食のあと、症状が再発した2歳馬大腿骨ボーンシストのショックウェーヴ治療と病巣内トリアムシノロン注入。

大腿骨ボーンシストは大きな問題だ。

診断できず、笹針でもうってごまかしていた休ませていた時代の方が、人も馬も楽でしあわせだったかも、などとマイナスな考えが浮かんだりするが、

いやいやそんなことはない。

原因を考え、予防方法を探り、治療方法を試していく。それが私たちの責任だ。

もう私はバトンタッチしたいけど;笑

                          -

全身麻酔を4頭かけて、去勢、骨折内固定、腸管手術、関節穿刺とやっても5時前には終わった。

 

 

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腕節のガングリオンganglion あるいは滑液腫hygroma

2016-01-24 | その他外科

以前に診せられた腕節が腫脹した明け2歳馬。

手術して摘出するしか治す方法はないと伝えたが、そのことを理解してもらって納得ずくでやった方が良い。

その間に、炎症は治まり、自然治癒する範囲では小さくなった。

吸入麻酔して手術台上で仰臥位にする。

感染させないように細心の注意を払わなければならない。

袋状になっている組織を破らずに取り出したい。

死腔が残らないように丁寧に縫合しなければならない。

関節鏡手術で骨片を摘出するより時間がかかる。

腱鞘や関節を穿孔したくない。もしつながっていたら、大きな穴にせず縫合して閉じる。

取り出した結合織の塊。

ちゃんと袋になっている。

温存しては治らないし、切開して中を搔爬して袋状ではなくっても塊が残り、きれいな治り方はしない。

                              -

1時間以上かけて摘出し縫合した。

あとは馬がかじったり、腕節を突いた牛の様な立ち方をしなければうまく治るはず。

                              -

この馬はぶつけて血腫ができたことでこうなったらしい。

立ち上がり方がヘタだったこととも関係したのだろうと思う。

関節腔や腱鞘とはつながっていなかった。

関節腔や腱鞘とつながっていないからganglionではないとか、漿液豊富ではないからhygromaではないとか言うのはヘンだろう。

同じようにできて関節腔や腱鞘とつながっていたりするし、早い時期には血様漿液が豊富に入っていたはずだ。

                            ///////////

軽くてよく飛ぶボールだとおもっていたら、中はゴムボールだった。

袋状組織であることが重要なんだからね。

パンクさせるなよ。

 

 

 

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非競走馬の第一指骨・趾骨不完全骨折

2016-01-22 | 学問

以前に障害飛越競技馬の第一指骨骨折の症例について書いたことがある。

乗馬は、競走馬に比べて骨折事故は少ないが、第一指骨・趾骨は折れてしまうことがある。

障害飛越からの着地や、狭い馬場での回転運動が要因になるのだろう。

そして、X線撮影では見つけにくい不完全骨折が前駆病変としてあり、無理をしてとひどい骨折へと悪化しているというパターンもありうる。

Veterinary Surgery 44 (2015) 809-815

Radiographic and Computed Tomographic Configuration of Incomplete Proximal Fractures of the Proximal Phalanx in Horses Not Used for Racing

競走に使われない馬の基節骨の近位部不完全骨折のx線画像とCT上の形態

この文献の、知見のひとつ。

第一指骨(前肢基節骨)の近位部の不完全骨折は、第一趾骨(後肢基節骨)のそれより明らかに背側によっていた(上図)。

後肢第一趾骨の近位不完全骨折の横断面CT像。

骨折線は底側皮質を貫いており、骨の底側に軽度の骨膜反応がある。

染色体様に2重になった骨折パターンは、軟骨下骨の軽度の硬化に囲まれた近くの骨に囲まれている。

                             -

海外ではCTの臨床応用が進んでいて、x線撮影では診断しにくい不完全骨折が診断できるようになっている。

正中の縦骨折でもどの位置にスクリューを入れるべきかの根拠になる。

第一指骨・趾骨はいろいろな折れ方・割れ方をするので、骨折「線」を正しく把握しておきたい。

CTがなくても、CTにより蓄積されたデータを知っておくことは、スクリューの位置の指針になる。

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那須での2月8日は第一指骨の縦骨折の実習もしてもらおうと準備している。

日本の乗馬でも指骨・趾骨骨折が診断され、手術して治るようになるために、乗馬の獣医さんにも参加してもらいたい。

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年末に骨折して、年が明けてゆっくりしてから帰されてきたらしい競走馬。

中足骨外顆の骨折だったが、スクリュー2本で締めたら骨折線は圧迫できた。

中手骨外顆骨折をスクリュー1or2本で内固定するなら、静脈麻酔で、あるいは立位でできるんじゃないかとも思うが、

それは全身麻酔下での充分な経験があっての話かもしれない。

そして、キャストを巻いて、安全に立たさなければならない。

思えば遠くまで来てしまったのかもしれない・・・・・・と遠い目;笑

 

 

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