礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

初期の紀伊國屋新書

2015-06-21 09:00:42 | コラムと名言

◎初期の紀伊國屋新書

 昨日、某書店の二冊一〇〇円のコーナーで、杉本つとむ著『近代日本語』(紀伊國屋新書、一九六六)を入手した。この本を手にして、初期の紀伊國屋新書は、パラフィン紙カバーの装丁であったことを思い出した(のちに、ビニールカバーがつくようになる)。
 巻末、奥付の次ページに、「紀伊國屋新書既刊」というものがあった。本日は、これを紹介してみよう。

――――――――紀伊國屋新書既刊――――――――
世紀末芸術*  高階秀爾      新劇の誕生* 石沢秀二
英語・日本語* 空西哲郎      地域の科学* 笹田友三郎
少年非行    樋口幸吉      「喪失の世代」の文学* 石一郎
シベリアの歴史* 加藤九祚     新しい医学への道* 高橋晄正
人類の染色体* 牧野佐二郎     現代独占と経済成長* 安部一成
日本の象徴詩人* 窪田般弥     香料の歴史* 山田憲太郎
日本人のパーソナリテイ*      ジュイムズ・ジョイス* 桶谷秀昭
     世良正利            東京の自然史 貝塚爽平
市場調査* 中原勲平        トルコの歴史* 三橋冨治男
短詩型文学論* 岡井・金子     電子計算機* 小野勝章
ソヴェート教育紀行* 悔根悟    歴史のみかた* 茅野良男
娯楽映画* 福田定良         集団育児* 下出智子
海の物理学* 南日俊夫       オランウータンの島*
言語と文体  魚返善雄             岡野恒也
自殺* 中村一夫          映画学* 浅沼圭司
インドの説話* 岩本裕       都市デザイン 黒川紀章
毒矢の文化* 石川元助       サルトルとマルクス主義
アイスランド* 山室静            竹内芳郎
演技* 戸井田道三         アフリカの創世神話 阿部年晴
スモッグ* 伊東彊自        近代化と道徳  小川弘
進化学入門* 徳田御稔       ヨーロッパ美術紀行 坂崎乙郎
サルトルの文学 鈴木道彦      現代映画の起点 冨士田元彦
エイゼンシュテイン* 山田和夫   聴力と言語障害 神山五郎他
気象と人間* 姉山恵三       ビートジェネレーション 
住宅建築 篠原一男              諏訪優
ペルシアの詩人* 蒲生礼一     慕末の社会史  工藤恭吉
芸術と疎外  杉山康彦       映像と言語  近藤耕人
占星術* 中山茂          近代中国史  蔵居良造
大衆文学* 尾崎秀樹        愛の思想史  伊藤勝彦
教育工学* 西本三十二       戦後詩  寺山修司
         西本洋一        宇宙科学  福島直
労働の歴史* 三浦豊彦       ドラマトゥルギー 山内登美雄
中国のこども* 川合章       近代日本語  杉本つとむ
日本の子守唄* 松永伍一      日本の薬学  辰野高司
イスラム法入門* 遠峰四郎
――――――――――――――――
全篇定価300円 *印は250円

 これらのうち、小川弘著『近代化と道徳』(一九六五)には、思い出がある。最初に買った紀伊國屋新書だったからである。地味なタイトルの本だが、内容はなかなかユニークだったように記憶する。この本によって私は、初めて、マックス・ウェーバーという思想家とその考え方に接したのであった。 

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