住職のひとりごと

広島県福山市神辺町にある備後國分寺から配信する
住職のひとりごと
幅広く仏教について考える

郵政民営化法案が否決された

2005年08月12日 18時47分15秒 | 時事問題
郵政民営化法案が否決された。当日たまたまお盆参りから帰りテレビで参院の賛否討論と採決を目の当たりにした。議員が壇上に上がり一人一人票を入れていく姿が映し出され、白票青票がカウントされていた。これまでこんな場面を観たことがない。それだけ大事なシーンだったのだろう。

この採決から二日目の新聞には一斉に世論調査がトップの紙面を飾っていた。解散に対する理解を示す世論が過半数を占め、郵政民営化法案への支持を表明する者が半数近くを占め、反対派を凌いでいるとあった。このところの内閣支持率を調べる世論調査の数字も40数パーセントが小泉政権を支持するとあるのと同様に、本当だろうかと疑いたい。サンプルを操作することなど至極簡単なことだと思えるからだ。おそらくアメリカ大統領選挙でしたのと逆に、自民党支持基盤の多い地域年齢職業などを選別した上での結果ではないかと思う。

どこへ行っても政治に対する意見を聞くようにしているが、この2年ばかりは小泉氏を支持するという人に会ったためしがない。かつての大本営発表とは言わないが、それに近い操作又は捏造があったとしてもおかしくはない。それほどまでに現在の日本のマスコミはおかしい。ニューズウィーク誌の特集にあったとおりだ。

誰のための報道だろうか。何を目的に新聞やテレビがあるのか。私はしばらく前から殆どテレビを観ない。先日もNHKの何かのアンケートに協力してくださいと言って係の人が来たが、テレビを一日に5分も見ないと言ったら結局殆どの項目を該当無しということになってしまい帰って行った。テレビなど観たいとも思わない。なぜなら、明らかに日本国民を愚鈍化するためにあるように思えて仕方ないからだ。ニュースや政治関連番組にしても全く意図的に操作された形跡があると思える。多少の教養番組のみ見る価値があると言えようか。

本題に入ろう。今海外のメディアではこの度の郵政民営化法案の否決をどのように報道しているのかということだ。森田実氏のサイトでは、ウォールストリートジャーナルに「日本の郵政民営化法案は廃案になったがこれは手取りの時期が少し延びたに過ぎない。ほんの少し待てば我々は3兆ドルを手に入れることが出来る」との見方が掲載されているという。さらには、ウォール街は小泉自民党を大勝利させるために日本国民をマインドコントロールするための多額の広告費を投入している、それも日本の在京テレビ局に対してであるとまで書かれている。

また別のサイトによれば、ファイナンシャルタイムズにも同様のことが書かれているとのことだ。何も知らされていないのは当の日本人だけで外人たちはみんなこの度の郵政民営化の意味するところを知り尽くしているということなのだ。国債を何とか買い支えてきた郵貯簡保資金がみんな外へ出て行ってしまい、終いにはなくなってしまうことであろう。戦後60年丸々太らせてあげたのだから少しおいしい肉を切り取って喰わせなさいと言われているのも同然なのだ。みんな私たち日本人庶民の汗の結晶なのに。

私たちは外からの見るもの聞くもの読むものに少なからず影響される。間違いのないものを見て聞き読む必要がある。何が自分にとって必要か、何を正しいと思うか、間違いないと思えるか、その人の一生の間にはかなりの大きな違いが生じることであろう。つまらない番組を見てつまらない時間を過ごしつまらない人生を送ってはならない。つまらない人生を送る国民が多ければ多いほどその国は疲弊する。

私たちは自分の中に入ってくる情報を正に厳選に選別した上で取り入れることが特に今の時代不可欠なことだと思う。余りにも情報過多であり、その内容の質が劣悪である事は周知の事実であるからだ。何が正しいのか、今正にそれを見抜く目を養う必要に私たちは迫られている。
コメント (9)
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