「毎日が夏休み」 1994年 日本
監督 金子修介
出演 佐野史郎 佐伯日菜子 高橋ひとみ
益岡徹 黒田福美 上田耕一
石井トミコ 小野寺昭 風吹ジュン
ストーリー
東京郊外の新興住宅地に住む林海寺家は義父・成雪(佐野史郎)、母・良子(風吹ジュン)、中学2年の娘・スギナ(佐伯日菜子)の3人家族。
母も父も再婚同士の言わばスクラップ家族なのだが、父は一流企業のエリート・サラリーマン、娘は名門女子中学の優等生と近所でも評判。
だが、実はスギナはいじめにあって登校拒否、成雪も出社拒否をしていたことが分かり大騒動になる。
母の心配をよそに、成雪は娘の教育に目覚め、いつも一緒にいるためにも自宅で「何でも屋・林海寺社」という会社を開業する。
掃除や料理の仕方もロクに知らない義父に新鮮さと親近感を覚えるスギナに対し、良子は実父・江島(小野寺昭)や成雪の前妻・紅子(高橋ひとみ)にまでDMを送る成雪の無神経さにショックを受ける。
彼女は自分が働こうとクラブのホステスになるが、過労で倒れてしまった。
紅子とも知り合い、江島とも再会したスギナは、義父から学校では得られないような素晴らしい個人授業を受け、忙しくも充実した日々を過ごす。
スギナは義父から自分が家族にとって必要な人間であることを告げられ自信を取り戻す。
一方の成雪も、スギナとの生活や紅子のマンションの火事騒ぎをきっかけにエリート生活の中で失っていた人間らしさを取り戻す。
母も徐々に自活生活に馴れていっているようだったが、過労と成雪の事故のショックで倒れてしまう。
そんな中でスギナは義父とのまるで夏休みそのもののような自由と喜びの日々を経て大人になっていった・・・。
寸評
定年を迎えると毎日が日曜日というような生活なのだが、これが結構忙しい。
趣味の世界もあるし、町内のボランティア活動もあるし、毎日が日曜日の昔仲間との交流も盛んになり、会社勤めの時とは違った充実感がある。
私は会社での生活は満たされていたし、好きなこともやらせてもらえたように思っているので不満はない。
従って会社を辞めたいと思ったことがないのだが、林海寺成雪は若くして立派な会社の次長までなっていたが、会社の方針と会わないと辞めてしまっている。
会社の方針というより、周りの人間がくだらなく思えて辞めたようだ。
しかし世の中の大抵の人間は家庭を守る必要からそれぐらいのことでは辞めたりしない。
成雪は離婚しているから人間関係の構築は不得手だったのかもしれない。
娘のスギナはイジメられている子をかばったばかりに自分がイジメられることになり登校拒否となっている。
親には内緒で、登校したフリをして公園で弁当を食べているのだが、登校拒否をしている暗さもつらさも感じさせない明るい女の子である。
母親も離婚していて、いわゆる連れ子なのだが義父の成雪とは上手くいっている。
この家族は両親が離婚経験者だから、スギナを含めそれぞれにキズがあり、スギナに言わせればスクラップ家族ということになる。
この映画は家族の再生物語であり、スギナの成長物語でもあるのだが、滑稽なコメディタッチの作品でもある。
これが映画デビュー作となる佐伯日菜子の話し方、佐野史郎の現実離れした会話がそれに拍車をかける。
「お前が必要だ」と言われ、佐伯日菜子のスギナがスキップするシーンは、こちらまで嬉しくなってくる。
成雪は会社でそんなことを言ったことがないのだろう。
会社だけではなくて、私生活でもそのような気持ちを表したことがない。
離婚原因もその気持ちを妻に伝えられなかったからだ。
それでも別れた人との楽しかった時の思い出だけは残っている。
今の生活が満たされていなければいないほど、あの時は良かったの気持ちが拭い去れないのだろう。
紅子は成雪との思い出の品を後生大事に持っているから、多分、紅子は新しい生活も上手くいかなかったのだと思われる。
良子は夫の勝手な行動にあきれて自活しようとするが、専業主婦が向いていると思われる女性だ。
女性活躍が叫ばれているが、専業主婦に能力を発揮する女性もいるということだろう。
成雪は前妻に案内状を出しているし、良子は前夫に借金を申し込んでいるなど滅茶苦茶な人間関係なのだが、作風からそれも特段に違和感を感じさせていない。
ロマンポルノ出身の金子修介は平成ガメラシリーズを除いた通常ドラマにおいて、ぼくが食指を動かしたくなるような作品を撮っていないのだが、その中では本作が僕の感性に合う作品となっている。
しかし、毎日が日曜日より、毎日が夏休みの方が何だか充実感が感じられる。
学校に行かなくてもいいと言う事ではないがネ・・・。
監督 金子修介
出演 佐野史郎 佐伯日菜子 高橋ひとみ
益岡徹 黒田福美 上田耕一
石井トミコ 小野寺昭 風吹ジュン
ストーリー
東京郊外の新興住宅地に住む林海寺家は義父・成雪(佐野史郎)、母・良子(風吹ジュン)、中学2年の娘・スギナ(佐伯日菜子)の3人家族。
母も父も再婚同士の言わばスクラップ家族なのだが、父は一流企業のエリート・サラリーマン、娘は名門女子中学の優等生と近所でも評判。
だが、実はスギナはいじめにあって登校拒否、成雪も出社拒否をしていたことが分かり大騒動になる。
母の心配をよそに、成雪は娘の教育に目覚め、いつも一緒にいるためにも自宅で「何でも屋・林海寺社」という会社を開業する。
掃除や料理の仕方もロクに知らない義父に新鮮さと親近感を覚えるスギナに対し、良子は実父・江島(小野寺昭)や成雪の前妻・紅子(高橋ひとみ)にまでDMを送る成雪の無神経さにショックを受ける。
彼女は自分が働こうとクラブのホステスになるが、過労で倒れてしまった。
紅子とも知り合い、江島とも再会したスギナは、義父から学校では得られないような素晴らしい個人授業を受け、忙しくも充実した日々を過ごす。
スギナは義父から自分が家族にとって必要な人間であることを告げられ自信を取り戻す。
一方の成雪も、スギナとの生活や紅子のマンションの火事騒ぎをきっかけにエリート生活の中で失っていた人間らしさを取り戻す。
母も徐々に自活生活に馴れていっているようだったが、過労と成雪の事故のショックで倒れてしまう。
そんな中でスギナは義父とのまるで夏休みそのもののような自由と喜びの日々を経て大人になっていった・・・。
寸評
定年を迎えると毎日が日曜日というような生活なのだが、これが結構忙しい。
趣味の世界もあるし、町内のボランティア活動もあるし、毎日が日曜日の昔仲間との交流も盛んになり、会社勤めの時とは違った充実感がある。
私は会社での生活は満たされていたし、好きなこともやらせてもらえたように思っているので不満はない。
従って会社を辞めたいと思ったことがないのだが、林海寺成雪は若くして立派な会社の次長までなっていたが、会社の方針と会わないと辞めてしまっている。
会社の方針というより、周りの人間がくだらなく思えて辞めたようだ。
しかし世の中の大抵の人間は家庭を守る必要からそれぐらいのことでは辞めたりしない。
成雪は離婚しているから人間関係の構築は不得手だったのかもしれない。
娘のスギナはイジメられている子をかばったばかりに自分がイジメられることになり登校拒否となっている。
親には内緒で、登校したフリをして公園で弁当を食べているのだが、登校拒否をしている暗さもつらさも感じさせない明るい女の子である。
母親も離婚していて、いわゆる連れ子なのだが義父の成雪とは上手くいっている。
この家族は両親が離婚経験者だから、スギナを含めそれぞれにキズがあり、スギナに言わせればスクラップ家族ということになる。
この映画は家族の再生物語であり、スギナの成長物語でもあるのだが、滑稽なコメディタッチの作品でもある。
これが映画デビュー作となる佐伯日菜子の話し方、佐野史郎の現実離れした会話がそれに拍車をかける。
「お前が必要だ」と言われ、佐伯日菜子のスギナがスキップするシーンは、こちらまで嬉しくなってくる。
成雪は会社でそんなことを言ったことがないのだろう。
会社だけではなくて、私生活でもそのような気持ちを表したことがない。
離婚原因もその気持ちを妻に伝えられなかったからだ。
それでも別れた人との楽しかった時の思い出だけは残っている。
今の生活が満たされていなければいないほど、あの時は良かったの気持ちが拭い去れないのだろう。
紅子は成雪との思い出の品を後生大事に持っているから、多分、紅子は新しい生活も上手くいかなかったのだと思われる。
良子は夫の勝手な行動にあきれて自活しようとするが、専業主婦が向いていると思われる女性だ。
女性活躍が叫ばれているが、専業主婦に能力を発揮する女性もいるということだろう。
成雪は前妻に案内状を出しているし、良子は前夫に借金を申し込んでいるなど滅茶苦茶な人間関係なのだが、作風からそれも特段に違和感を感じさせていない。
ロマンポルノ出身の金子修介は平成ガメラシリーズを除いた通常ドラマにおいて、ぼくが食指を動かしたくなるような作品を撮っていないのだが、その中では本作が僕の感性に合う作品となっている。
しかし、毎日が日曜日より、毎日が夏休みの方が何だか充実感が感じられる。
学校に行かなくてもいいと言う事ではないがネ・・・。
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