「り」は
2020/7/12の「利休」から「陸軍」「リップヴァンウィンクルの花嫁」「リトル・ダンサー」「理由」「竜二」「理由なき反抗」「「竜馬暗殺」「リリイ・シュシュのすべて」「リンダ リンダ リンダ」
2022/1/1の「リアリズムの宿」から「リオ・グランデの砦」「リバー・ランズ・スルー・イット」「リボルバー」「猟奇的な彼女」でした。
今回は続きを少しばかり。
「リオ・ブラボー」 1959年 アメリカ
監督 ハワード・ホークス
出演 ジョン・ウェイン ディーン・マーティン リッキー・ネルソン
アンジー・ディキンソン ウォルター・ブレナン ウォード・ボンド
ジョン・ラッセル クロード・エイキンス ハリー・ケリー・Jr
ペドロ・ゴンザレス=ゴンザレス
ストーリー
所はメキシコとの国境に近いテキサスの町リオ・ブラボー。
保安官のチャンス(ジョン・ウェイン)は、殺人犯ジョー(クロード・エイキンス)を捕えた。
しかし、ジョーの兄バーデット(ジョン・ラッセル)はこの地方の勢力家で、彼の部下に命じて町を封鎖したため、チャンスはジョーを町から連れ出すことも、応援を頼むことも出来なかった。
チャンスの味方は、身体の不自由なスタンピイ老人(ウォルター・ブレナン)と早射ちの名人デュード(ディーン・マーティン)の2人だった。
町を封鎖されたため、若い美人のフェザース(アンジー・ディッキンソン)や、チャンスの親友パット(ウォード・ボンド)も外へ出られなかった。
パットは燃料やダイナマイトを輸送する馬車隊を、護衛のコロラド(リッキー・ネルソン)と一緒に指揮していた。
チャンスはフェザースがホテル・カシノでイカサマ賭博をしていると知らされ、彼女を尋問したが、コロラドの証言でフェザースは無罪となった。
チャンスはフェザースの不幸な身の上を知り、なにかと世話をしてやったのを機会に、2人の仲は接近した。
パットはチャンスに協力した為に、パーデットの雇った殺し屋に射ち殺された。
ある日、デュードはバーデッドの配下に、不意をつかれて捕まってしまう。
バーデットはチャンスに、ジョーとデュードを交換しようと申し込んだ。
チャンスは周囲の状況から、それを承諾せねばならなかった。
翌朝、2人を交換することになったが、デュードはスキをみてジョーに飛びかかったのを機に両者の凄烈な射ち合いが始まった。
寸評
ジョン・ウェインの一人舞台といった作品ではなく、それぞれが持ち味を出して見せ場を盛り上げていく。
人物設定も面白くて、その中でもディーン・マーティンがアル中の保安官助手を好演している。
ひげは伸び放題、だらしなく着たシャツはよれよれという惨めな姿のディーン・マーティンが酒場に登場して映画は始まる。
そこでアル中のマーティンをからかうことから争いが起こり、丸腰の男がいとも簡単に射殺される。
この導入部などはテンポがよく、J・ウェインの登場からその身のこなしまでもが実に手際よく描かれる。
ライフルを振り回して相手を殴り倒すウェインは本当に西部劇スターだなあと感心させられる身のこなしだ。
立派な体格のJ・ウェインが体を揺らしながらのっしのっしと歩く姿が何とも言えず、決して身軽な動きをしないのだが、その一挙手一投足がJ・ウェインなのだ。
決して演技が上手いとは思えないが、誰よりも雰囲気を醸し出せた西部劇スターだと感じさせるものがある。
若いリッキー・ネルソンも得な役回りで、カードのいかさまを見抜く場面や、スゴ腕らしいのだがそのガンプレイを中々見せないでおきながら、ピンチの保安官を助けるシーンでやっと早や撃ちを披露するなど、おいしい所を頂いている。
ディーン・マーティンとリッキー・ネルソンが出ていて唄わないなどという手はなく、1時間45分ぐらいたったところで二つの歌が用意されている。
保安官事務所でリッキー・ネルソンがギターを弾きながらディーン・マーティンが歌い、やがて二人でデュエットした後にリッキー・ネルソンのソロがあるというファンサービスの一環としてのシーン。
殺伐とした話の中でホッコリするシーンとなっている。
そもそもこの作品は殺人犯のジョーを連邦保安官に引き渡すため、その到着を待ち続けているだけの話の中に、ディーン・マーティンのアル中の症状や、アル中から抜け出そうとする姿などが描かれ話を膨らませている。
スタンピーが自分の牧場をバーデットに乗っ取られていたことで、スタンピーが老人ながらも強硬路線をとることを納得させ、後にピンチながらも敵を倒す伏線になっていた。
この時のスタンピーはなかなか格好いい。
スタンピー役のウォルター・ブレナンも儲け役だった。
女賭博師のアンジー・ディキンスンのお色気と、J・ウェインの恋の色取りも物語りに花を添え、アンジー・ディキンスンのタイツ姿なども披露され、西部劇は男の映画だと思わされる。
スタンピー役のブレナンのかすれた怒鳴り声も印象的。
この映画を見直すまで、一番記憶に残っていたのは彼のそのしわがれた叫びだった。
見直すと、本当に盛りだくさんの見せ場で覆われている事に改めて感心させられた。
最後のガンファイトはダイナマイトで決着がつくが、しかし本当に当時はあんな銃の名手がいたのだろうか?
なにせ投げたダイナマイトを1発で命中させていってしまうのだ(マーティンが2発使いからかわれるオチがある)。
いまならオリンピックのライフル射撃競技で金メダル級だろう。
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