おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

月に囚われた男

2022-11-14 07:24:59 | 映画
「月に囚われた男」 2009年 イギリス 


監督 ダンカン・ジョーンズ                         
出演 サム・ロックウェル ミニク・マケリゴット    カヤ・スコデラーリオ
   ベネィクト・ウォン マット・ベリー マルコム・スチュワート
   ケヴィン・スペイシー(声)      
        
ストーリー
近未来。地球のエネルギーは底をつき、新たな燃料源を38万キロ彼方の月で採掘することになった。
“ルナ産業”の従業員サム・ベル(サム・ロックウェル)は燃料源採掘のため、たった一人で月に派遣される。
会社との契約期間は3年。
地球との直接通信は許されず、話し相手は一台の人口知能ロボットのガーティ(声:ケヴィン・スペイシー)だけであった。
孤独な任務が続く中、地球で彼の帰りを待つ妻と子供への思いがサムの心を支えていた。
そして任務終了まで2週間を切ったある日、サムは自分と同じ顔をした人間に遭遇する。
果たして単なる幻覚なのか……。
やがて彼の周りで奇妙な出来事が起こり始める……。


寸評
宇宙でコンピュータと会話しながら作業を行うと言えば、あの名作「2001年宇宙の旅」を思い起こす。
2001年はHALという名のコンピュータだったが、今回主人公サムの話し相手になるロボットはガーティ。
なにやら何となく挙動も不審でもしかすると、これは「2001年宇宙の旅」と同様にコンピュータが反乱を起こすのかも知れないと期待(?)して見ていたがどうやらそうではなさそうだと感じてくる。
舞台となるのは宇宙空間ではなく月で、ほとんどが基地内のシーン。
時折掘削を行うシーンが描かれるが、たった一人月面で作業を行うサムの孤独や焦燥感を通して異様な緊張感がある。
まもなくサムが事故にあい目覚めてみると、彼は自分とそっくりのもう1人のサムに会う。
いったいなぜこんなことになったのか。
何が起きているのか。
少し哲学めいたところもあって、そんなところも「2001年」を髣髴させた。
彼を雇ったルナ産業という会社による企みが少しずつ明らかになっていき、監視の目の届かぬところで企業がいかに労働者を虐待しているのかが描かれる。
結局それが描きたかったのかも知れない。
サムは普通に行動していて重力の変化による影響を全くといっていいほど受けていない。
なんだか月にいるような感じがしなのがあえて言えば少し物足りない部分だったような気がする。
でもCGを駆使したドンパチSFよりは格段に出来が良かった。


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