おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

ストリート・オブ・ファイヤー

2019-08-27 15:00:24 | 映画
「ストリート・オブ・ファイヤー」 1984年 アメリカ


監督 ウォルター・ヒル
出演 マイケル・パレ
   ダイアン・レイン
   ウィレム・デフォー
   リック・モラニス
   エイミー・マディガン
   リック・ロソヴィッチ
   ビル・パクストン
   デボラ・ヴァン・フォルケンバーグ

ストーリー
リッチモンド生まれのロック・クイーン、エレン・エイムがアタッカーズを引き連れて凱旋して来た。
ロック・コンサート会場は熱気に包まれ、ピークに達しようとしていたその時、ストリートギャングボンバーズのリーダー、レイヴェンが手下を指揮してステージに乱入、エレンを連れ去った。
その夜、レストランで働くリーヴァは弟のトム・コーディに手紙を出した。
トムはエレンのかつての恋人で、彼女の危機を知れば弟が街に戻ってくることをリーヴァは知っていた。
数日後、ロングコートに身を包んだトムが帰ってきた。
彼はボンバーズの情報を得るため、かつての馴染みの酒場に出かけていった。
そこでトムはマッコイと名のる元陸軍の車輛係をしていた女兵士と出会い、意気投合。
翌日、トムは1人で武器を調達武装してエレン奪還の準備を整えた。
その日の午後、エレンのマネージャー兼恋人のビリー・フィッシュと会い、救出に成功したらトムとマッコイに賞金1万ドルを出させることを約束させて、3人はボンバーズの根城であるバッテリー地区へ向かった。
トムとマッコイはアジトに侵入しエレンを救出したが、トムが賞金目当てに自分を救い出しに来たことをビリーから聞いたエレンは、卜ムの心を計りかねた。
リッチモンドへの帰路、警察の封鎖を突破するため、ドゥアップ・グループのソレルズが乗ったバスを奪って、封鎖線を強行突破した。
リッチモンドの人々はエレンたちを熱烈に歓迎したが、メンツをつぶされたレイヴェンが黙っているわけがない。


寸評
上質なミュージックビデオだ。
特にはじめと最後のダイアン・レイン扮するエレンのライブシーンがいい。
歌自体は吹き替えらしいが、そんなことは映画の出来とは関係がなく、あらゆる手法を講じて映像を作り上げていくのが映画の醍醐味なのだ
作品全体を通じて、見ているうちに足でリズムを取り始めてしまうような観客を引き込む力を持っている。
BGMとして流れてくるドラム演奏が雰囲気を盛り上げていた。

冒頭のダイアン・レイン扮するロック歌手エレンのLIVEシーンで一気に観客の心を鷲掴みにする。
かっこよすぎるダイアン・レイン、熱狂する観客・・・ステージ後方の扉が開き、数人の男たちが入ってくるが彼等はシルエットでゆっくりとステージに向かって歩を進める。
シルエットのままで先頭の男の目は舞台のエレンに釘付けになり、エレンの歌をバックに彼女を見つめるシルエットの男。
そして「今だ!」の声でエレンは誘拐されるのだが、この導入部のスピード感がたまらなくいい。

トム・コーディは警察も目をつけていた悪だし、相手のボンバーズ・グループも暴走族集団のような愚連隊だが、その抗争では誰も死なない。
銃をぶっ放しての救出場面などもあるが、バイクを狙い打ったり、ガソリンに引火させたりして反撃を封じるだけで、決して射殺することはない。
人を殺さないことは事前にトムが言っているので違和感は全くないのだが、この手の映画としては極めて珍しい。
トムは寡黙で終始最小限の会話で通し、ニヒルな感じのヒーローだ。
エレンの元カレだが、現恋人でマネージャのビリー・フィッシュ(リック・モラニス)と対局にある人物設定で、この単純さがポップな作品に仕上げることに一役買っている。

そして微妙な雰囲気を出すことに一役買っているのが、トムがたまたま出会った軍隊帰りの男勝りの女性マッコイとの微妙な距離感だ。
マッコイはトムのことを「好みじゃない」と一言で片付けておきながら、一人寂しくバーで酒を傾けてたりしていてその距離感を保っている。
トムの相棒がこの女性であることでエレン救出がスムーズに運ぶことになるので、なかなかいいキャスティングだったと思う。
相棒が男ならド派手なドンパチが始まって、通常のアクション映画になってしまっていたかもしれない。
宿敵になるストリート・ギャング「ボンバーズ」 のリーダー、レイベンを演じるのがウィレム・デフォーなんだけれど、コテコテのキャラで印象は強烈だが、サブリーダーのビル・パクストンの方がリーダー的で、引き上げを宣言する姿を見ていると、トップの入れ替えが起きるなと想像してしまう。

最後にトムがエレンにトムは「お前には歌があるが、おれは衣装ケースを運ぶ柄じゃない。必要なときは呼んでくれ。俺はいつでもそばにいる」と言って去っていく。
カッコイイ!


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