新幹線に飛び乗ってしまいました。
高崎に着いたら、外はすっかり夕暮れ時。
風のない穏やかな日だったのは、幸いでした (^^ゞ
・・ ということで、
1月いっぱいで終了してしまいましたが、
原画展 in 高崎シティギャラリーの覚書きです。
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< 第12回 絵本原画展 >
~ 私たちが選んだ 「 評論社 」 の本
まずは、原画展開催のご挨拶のとなりに、
中つ国の大きな地図のパネルが掛けられていて、にんまり。
続く、マチルダ 等のイラストに囲まれた
「 評論社・沿革 」 パネルを経て、原画の展示が始まります。
(1) アンナの赤いオーバー
(2) < グリーン・ノウ物語 > シリーズ
・・ この2つのコーナーでは絵も良かったですが、やはり、
(1) のミニサイズの “ 赤いオーバー ” と、
(2) のボストン夫人の 「 ハイ・マジック・パッチワーク 」 の
展示が印象に残りますね。会場まで足を運んだ実感が湧いてきます (笑)
(3) オオカミ族の少年
・・ 今回の展示会ポスターにも使われた、この作品の表紙画は、
邦訳版の独自路線で、酒井駒子さんという方が手掛けているそうです。
挿絵については 「 一つの章に対して一つの挿絵 」 という
構成らしいのですが、原書では一点だけ二度使いした絵があるのに対し
酒井さんは使い回しをせずに、原書の挿絵画家よりも一点多く、
この本のために絵を描いたとのことです。
(4) ピーター・スピアーさんの絵本
・・ この人のコーナーは面白かったです。
完成版の原画ではなく、いくつかの段階にまたがりながらの、
試作品の原画を展示してあるため、見ていて興味が尽きません。
自作の絵に対するこだわりが大変強い、職人気質な方のようで、
制作時には、出版社への事細かな指示がたくさん入るそうです。
でも、この方、絵を描くのが本当に好きなんでしょうね。
『 雨、あめ 』 という作品は、文章が一つもないのに、
絵の中からストーリーがどんどん感じられて、
雨雲に覆われた少し暗めの画面であっても、
ページを捲る楽しさが溢れ出てくるような感覚になります♪
原画展を主催した 「 時をつむぐ会 」 のサイトで見られる、
会場内に張られた白いTepeeは、 『 せかいのひとびと 』 で描かれた、
アメリカインディアンのテント小屋を模したものです。
(5) ベリンダ・ダウンズさんの刺繍絵本
・・ “ 絵で表現する ” = “ 紙に線を描いて彩色して。。 ” という、
ありきたりな手順しか浮かばない私からすると、
画材に替わって、刺繍糸と布で描いていこうとする発想自体が、
もう、すごいな~と思ってしまう訳です。
『 ようこそ あかちゃん 』 は、生まれてくる新しい命を思いながら、
一刺し一刺し、針を動かしていく様を連想させられました。
(6) 『 指輪物語 』 寺島龍一氏の原画
・・ はるばる高崎まで出向いた一番の理由は、やっぱり、この作品 ^ ^
邦訳本の 『 ホビットの冒険 』 ( 岩波書店 ) で描かれた
寺島画伯の挿絵を、原作者のトールキン教授が気に入ったという話は、
『 指輪物語 』 の 「 訳者あとがき 」 で触れられていましたが、
トールキン教授を除き、世界で初めて 『 指輪 』 の挿絵を描いたのが
寺島さんだった という事は、この展示会で新たに知りました。
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今回は、本編中に登場するお馴染みの挿絵のほかに、
旧訳&新訳旧装丁版で使われていた、
寺島さんの手による表紙の原画も、あわせて展示されておりました。
新訳版の文庫本で 『 指輪 』 と出会った私としては、
表紙を飾るカラー・イラストと言うと、
個人的には、A・リー氏の絵の方がしっくりくるのですが、
寺島さんの描いた表紙画もなかなか印象的ですね。
紫や赤 ( 朱色? ) の使い方が独特で、
ちょっと時代を感じさせるような雰囲気もあるのですが、
『 旅の仲間 (上) 』 の原画などは、
遠景の空の碧色に対し、風見が丘の紫色がとてもよく映えており、
緊迫したシーンを題材にしながらも、綺麗でステキな絵でした。
しかし、寺島画伯の魅力は何といっても、あの味わい深いペン画でしょうか。
たとえ “ 懐中電灯なファラミア ” があったとしても、
寺島さんの描く人物 ( 特にホビット ) の表情が、すごく好きなんです。
なかでも、名場面ばかりが描かれている 『 王の帰還 』 は、
各々の人物たちが見せる表情を、もっともっと何時間でもいいから、
飽きることなく、原画でじっくりと眺めていたかったですね。
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『 指輪物語 』 コーナーの最後は勿論、
「 灰色港 」 の原画で締めだったのですが、その傍らには、
P・ベインズさんが手掛けた “ Bilbo’s Last Song ” のポスターも
一緒に展示されていて、喜びもひとしおでした *^-^*
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予想以上に見応えのあった原画展で、
慌しいなか、出掛けていった甲斐がありました。
もう少し時間があったら、『 指輪物語 』 以外のコーナーも、
もっと落ち着いて見られたんですけどね ・・ それだけは、ちょっと心残りかな。
そう言えば、帰りの新幹線で初めて2階座席に座ってみたのですが、
こちらも何気に、ワクワクしました (笑)