ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

河野発言 身から出た錆

2018-04-10 11:42:30 | 日記
本ブログで、私は以前、河野外相の発言を取りあげたことがある。「残念なこ
とに、日本はこの件(=米朝首脳会談)に関して、完全に蚊帳の外におかれて
いる。(中略)〔それなのに〕河野外相は「焦る必要は全くない」と強がって
いるらしい」と私が書いたのは、4月2日の記事《半島情勢 蚊帳の外でも聾
(つんぼ)桟敷は》においてだった。きのうの夕方、テレビは衆院予算委員会
の実況中継を流していた。野党の議員が河野外相を問い詰めている場面だった。
質問に立った野党議員は、以下のネット記事を引き合いに出して、河野外相に
詰めよっていた。

米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」は2日、河野太
郎外相が3月31日、「(北朝鮮が)次の核実験の用意を一生懸命やっている
というのも見える」などと述べたことに疑問を投げかけた。最新の商業衛星写
真をもとに「(河野氏の発言とは)非常に異なり、活動は過去数カ月に比べて
極端に減っている」と指摘した。
                       (毎日新聞4月3日付)

この記事のことは私も気になっていた。河野外相が「焦る必要はない」と発言
したとき、彼はその場で、「北朝鮮は次の核実験の用意をしている」とも述べ
たのだ。この2つの発言は、私の理解では、「米朝首脳会談はどうせ実現しな
い」と主張する目的で結びついている。「北朝鮮は嘘つきの常習犯だ。今回も
非核化の約束を反故にするつもりだろう。だから・・・」と。

本ブログで河野発言を取りあげたとき、「北朝鮮は次の核実験の」発言の真偽
を私が問題にする気になれなかったのは、この発言が言いがかりの口実のよう
に思えたからである。上に引用した「38ノース」に関する毎日新聞の記事は、
私の直感の正しさを裏づけるものと言えるだろう。

ただ、このとき、私にはもう一つの思いがあった。「どのみちハッタリだろう」
と思う反面、「一国の外相が断言するからには、きっと確たる根拠があってのこ
とに違いない。極秘のインテリジェンス報告か何かにもとづいているのかも・・・」
そうも思ったのだ。だが、きのうの衆院予算委での河野外相の受け答えを聞くか
ぎり、問題の「次の核実験」発言は商業衛星写真の(最新のものよりも古い)画
像データにもとづくもので、別筋のインテリジェンス報告にもとづくものでなかっ
たことは、明らかだった。問題の「次の核実験」発言は、北朝鮮分析サイト
「38ノース」から疑問符を突きつけらて当然の、根拠を欠いたトンデモ発言
だったことになる。

この人、外相就任時から「どことなく危なっかしそうな人だなあ」と思ってい
たけど、やっぱりねえ・・・。政権機能の劣化は、(まるで赤い鉄錆みたいに)
財務省、防衛省、そして外務省と、内閣の随所に拡散する勢いで、とどまる気
配を見せない。
コメント
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