ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

北朝鮮 正体不明の飛翔体

2017-08-26 12:39:20 | 日記
きょうの早朝、北朝鮮がミサイルをぶっ放した。日本海に落下したようだ
が、それがどのような種類のミサイルなのか、といった情報は、まだ得ら
れていない。

韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は26日朝、南東部の江原道旗対嶺
(カンウォンドキッテリョン)付近から日本海に向けて短距離の飛翔体を
数発発射した。詳細は確認中というが、弾道ミサイルの可能性がある。韓
国の聯合ニュースは約250キロ飛行したと報じている。
                      (産経ニュース)

北朝鮮のミサイル関連情報については、これまで本ブログも注目し、主要
な情報は押さえてきたつもりである。先日入手したほかほかの最新情報を
参照しながら、きょうの北朝鮮の動きをどう読んだらいいか、思考をめぐ
らせてみよう。

北朝鮮は最近、アメリカとのチキンレースから「一抜け」をし、挑発を自
制するなど、軟化の兆しを見せ始めている。北朝鮮のこの態度変更は、以
下のような中国政府の見解が影響をあたえた結果だと見ることができる。

「もしも北朝鮮が米国本土を脅かすミサイルを先に発射して米国が報復し
た場合、中国は中立を保つだろう。もしも米国と韓国が攻撃して、北朝鮮
の体制を転覆し、朝鮮半島の政治的版図(the political pattern of
the Korean Peninsula)を変えるようなら、中国はそうした行動を阻止
することも明確にすべきである。」

こうした見解を伝えられ、北朝鮮の金正恩は、「中国に裏切られた」と
思ったのだろう。そして、跳ね上がった行動をしたらヤバい、と感じのだ
ろう。小心者のこの指導者は、「今後はアメリカに反撃の口実を与えるよ
うな、そういうふるまいは控えなければ」ーーそう考えたに違いないので
ある。

したがってきょうのミサイル発射も、米韓合同軍事演習への抗議の意思を
示しながらも、「レッドライン」を越えないぎりぎりのところで、微妙な
「寸止め」を行ったものと見ることができる。だからきょうのミサイル発
射は、成功だったのか、失敗だったのか、見きわめがきわめて難しい。以
下のような情報も出てくることになる。

米国防総省は、北朝鮮が短距離弾道ミサイル3発を発射し、いずれも失敗
したとの分析を明らかにした。
国防総省によると、ミサイルは午前6時49分から同7時19分の間に連
続して発射。1発目と3発目は予定通り飛行せず、2発目は発射直後に爆
発したとみられる。
                          (JIJI.COM)

かくのごとく情報は錯綜している。正体不明の飛翔体を打ち上げ、「ム
ムッ、何だこれは?」と米韓の軍事筋を驚かせ戸惑わせることが北朝鮮の
狙いだとしたら、今回の寸止め発射はまんまと成功したことになる。
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ネタがない日は

2017-08-25 12:10:17 | 日記
書きたい、という気持ちは強いのに、書くべきネタが見当たらない。これ
は困った。

でも、私はなぜ書きたいと思うのか。それは、久しぶりに使ってみたい
キーボードがあるからである。最近、ブルートゥースのキーボード(フル
サイズ、折りたたみ式、キーカラーはホワイト)を大枚をはたいて新たに
買ったところ、それがとても使い勝手が良く、気に入ったので、そればか
り使っていた。正確に言うと、私の気に入ったキーボードはもう一つあっ
て、こちらはUSBドングルを使うワイヤレスキーボードである。これは専
用の給電端子が別にあるタブレットでないと使えないので、これが使える
タブレットは限られるが、面倒なペアリングの手間も必要なく、キータッ
チがすこぶる良い。

そんなこんなで、最近はこの2種類のキーボード以外は使うことがなく
なってしまったが、使わなくなってしまったキーボードの中にも、良品が
いくつかあったことを思い出し、きょうはその一つを、無性に使いたく
なってしまったのである。「最近つき合いはじめたA子もB子も良い娘だ
けど、C子も良い娘だったよなあ。久しぶりに遭ってみようか」といった
ところだろうか。

で、それでもって、私は何を書くのか。何を書いたらいいのか。こんな記
事があった。

「原子力規制委員会の田中俊一委員長は24日、来月18日の退任を前に
朝日新聞の単独インタビューに応じ、原発の審査が長期化して再稼働が進
まないことに対して「政治的な圧力が常にあった」と任期の5年を振り
返った。」

おっ、原発問題で政治的な圧力か。どんな圧力があったのだろう、と興味
を持ったが、何のことはない、「原発を推進する自民党議員だけでなく、
電力労組出身の民進党議員らが『審査に時間がかかりすぎている』と批判
を繰り返した」ということのようで、この種の批判を「政治的圧力」と受
けとめるこの人の感性がどうかしている。田中委員長なる人は、「原発再
稼働反対!」という世論も(したがって、この私のブログも)「政治的圧
力」と受けとめるに違いない。これはネタとしてはボツ!

こういう記事もあった。
「日程短縮は見せかけ 安倍首相の夏休みは事実上の入院生活」
表向きにはジム通い、事実上は入院生活。その目的は、持病の「潰瘍性大
腸炎」を治療するためだという。
「普段は消化器内科と腫瘍センターの3人の主治医が安倍首相を診てい
て、首相が慶応に来ると騒がれるから、六本木のホテル内のジムなどに医
師が呼ばれ、点滴や診察などを行っているそうです」
首相の主治医らが所属する慶応病院の関係者がそう語ったという。これは
「日刊ゲンダイDIGITAL」に掲載された記事だが、このサイトは以前、
「北朝鮮危機を煽りつつ…安倍首相は別荘でのんびり夏休み」という記事を
書いていた。
「迎撃ミサイル『PAC3』の配備にトランプ米大統領との電話会談。北
朝鮮危機を煽って国民を不安にさせるばかりの安倍首相だが、その一方で
自分は15日から夏休みに入った。山梨県の河口湖に近い別荘で、のんび
り過ごしている。」

「表向きも事実上も夏休み」と見ればこんなふうに揶揄し、「表向きは夏
休みだが、事実上は入院生活」と見れば興味本位でパパラッチぶりを発揮
する。同種の下種の傾向が私の中にもないではないが、これはネタとして
はボツ!

というわけで、きょうはネタとしては目新しいものは何もないが、これだ
けキーボードをたたくことができれば、ま、これでいいかな。
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戦国時代を現代に

2017-08-24 11:01:44 | 日記
作家の伊東潤氏が面白いことを書いている。ちょっと長くなるが、まずは
それを読んでいただこう。

「戦国時代、大名たちは、その時々の情勢に応じて、さまざまに同盟を結
びました。利害が一致する、力のバランスが取れているといった条件がそ
ろって成立するのですが、周囲の状況が変わると、あっさりと手を切るこ
ともありました。そのなかで、20年余りも維持されたのが、織田信長と
徳川家康の清洲同盟です。
長く続いた理由は、2人の仲の良さでも、家康の律義さでもなく、互いの
利害が一致したまま、周囲の情勢がさほど変わらなかったからです。
信長にとって家康は、最強の敵の武田氏との間の緩衝壁でした。天下制覇
を目指して多方面作戦を展開中の信長は、強力な武田氏とまともにぶつか
ることを避けていました。そこで地理的に間に位置する家康に武田氏を抑
えてもらう役割を担わせたのです。
ただ一つの優位点として、家康には、武田氏の西進を抑える位置に領国が
あるという地理的な強みがありました。武田方に乗り換えるというシナリ
オも考えたはずです。むろんそれを言わずとも、信長は百も承知していま
す。その結果、長篠の戦いでは、信長の援軍を得て、最強をうたわれた武
田軍を破りました。」

こう書いた上で、伊東氏は「この関係、現代に通じませんか」と述べてい
る。なるほど、この構図は現代にも通じるものがある、と私も考える。た
だ私の考えは、伊東氏のそれとはだいぶ違っている。伊東氏は「家康を日
本、信長を米国に置き換え」て考察をすすめるが、私はそんなふには考え
ない。私は家康を北朝鮮に、信長を中国に置き換えて読むと面白いのでは
ないか、と考えるのだ。すると、こういうことになる。

「信長にとって家康は、最強の敵の武田氏との間の緩衝壁でした。天下制
覇を目指して多方面作戦を展開中の信長は、強力な武田氏とまともにぶつ
かることを避けていました。そこで地理的に間に位置する家康に武田氏を
抑えてもらう役割を担わせたのです。」

➔「中国にとって北朝鮮は、最強の敵の米国との間の緩衝壁でした。天下
制覇を目指して多方面作戦を展開中の中国は、強力な米軍とまともにぶつ
かることを避けていました。そこで地理的に間に位置する北朝鮮に米国を
抑えてもらう役割を担わせたのです。」

こう見ると、戦国時代の構図はそっくりそのまま現代に当てはまるが、伊
東氏が家康を日本になぞらえた理由が、私にはよくわかる。戦国時代の最
終的な勝者は家康だから、家康を北朝鮮になぞらえると、北朝鮮が現代戦
国時代の最終的なす勝者だということになってしまう。伊東氏の文章は日
本人を読者に持つ全国紙・朝日新聞に掲載されているが(8月24日付)、
日本の読者を相手に「勝者=北朝鮮」とするシナリオを描いても、この屈
辱的な(日本人には屈辱的な)シナリオは、とうてい受け入れられないだ
ろう。だが、日本の読者に迎合しようと思わなければ、家康を北朝鮮に、
信長を中国に置き換える解釈は、充分な説得力を持つ。たしかに中国は、
今現在、「天下制覇を目指して多方面作戦を展開中」と見ることができる
からだ。

すると、現代の武田氏はどこの国なのか。それは言うまでもなく、米国で
ある。その昔、武田軍は長篠の戦いで織田信長・徳川家康連合軍に敗れた
が、これと同じ構図を現代にパラフレーズすれば、米国は中国・北朝鮮連
合軍に敗れることになる。

現代の武田勝頼とも言うべきあの単細胞・自己中大統領が軍の指揮を取る
のでは、さもありなんだが、さてどうなりますことやら。
私の連想ゲームには日本の身のふり方への考察が欠けていたが、現代の日
本が戦国時代のだれに当たるかはさておき、武田勝頼と組むべきでない、
とは言えそうである。
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「米艦防護」はどうなのか(その2)

2017-08-23 14:05:01 | 日記
日米安保の象徴とも言うべき「米艦防護」に対して、我々はどういう姿勢
で臨んだらいいのか。ーーこの問題を通して、日米安保の意味を考える朝
日新聞のシリーズ「安保考」の、その続編が、きょうの本ブログの検討材
料である。きのうは「米艦防護」に懐疑的な姿勢をとる柳沢協二氏の見解
を見たが、きょうは積極派の香田洋二氏の登場である。香田氏の略歴は、
「1949年生まれ。元海将。防衛大学校を出て、72年に海上自衛隊に入る。
統合幕僚会議事務局長などを経て2007〜08年に自衛艦隊司令官」とある。

さっそく香田氏の見解を見ていこう。
ざっくり言うと、(1)米艦防護にコミットすれば、「日米安保の協力体制が
強まり、抑止力を高める効果がある」が、(2)逆に、米艦防護にコミットし
なければ、「米軍を見殺しにすることになり、日米安保が吹っ飛ぶ恐れが
現実のものとなる」というのが、氏のおおよその見解である。

きのう見た柳沢氏の見解の第一の論点は、「米艦防護にコミットすると、
日本は戦争の当事国になるのではないか」ということであった。この懸念
に対して、香田氏は次のように答える。
「海自がするのはミサイルの迎撃であって、ミサイルを撃った本体を攻撃
するのは米軍」である。だから、日本は戦争の当事国にはならない、と。
香田氏の優等生的な回答をうけて、インタビュアーの記者がこう挑発す
る。
「たしかに、法制上は、自衛隊は一発撃ったら退避することになってい
る。だがそういうふうにして、途中で米軍を見捨てる形になったら、日米
の安保が吹っ飛ぶのではないか」
香田氏はこの挑発を平然と聞き流し、こう答えている。
「いいえ、自衛隊は米軍を見捨てません。米軍が危機を脱するまでは、自
衛隊は防護活動を行えるのです」
暖簾(のれん)に腕押し、糠(ぬか)に釘。インタビュアーはさらにこう
挑発して、食い下がろうとする。
「でも、でもですよ。米軍は、本格的な戦闘に発展するリスクをおかして
まで、日本を守ろうとするでしょうか?」
返ってきたのは、香田氏からの意外な答えである。
「なぜ米国は自国の若者の血を流してまで、日米安保を維持して日本を守
り、相手国を攻めるか。それは、日米安保と日本の存在自体が、米国の国
益そのものだからです」
ええっ?ホント?「アメリカ・ファースト」のトランプ自己中政権が、自
国民の血を流してまで日本を守ろうとするだろうか。
香田氏は、自分の個人的な願望を、客観的な事実だと勘違いしているので
はないだろうか。

要するに、ここにあるのは、単なる幻想である。「アメリカさんは、自分
の血を流してまで日本を守ってくれようとしている」。そう思うから、日
本側の武将も「それ相当の覚悟でアメリカさんの艦艇を防護しなければ」
と考える。こういう(幻想に基づく)思い込みが日米安保の同盟関係を支
えているとすれば、日米安保を支えているのは所詮、根拠のない幻想だと
言わなければならない。

この幻想、シャボン玉のようにはかなく消えてしまわなければよいのだが・・・。
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「米艦防護」はどうなのか

2017-08-22 14:56:07 | 日記
きょうの朝日新聞は、日米同盟のあり方を考えるため、(5月に実施され
た)「米艦防護」をテーマとして取りあげ、これに関する懐疑的な意見の
代表として、元内閣官房副長官補・柳沢協二氏の見解を紹介している。

氏の論理の大筋は比較的単純で、次のようなものである。
「自衛隊が米艦防護にコミットすると、日本は戦争の当事国になり、北朝
鮮や中国などの敵国から攻撃を受けるリスクが大きくなる。」
それだけである。だからこうすべきだ、とは柳沢氏は述べていない。だが
氏の見解には、「だから米艦防護にコミットすべきではない」というつよ
い主張が含意されていると見なければならない。

この「米艦防護にコミットすべきではない」という主張に対しては、「で
も、コミットしなければ、アメリカは日本を本気で護ってくれないだろ
う。日米同盟の空洞化は避けられない」という反論があがるに違いない。

この反論に対して、柳沢氏は公然と再反論することはしないが、言外にこ
う言いたがっているように思える。
「それが何か?何か不都合でも?」
反論の主は苛立って、こう切り返す。
「アメリカに護ってもらわなければ、日本国民の安全が損なわれるではな
いか!」
それに対して、柳沢氏はこう答えるだろう。
「いや、それは逆ですよ。日本がアメリカと同盟関係を結び、米軍基地を
おいているから、日本は北朝鮮の攻撃のターゲットにされるのです。日本
から米軍基地がなくなれば、日本が攻撃されることもなくなるはずです。」

さて、あすは「米艦防護」に関する推進派の論客が登場する予定とか。
きょう登場した柳沢氏の略歴を見ると、「1946年生まれ。70年に防
衛庁(現防衛省)に入り、官房長などを務めた。2004~09年、内閣
官房副長官補(安全保障・危機管理)」とある。

あす登場するのは、米艦防護を「長足の進歩」と評価する、元海将・元自
衛艦隊司令官の香田洋二氏。

両者の間で、どんなバトルが見られるのか。バトル好きの私には、思って
もみない暇潰しのプレゼントである。
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