ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

刃物を手にした窮鼠には

2017-04-13 14:46:01 | 日記
アメリカのトランプ政権は、空母「カール・ヴィンソン」や駆逐艦からな
る「打撃群」を朝鮮半島付近に派遣して、北朝鮮への軍事的圧力を強めて
いる。これに対して、北の金正恩は激しく反発し、米国による先制攻撃の
兆候があれば、米国に核攻撃をすると警告を発している。核兵器の応酬も
考えられなくない危機的な状況を前にし、では日本にはどういう対処が可
能なのか。このことについて、新聞各社はどう見ているのか。

今回は、毎日と産経の社説を取り上げよう。毎日は《北朝鮮情勢と日本の
対応 米国の圧力を外交力に》を書き、産経は《北朝鮮の核問題 緊迫化
する事態に備えよ》でこの問題を論じている。

両紙の社説に共通しているのは、アメリカの軍事的圧力が北朝鮮の「暴発」
に対する抑止力になりうる、とする考え方である。毎日は「日本政府は
これ(米国の抑止力)を外交的解決につなげるテコとして利用すべきだ」
と主張し、産経は「軍事的抑止がなければ、北朝鮮の暴発を止めきれない
との危機感」を共有することが大切だと主張する。

けれども、軍事的な圧力が意味のある抑止力として作用するのは、あくま
でも「フツーの国(人)」に対してだということを、念頭におかなければ
ならない。「じたばたするな!動くと撃つぞ!」と拳銃を突きつけたとき、
その通りにふるまうのは、あくまでもフツーの人の場合である。相手が常
軌を逸したキ⚫⚫⚫の場合には、そうはいかない。突きつけた拳銃は、――
軍事的圧力は、かえってこのキ⚫⚫⚫の反発を煽るだけだろう。

金正恩の北朝鮮がキ⚫⚫⚫を装っているのか、ホントにキ⚫⚫⚫なのか、そ
のあたりは知る術(すべ)もないが、この国にフツーの人の反応が期待で
きないのは確かである。北朝鮮に対しては、軍事的圧力は抑止力になり得
ないのだ。刃物を手にしたキ⚫⚫⚫を、宥め手懐けるにはどうしたら良いの
か。問題をそんなふうに立て直す必要がある。

力ではどうにもならないとしたら、アメリカか中国の首脳が、この国の首脳
と直接面談をして、ねばり強く説得するしか道はなさそうだ。

え? 何だって? 文句があるなら代案を出せ、代案を!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする