共産党党大会の開催を報じるニュース映像が、テレビの画面に流れた。
壇上に立つ小沢一郎の姿が大写しになった。「えっ、何これ!?」夕食
を食べながら画面を眺める私は、鳩が豆鉄砲を食らったような顔つきを
したに違いない。威勢がよく愛想もいい羊の群れの中に、年老いた鷹の
姿を見た、そんな気がした。今は落ちぶれたものの、かつては自民党の
若き幹事長として権勢をふるい、「普通の国に」をスローガンに、自衛
隊の海外派遣を主張していたあの人が、なんでまた共産党大会の壇上で
照れ笑いのような笑顔を見せているのか?
アナウンサーによれば、共産党の志位委員長はこの大会で、次の衆院選
に向け、民進、自由、社民の野党3党と強固な共闘を組むことを訴えた
という。共産党大会の壇上には、安住淳民進党代表代行の姿も見られ
た。小沢一郎の姿を見たあとでは、その姿は薄味のキャラメルのように
インパクトに欠け、影が薄かった。
このニュース映像を見ながら私が感じた違和感は、私一人だけのもので
はなかったようだ。読売新聞がさっそくこの話題をきょうの社説で取り
あげ、《野党衆院選協力 「野合」批判にどう応えるのか》というタイ
トルをかかげている。国家防衛政策など重要かつ基本的な政策で、大き
く見解を異にする野党同士が、「政権をとる」というだけで共闘を組む
なんて、選挙民を馬鹿にするにも程がある。有権者はそれほど馬鹿では
ないから、次の衆院選でも自民党の優位は揺るがないのではないか。そ
う思う人は、またしても「なにせ自民党の受け皿がないからなあ~」と
嘆くだろう。
朝日のきょうの社説(《共産党 共闘の実をより大きく》)は、「共闘
の実を大きく結ぶために、民進党など他の野党もまた歩み寄らねばなら
ない」と書くが、勘違いもたいがいにしてほしい。歩み寄りや妥協は国
民の求めるところではないのだ。国民が求めているのは、国際的な展望
にたった統一的な国家戦略の提示である。共闘を組むのなら、まずもっ
て必要なのは、野党4党の(妥協の産物とは違った)統一的な政策を国
民に提示することなのである。
共産党の大会決議では「共闘に、日米安保条約や自衛隊についての独自
の立場を持ち込まない」ことをうたったという。これを聞いて、「とい
うことは、あれなのかな。共闘が功を奏して政権をとったら、この党
は、日米安保条約や自衛隊についての独自の立場を持ち込むということ
なのかな?」と不審の念をいだく人は多いだろう。こういう疑問にも、
共産党はまずもって答える必要がある。
壇上に立つ小沢一郎の姿が大写しになった。「えっ、何これ!?」夕食
を食べながら画面を眺める私は、鳩が豆鉄砲を食らったような顔つきを
したに違いない。威勢がよく愛想もいい羊の群れの中に、年老いた鷹の
姿を見た、そんな気がした。今は落ちぶれたものの、かつては自民党の
若き幹事長として権勢をふるい、「普通の国に」をスローガンに、自衛
隊の海外派遣を主張していたあの人が、なんでまた共産党大会の壇上で
照れ笑いのような笑顔を見せているのか?
アナウンサーによれば、共産党の志位委員長はこの大会で、次の衆院選
に向け、民進、自由、社民の野党3党と強固な共闘を組むことを訴えた
という。共産党大会の壇上には、安住淳民進党代表代行の姿も見られ
た。小沢一郎の姿を見たあとでは、その姿は薄味のキャラメルのように
インパクトに欠け、影が薄かった。
このニュース映像を見ながら私が感じた違和感は、私一人だけのもので
はなかったようだ。読売新聞がさっそくこの話題をきょうの社説で取り
あげ、《野党衆院選協力 「野合」批判にどう応えるのか》というタイ
トルをかかげている。国家防衛政策など重要かつ基本的な政策で、大き
く見解を異にする野党同士が、「政権をとる」というだけで共闘を組む
なんて、選挙民を馬鹿にするにも程がある。有権者はそれほど馬鹿では
ないから、次の衆院選でも自民党の優位は揺るがないのではないか。そ
う思う人は、またしても「なにせ自民党の受け皿がないからなあ~」と
嘆くだろう。
朝日のきょうの社説(《共産党 共闘の実をより大きく》)は、「共闘
の実を大きく結ぶために、民進党など他の野党もまた歩み寄らねばなら
ない」と書くが、勘違いもたいがいにしてほしい。歩み寄りや妥協は国
民の求めるところではないのだ。国民が求めているのは、国際的な展望
にたった統一的な国家戦略の提示である。共闘を組むのなら、まずもっ
て必要なのは、野党4党の(妥協の産物とは違った)統一的な政策を国
民に提示することなのである。
共産党の大会決議では「共闘に、日米安保条約や自衛隊についての独自
の立場を持ち込まない」ことをうたったという。これを聞いて、「とい
うことは、あれなのかな。共闘が功を奏して政権をとったら、この党
は、日米安保条約や自衛隊についての独自の立場を持ち込むということ
なのかな?」と不審の念をいだく人は多いだろう。こういう疑問にも、
共産党はまずもって答える必要がある。