Creating yourself

「自分発見の旅から自分創造の旅へ」  

スズメに思う

2006-10-16 19:33:08 | 人生
いつものように階段を上がって、地下鉄のホームに着くや弱ったスズメが足元にちょこんとたたずんでいる。スズメは元気に飛んでるかぴょんぴょん飛び跳ねているのしか見たことがないから、人ごみの多い階段の上がり口でじっと動けずにいるのは、なんだかすごくいたましい気がした。駅員さんに踏まれないようどこかにのけてあげてと言って電車に乗ったが、私はいつの間にかいろんな生き物が好きになってることにあらためて気づいた。

娘が生まれて15年の間に色々な生き物を飼う経験をした。インコ3羽、ザリガニ数匹、めだか、ハムスター、そして今も大切な家族の犬1匹と猫2匹。生まれた田舎には羊や牛や犬がいた時期があったが、あまり可愛がった覚えがない。動物が好きという意識がなく大人になっていた。鳥だって、ハムスターだって初めて触るのはこわかったし、ザリガニだってお箸でしか触れたことがない。猫だって子猫は可愛いけど、大きくなっても可愛いと思えるか心配だったくらいだ。飼っているうちに愛情がわいてきたのだ。

この年になると飛べないスズメにも自分の人生を重ねる。生けるものはいつか死ぬ運命にあるのだが、スズメ一羽が人に踏まれずにせめて静かに逝けますようにと思った。

猫にひっかかれた壁紙をはがし、新しい壁紙を貼りながら、思わぬところにはがれた跡を見つけた。前飼っていたインコのピピがつついた跡だ。なつかしくいとおしくなった。そこは貼らずにそのままにしておこう。ピピがいたしるしに。