いよいよ大学が始まった。
しかし雪は常に眠そうである。

実家から大学まで通学に二時間かかるので、夜遅くまで勉強しようものなら、
睡眠時間が確保出来ないのが悩みなのである。
奨学金を得るために毎日勉学に励む雪だが、聡美から現在の全体首席は青田先輩なのだと教えられる。

学年首席は雪なのだが、学科全体の首席は青田先輩なので、雪は全額奨学金を受けることが出来なかった。
悔しいが、努力の結果ならしかたがない。
しかし雪は初め、彼がバカなんじゃないかと思っていた。

ニコニコと笑いながら飲み会で皆におごったり、簡単にノートを貸したりするからだ。
しかしバカでは首席になれるわけなく、ではその真逆‥恐ろしく頭の切れる男なのかもしれないと思うようになった。
彼に対する不信は依然として解けることなく、胸にモヤモヤとしたものが常に残っていた。
だが聡美からは「あの先輩は大学でも有名な人だから、あんたも良い顔しときなね」とも言われている。

大学始まって最初に挨拶したとき、

初めこそ笑って返してくれたものの、

すぐに視線を外された。


その後会う度に挨拶をし続けたが、

ことごとく無視されるようになった。

こうなったらもうあからさまだ。
二度と挨拶なんかするもんかと、雪は彼に背を向けた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
淳の学生生活もまたスタートした。
構内を歩くと、色々な人間から声をかけられる。

あの空気が読めない新入生。

「いつも女遊びどこでしてるんすか~?今度連れてってくださいよ!」
お調子者で騒がしい後輩、横山。

健太先輩、女学生たち、顔が判然としない同学科の学生。

あの馬鹿騒ぎしていた汚らわしい女。
この女は特に、この間大学を歩いている時に聞いてしまったものもある。

空き教室で、友人と二人で話していた。
「有名な先輩だってば。あんたも挨拶しっかりして、いい顔見せときなさいよ。親しくなって損はしないんだから」
「んー‥、確かに‥」

こんなことは日常茶飯事だが、背を向けるのには十二分な動機だろう。
自分に近寄ってくる人間の一人に、平井和美がいた。

入学時は首席で入ってきて、美人でスマート。やっかいな性格だが、利用できるところがあった。

彼女が側にいると、あの新入生たちや女後輩たちが寄ってこないのだ。
「先輩、新学期が始まった途端色々な人に声をかけられて大変ですね」

そう口にする平井和美は、あの空気の読めない人間たちよりはいくらかマシだった。
二人で歩いていると、前をあの女が歩いていた。

平井とあの女は同期だ。

平井が「雪ちゃ~ん、元気?」と声をかけると、あの女は形式的な挨拶を返して、そそくさと去っていった。
後味の悪い顔をした平井が、「先輩、あの子知ってます?」と続ける。
「赤山雪っていって、今回次席だった子なんですけど、先輩が頭いいからって接しにくいみたいですよ」

意外だった。
あの子が次席?と淳は小さくなった後ろ姿を見送った。
「でもあまり礼儀を知らないみたいですね。上には上がいるんだから、
たとえ次席でも満足するのが当り前なのに」

平井和美が不満そうに言う。
教室へと歩きながら和美は「先輩金曜日空いていますか」と誘ってきたが、先約があると断った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
二人の新学期の始まりです。
互いに悪印象ですね‥。
しかしこれからもっと悪くなっていきます‥。
しかし雪は常に眠そうである。

実家から大学まで通学に二時間かかるので、夜遅くまで勉強しようものなら、
睡眠時間が確保出来ないのが悩みなのである。
奨学金を得るために毎日勉学に励む雪だが、聡美から現在の全体首席は青田先輩なのだと教えられる。

学年首席は雪なのだが、学科全体の首席は青田先輩なので、雪は全額奨学金を受けることが出来なかった。
悔しいが、努力の結果ならしかたがない。
しかし雪は初め、彼がバカなんじゃないかと思っていた。

ニコニコと笑いながら飲み会で皆におごったり、簡単にノートを貸したりするからだ。
しかしバカでは首席になれるわけなく、ではその真逆‥恐ろしく頭の切れる男なのかもしれないと思うようになった。
彼に対する不信は依然として解けることなく、胸にモヤモヤとしたものが常に残っていた。
だが聡美からは「あの先輩は大学でも有名な人だから、あんたも良い顔しときなね」とも言われている。

大学始まって最初に挨拶したとき、

初めこそ笑って返してくれたものの、

すぐに視線を外された。


その後会う度に挨拶をし続けたが、

ことごとく無視されるようになった。

こうなったらもうあからさまだ。
二度と挨拶なんかするもんかと、雪は彼に背を向けた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
淳の学生生活もまたスタートした。
構内を歩くと、色々な人間から声をかけられる。

あの空気が読めない新入生。

「いつも女遊びどこでしてるんすか~?今度連れてってくださいよ!」
お調子者で騒がしい後輩、横山。

健太先輩、女学生たち、顔が判然としない同学科の学生。

あの馬鹿騒ぎしていた汚らわしい女。
この女は特に、この間大学を歩いている時に聞いてしまったものもある。

空き教室で、友人と二人で話していた。
「有名な先輩だってば。あんたも挨拶しっかりして、いい顔見せときなさいよ。親しくなって損はしないんだから」
「んー‥、確かに‥」

こんなことは日常茶飯事だが、背を向けるのには十二分な動機だろう。
自分に近寄ってくる人間の一人に、平井和美がいた。

入学時は首席で入ってきて、美人でスマート。やっかいな性格だが、利用できるところがあった。

彼女が側にいると、あの新入生たちや女後輩たちが寄ってこないのだ。
「先輩、新学期が始まった途端色々な人に声をかけられて大変ですね」

そう口にする平井和美は、あの空気の読めない人間たちよりはいくらかマシだった。
二人で歩いていると、前をあの女が歩いていた。

平井とあの女は同期だ。

平井が「雪ちゃ~ん、元気?」と声をかけると、あの女は形式的な挨拶を返して、そそくさと去っていった。
後味の悪い顔をした平井が、「先輩、あの子知ってます?」と続ける。
「赤山雪っていって、今回次席だった子なんですけど、先輩が頭いいからって接しにくいみたいですよ」

意外だった。
あの子が次席?と淳は小さくなった後ろ姿を見送った。
「でもあまり礼儀を知らないみたいですね。上には上がいるんだから、
たとえ次席でも満足するのが当り前なのに」

平井和美が不満そうに言う。
教室へと歩きながら和美は「先輩金曜日空いていますか」と誘ってきたが、先約があると断った。
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二人の新学期の始まりです。
互いに悪印象ですね‥。
しかしこれからもっと悪くなっていきます‥。
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