Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

囚われた虎(6)ー逃走ー

2017-03-26 01:00:00 | 雪3年4部(穴〜囚われた虎)
「うわあああああ!」



雪は走った。

大きな叫び声を上げて、静香の手を握りながら。

「うわあああああ!」



静香は真っ青になって振り返った。突然の出来事に頭がついていかない。

「ちょ、ちょっと!!何してんのっ‥?!」



「待ちやがれクソ女共!畜生!誰が逃げろっつったよ?!」



「逃げ切れるとでも思ってんのか!!」



吉川は雪の予想より早く建物から出て来た。そしてすごいスピードで追いかけてくる。

「待ちやがれ!!」

早い!このままじゃ追いつかれる‥



けどこの辺は飲食店街だから‥



後ろで静香が「足が痛い」と漏らしているがそんなことを聞いている状況じゃない。

雪は助けを求められそうな店は無いか必死で周りを見回した。

しかしガラスに”テナント募集”が貼られた空き店舗や、



女性一人しか居ない店しかない。



二人は、ただ必死で走るしか無かった。

「もうっ‥!!!」「待ちやがれクソ女共ぉ!!」







走って走って、二人は狭い路地の中に入った。

入り組んだ狭い路地の隙間を、死に物狂いで駆け抜ける。






いつの間にかキャップは脱げ、真冬だというのに汗が止まらない。

息を切らせながら、雪は静香の手を引いた。

とりあえず路地裏抜けて繁華街へ‥



焦る気持ちを必死に抑えながら、雪は見覚えある路地裏に足を向ける。

しかしそんな雪の後ろで、静香は苦しげに息を吐いていた。

「はっ‥はっ‥」



「もう走れない〜〜!」「ええ?!」



静香はそう言って雪の手を振り払った。

雪は立ち止まり、静香の足元に目を留める。

「あ‥」



知らぬ間に静香の足は傷つき、血が滲んでいた。走って来た道にも血痕が残っている。

「もう無理‥痛くて死にそう‥ガラス踏んじゃったみたいで‥」



静香はこれ以上進めない。けどここに残っていてはすぐさま捕まってしまうだろう。

焦った雪は周りを見回してみる。



目に入って来たその大きな室外機には、見覚えがあった。

以前路地裏を逃げ回っていた時に身を隠した、その場所だったからだ。



「こ‥こっちへ!」「あ‥え?!」



「あっ?!」



雪は静香の身体を半ば強引に引き倒した。

「痛っ‥!」







声を上げかけた静香の口を手で覆い、雪は人差し指を自身の口の前に翳す。

静香は不服そうな目付きで雪を凝視していた。



「今の状況考えて下さい。捕まったら大変なことになりますよ」



「何よ!」



静香はそう言って、雪の手を振り払った。

そんな彼女に向かって、雪は冷めた瞳で冷静に語る。

「全部知ってます。ヤミ金業者の元に私を連れて行こうとしていたことも」



「どうしてそれを‥」



静香はギクッとしながら思わずそう漏らすと、

バツが悪そうに雪から顔を背けた。

「いや‥その‥」



「どこまでも非道い人ですね、静香さんって」



呆れたようにそう口にする雪に、もう静香は言い訳しなかった。

ただ口を噤み、俯いただけだ。







真冬の寒さが身に堪える。

二人は不安な気持ちを持て余しながら、静かにその場に座っていた‥。


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<囚われた虎(6)ー逃走ー>でした。

雪×静香での口を覆うシーン!



今まで色々な人同士でありましたね〜

20話での雪×淳から始まり



208話での雪×亮なんかもありましたね。



走馬灯‥。

そして思い出す174話の静香の台詞。



借金取りからの逃走‥。まさかこんな所に伏線が‥

いや〜すごいです。。

次回は<囚われた虎(7)ートラウマー>です。


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