ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

無垢な存在であり続けたい病

2020-10-09 07:29:23 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「同じ過ち」10月1日
 『軍事知り主権守れ』と題された、人気漫画「ゴルゴ13」原作者平良隆久氏へのインタビュー記事が掲載されました。平良氏は、沖縄出身、『まんがでわかる日米地位協定』を出版なさったばかりです。
 記事の中で平良氏は、『戦後日本は軍国主義時代に戻るまいと、軍事を学ぶことをやめてしまい、1億総軍事音痴になってしまった。しかし軍事に疎い政治家や官僚たちが軍事に秀でた米国などとの交渉を対等に行えるでしょうか。答えはノーでしょう。国が暴走しそうになった時、国民は何も知らないままでブレーキ役を担うことができるでしょうか。戦争が嫌であればこそ、学ぶことが大切なのです』と語っていらっしゃいます。
 私もこのブログで、真の平和教育は戦争防止教育であるはずで、そのためには情緒的な戦争反対、戦争は恐ろしいと訴えるだけの反戦教育に留まってはいけないと主張してきました。それだけに、平良氏の提言は我が意を得たり、という思いです。
 太平洋戦争中、我が国では英語を適性言語として、学ぶことを禁じました。野球のストライクを「よし」に変えたという話は誰もが耳にしたことがあるはずです。しかし、それは世界の常識とは逆の措置でした。米国と戦争をするのであれば、米国のことをよく知る必要があるというのが、当たり前の考え方なのです。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という孫子の兵法にあるように、1000年以上昔からの常識だったはずなのですが、我が国ではその逆を行い、戦いに敗れたのです。おそらく、敵を汚らわしいものとみなし、そんな敵のことについて知るなんて耳が汚れるという発想だったのでしょう。
 戦後はそんな「耳が汚れる」ものの代表として、軍事があげられるようになったのです。このままでは、軍事のことを何も知らないまま、戦争の動きに有効な反対をすることができずに、ずるずると戦争という泥沼にはまり込んでしまう危険性大です。そもそも、軍事について知らなければ、我が国が戦争への道を進みつつあることさえ、自覚できない可能性が高いのです。気がついたら「赤紙」が届いたなんてことになりかねないのです。
 学校教育の中で、きちんと科学的かつ合理的に軍事というもの、戦争のメカニズムを学ぶことの必要性を共通理解し、今すぐにでも、教員代表・市民団体代表・歴史学者・自衛隊幹部経験者・外国の軍事に関する教育に詳しい研究者等でカリキュラム検討委員会を立ち上げるべきだと考えます。

 

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