「ここを詳しく」9月27日
『英語小5から教科に 有識者会議提言18年度にも』という見出しの記事が掲載されました。そして、記事内に掲げられた『英語教育改善策に関する報告書 骨子』は、6つの項目があげられています。その中で私が注目したのは、『「英語を使って何ができるようになったか」という観点で成績を評価する』です。
私は今までにこのブログで、小学校における英語教育導入に対して懐疑的な立場で意見を述べてきました。その理由としてあげていたのが、どの程度のレベルを目指しているのかが不明確であることでした。海外旅行で買い物をし道を尋ねることができるレベルなのか、東京オリンピックで訪日した外国人をボランティアとして案内できるレベルなのか、企業マンとして外国人と英語でビジネス上のやりとりができるレベルなのか、国際的な学会で発表する学術論文を英語で作成できるレベルなのか、どのレベルを目指すのかによって何歳から取り組ませるか、悉皆で行うのか選抜制で実施するのかなど、違いがあると考えていたのです。
今回の改善策骨子で示された、「英語で何ができるか」を評価基準にするということは、どのレベルかを具体的に示すことにつながるので、そうした意味は一歩前進と評価したいと考えています。
今後は、示された具体的なレベル像に基づいて、それならば選択制でよいとか、むしろ小1から教科として取り組ませるべきといった議論が中身のあるものとして行われることが期待できます。また、ALTや教員養成など目指す英語教育を支える諸条件についての議論も具体性をもち、そのことが必要な制度や予算の整備を促すことにもつながると思われます。
そのためにも、「英語で何ができるか」は、単に英語で買い物ができるというような曖昧さが残るものではなく、「家電量販店で、A社の掃除機とB社の掃除機を比べ、性能、保証期間、電力消費量の違いを尋ね、その上で値引き交渉をする」というように場面設定したものにまで、具体化することが大切で、その点に専門家の知識と経験を結集させてほしいものです。
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