今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

悪妻の日

2006-04-27 | 記念日
今日(4月27日)は「悪妻の日」。
ソクラテスの妻が悪妻として有名であることかららしいが、誰が、こんな記念日をつくったのかはわからない。
ソクラテス(Socrates )は、古代ギリシアの哲学者である。彼自身は著作を行わなかったため、その思想は弟子のプラトンや歴史家のクセノポンの著作を通じて紹介されている。
ソクラテスは、紀元前469年頃 、アテナイの中産市民階級の家に生まれたらしい。父親は彫刻家もしくは、石屋で、母は助産婦とされている。スパルタと戦ったペロポネソス戦争の最初の大会戦(デリオンの戦い)では重装歩兵として従軍している。青年期には自然科学に興味を持ったとの説もあるが、晩年は倫理や徳を追求する哲学者としての生活に専念。「幸福とは何か」「正義とは何か」「人間はいかに生くべきか」などと精神を磨くことを説き、問い続け、その信念ゆえに投獄されたといわれている。このソクラテスが獄中で毒杯を仰いで自殺した日(死刑に服した日)が、紀元前399年の今日(4月27日)であり、その最期の言葉(悪法もまた法なり)」は、有名な言葉である。
このソクラテスの結婚は遅く、50歳頃、クサンティッペと結婚し、長男をもうけたが、ソクラテスにはもう一人の妻ミュルトーがおり、ミュルトーとの間にも二人の息子をもうけ、三人の子供がいたことになるが、当時アテナイでは人口減が問題になっていたので、一夫多妻を議会で可決し、ソクラテスが率先してそれを実戦したのだそうだ。
クサンティッペ(生没年不詳)が世界三大悪妻の一人とされている。因みに、他の2名は、コンスタンツェ・モーツァルト(作曲家モーツァルトの妻) とソフィア・トルストイ(作家トルストイの妻) と言われているが、ソフィア・トルストイの代わりに、ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネ(ナポレオン・ボナパルト第一夫人) とする説もある。
クサンティッペは主人の着る物に頓着せず、ずだの修行をする僧侶のように擦り切れた襤褸(ぼろ)を着せ、何かというとソクラテスに詰寄り、ヒステリックに暴れ狂い、夫を困窮させたというエピソードが伝わっているようだが、クサンティッペを悪妻ということで有名にしてしまったのは『ギリシア英雄列伝』(ディオゲネス・ラエルティオス著)のようで、ある時クサンティッペはソクラテスに対して激しくまくしたて、彼が動じないので「ソクラテスに水をぶっかけた」「広場でソクラテスの上衣を剥ぎ取ろうとした」などと書かれているそうだ。その時、ソクラテスは平然として「雷の後は雨はつきものだ」と言ったという。その他にも、ソクラテスが語ったとされる言葉に、「セミは幸せだ。なぜなら物を言わない妻がいるから」 、「ぜひ結婚しなさい。よい妻を持てば幸せになれる。悪い妻を持てば私のように哲学者になれる」 と・・・、そして、そんなにひどい妻なら別れたらいいじゃないか」と言った人に対し、ソクラテスは、「この人とうまくやっていけるようなら、他の誰とでもうまくやっていけるだろうからね」 ・・・という。このような、エピソードの信憑性には疑問の余地があるものの、ソクラテスの弟子クセノフォンも著書のいくつかのところで彼女の悪妻ぶりに言及しているところがあるようで、あながちすべて作り話だともいえないようだ。少なくともかなり激しい気性の女性ではあったらしい。
しかし、プラトンの著作『パイドン』の中で、妻クサンティッペは、獄中にあるソクラテスの死刑の日の潔さに耐えられずに取り乱して泣いたという描写がある。彼女は、勇気ある夫ソクラテスを愛していたのであろう。
ソクラテスは本業の石工そっちのけで街をうろついてばかりいた。そして、街では多くの若者と哲学論議に明け暮れる日々、妻クサンティッペは家庭を守り続けていたが、家の中ではそのクサンティッペとほとんど話しをしなかったからだとも言われている。悪妻は百年の不作、悪妻をめとった夫は一生を台無しにするとも言われるが、「悪妻」というのは第三者から「悪い妻」と見られているだけで、当の夫は案外気にしないことが多いようだ。私などから見ると野球の落合監督夫人、野村監督夫人などもそのようなうちの一人ではないかと思うのだが、肝心の夫は、結構満足しているように見えるが・・・。ソクラテスの言うように、”その人とうまくやっていけるようなら、他の誰とでもうまくやっていけるだろうから”・・・監督業も難しくはないだろうね。
ソクラテスについては、昨年のブログ今日(4月月27日)は、「哲学の日」でも書いたので、興味のある人は見てね。

(画像は「悪妻に訊け―帰ってきたソクラテス」 池田 晶子 著。 新潮社)
参考:
ソクラテス - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%86%E3%82%B9
悪妻 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%82%AA%E5%A6%BB
悪妻クサンチッペの涙/~古代ギリシア・アテネより~
http://www5b.biglobe.ne.jp/~mizuta/mizutasekaisi/7sokrates.htm
ソクラテス
http://philos.fc2web.com/socrates/whatsoc.html