今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

メートル法公布記念日

2006-04-11 | 記念日
今日(4月11日)は、「メートル法公布記念日」
1921(大正10)年、改正「度量衡法」が公布され、法律によりメートル法を使用することが定められた。メートル法は、世界での通用を目的に仏国で制定された。メートル法とは、長さの単位であるメートルを基準として作られた単位系、およびそこから派生した各種の単位系の総称であるが、今日では国際単位系(SI)の別名とされることが多い。
古来、人が数を数えたり、物を計ったりすることはありとあらゆるところで色々な方法で自然におこなわれていた。計量の単位あるいは呼び名は昔から各国ともいろいろな変遷を経ながら変化してきている。ところが貿易をはじめ科学・産業などあらゆる分野で世界的な交流がはじまると、世界どこでも、誰でも同じ単位で同じ呼び方がされ、しかも同じ量であればお互いに換算し合う不便さもなく、この上なく便利であることはいうまでもない。
フランス革命後の1790(寛政元年)年3月に、国民議会議員であるタレーラン・ペリゴールの提案によって、世界中に様々にある長さの単位を統一し、新しい単位を創設することが決議された。それを受けて、1791年に、地球の北極点から赤道までの経線の距離の1000万分の1として定義される新たな長さの単位「メートル」が決定された(従って、地球の円周は約4万キロメートルになる)。質量も、このメートルを基準として、1立方デシメートルの水の質量を1キログラムと定めた(正確な定義はそれぞれの単位の項目を参照のこと)。他に、面積の単位アール(are, 100平方メートル)、体積の単位ステール(stere, 1立方メートル)・リットル(litre, 1立方デシメートル)を定めた。
このメートルの単位の合理性は度量衡の単位の統一に悩んでいた国々にみとめられ、1875年にメートルに関する国際条約が締結され世界的に採用の統一がはかられ、世界各国がこれを採用するようになった。日本も1886(明治19)年に、この条約に加入した。
そして、1891(明治24)年に、度量衡法を公布して尺貫法とメートル法との関係を定め、1921(大正10)年には度量衡法を改正して度量衡の基礎を尺貫法からメートル法に置き換えることを決め、15年間(一部のものは20年間)の猶予期間をおいてメートル法に移行することに決めていた。しかし一部の国粋主義者などから、「メートル法の採用は日本の文化を無視するものだ」などの批判が出て、移行は頓挫してしまっていた。そのため、日本では尺貫法とメートル法の併用が続いていたが、1959(昭和34)年1月1日をもって、改正「計量法」により、尺貫法による定規や升などの製造販売が禁止され、メートル法が完全に実施された(ただし、土地や建物の表記を含めて全面的に実施されたのは1966(昭和41)年4月1日からである)。1886(明治19)年にメートル条約に加盟してから70年余りを経てのことである。
私が社会人になり商社に入社したころ、最初は暫く色々な部署の仕事を経験させられたが、その時に、商品の受渡課、と言うのがあった。繊維関係の仕事だったので、輸入した綿や綿から加工された糸、糸で織られた綿布などの輸入先から紡績会社へ紡績会社から商社へと、その商取引を記録し、その在庫を管理するところであるが、その頃、まだ、尺貫法が使用されていたがそれが、途中からメートル法でしなければならなくなったのだ。これには困った。入ってくるときと出て行くときとで単位を変えなくてはならないのである。「メ-トル法換算速算法」に基づき、いちいち換算しなければならない。輸入時の綿の単位は梱であり、1梱は480ポンド。重量の1ポンド=453.6グラム 。綿布などは、ヤード単位で入ってくるので、1ヤードは0.9144 メートル。これを、換算しながら、綿や糸、綿布の数量と金額を管理しなければならないのである。毎日のものすごく大きな量のものをいちいち換算するのだから、少しづつの差異が出るのは止むを得ない。毎月、その結果を出すのであるが、その結果が合っているのか?、間違っているのか?それとも、単なる誤差の範囲なのか?それを確認するのに参った経験がある。
二十一世紀を迎えた今日。ようやく各国ともメートル法を主体とした流れに、とくに世界交流の分野ではほぼメートル法は定着したといえるだろう。
今は、土地や家の広さなども平方メートル(㎡)で表示しているが、畳の生活に慣れている私など日本人としては、どうも、㎡はピンとこない.本間の畳2畳が1坪なので、坪ならすぐにその広さがイメージできる。しかし、6畳は何㎡?・・・「坪を平方メ-トルに直すには、・・・一割加えて三倍せよ」か・・・。ああ、ややこしい。日本の反物なども昔のヤール巾で織られている。又、着物地などは尺や寸単位で織られており、業界によっては、今でも、その世界では、尺貫法が使われているのではないだろうか。
各国ともそれぞれ国内的にはメートル法以外の単位が日常生活と結びついて習慣的にかなり使われているものもあるとおもうが、科学、産業、経済、貿易、情報、通信など国際的な流れとしてのメートル法の採用は不可欠である。
ところが、近代的な社会を迎える間に極めて多くの単位が必要となり、つぎつぎと単位を追加していく過程で、同じメートル法でもいくつかの単位系に分かれ、分野、あるいは国によってそれぞれ異なる単位系を使うようになってきたという。例えばCGS単位系MKS単位系では同じ量でも単位の名が異なったり、MKS系ではキログラムは質量であっても重力系ではキログラムが力と同じ量の重量のことであったりする。そこで、物理学者は主にCGS単位系、工学者および技術者は主に重力単位系を用いた。これらは学校教育現場でも異なった単位系を習得することとなり、複雑な単位の変換と換算をする知識が求められるそうだ。そこでこのメートル法をさらに合理的なものに整理しようということから、ここに「ひとつの量にひとつの単位」として登場したのがSI(国際単位系)である。SIはいわば現時点における完成されたメートル法といえるものだそうだ。
(画像は、メートル法完全実施祈念切手。 1959年6月5日発行。切手には、巻尺・天秤・計量グラスが描かれている。)
参考:
計量法
http://www.houko.com/00/01/H04/051.HTM
計量法施行令
http://www.houko.com/00/02/H05/329.HTM
メートル法 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB%E6%B3%95
国際計量室 :: メートル条約
http://www.intermet.jp/metric/
[PDF] メートル法概数換算法 度 量 衡 換 算 表
http://bt.jmam.co.jp/koyomi/shiryo/pdf/doryoukou.pdf
メートル法 - Wikipedia
それからのメートル法 多賀谷宏04
http://www.keiryou-keisoku.co.jp/today/kijistock/tagaya/tagaya04.htm
世界が認めた理想の単位SI(国際単位系)(97年11月9日号)
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirotkmt/kiji/sigenzyo.htm